総務財政委員会視察

視察先…埼玉県戸田市、千葉県千葉市、東京都北区、新潟県新潟市

調査事項

☆埼玉県戸田市(戸田市政策研究所について)
☆千葉県千葉市(ビッグデータ・オープンデータの活用について)
☆東京都北区(北区文化振興財団について)
☆新潟県新潟市(新潟市芸術文化振興財団について)


千葉県千葉市のビッグデータ・オープンデータの活用について私、志賀光法が報告書を作成しました
LinkIcon千葉市視察報告書をダウンロード

総務財政委員会視察

日時・場所・視察項目

①平成20年10月8日
  千葉県松戸市
   サマーレビュー(予算審査)について
   補助金の見直しについて
②平成20年10月8日
  神奈川県藤沢市
   政策研究室について
   予算編成過程の公開について
③平成20年10月9日
  東京都多摩市
   決算の事務事業評価について

市役所4階委員会室で市役所関係部署の部次長をお呼びして報告会を行いました。
LinkIcon報告会での配布資料をダウンロード

平成20年度総務財政委員会視察報告会

平成20年度総務財政委員会視察報告会概要
(平成20年11月7日)
○ 行財政改革の取り組みについて
(1)視察報告について
松戸市・・・サマーレビュー(予算審査)について
補助金の見直しについて
藤沢市・・・政策研究室について
予算編成過程の公開について
多摩市・・・決算の事務事業評価について


委員長から、上記視察項目について、まず視察先の選定理由が申し述べられ視察先で配付された資料、そして委員長作成の視察報告書に基づき報告がなされ、委員長、そして各委員から執行部に対して要望意見が述べられた。


視察先選定理由
《志賀委員長》


今回の視察先の選定理由につきまして財政状況が厳しい中、宇部市において補助金の見直しをされてきたところですが、さらに見直し・改革をして行くことが必要と思い補助金改革をしているところ。当初は補助金を全て白紙に戻し補助金改革を行った千葉県我孫子市を予定していたのですが、視察受け入れが多いということで調整がつかず補助金の見直しと予算編成前に予算審査(サマーレビュー)を行っているということで松戸市に、
また、藤沢市につきましては地方分権が本格化・具体化して行く中、自治体自身の調査研究能力、政策形成能力が求められる中、シンクタンクを持つことが必要と言われております。宇部市においては早稲田大学との共同研究がおこなわれておりますが、シンクタンク(政策研究室)を独自でもっているということと、また、限られた予算の中で今後施策についてはさらに選択と集中をして行く中で市民対して予算編成過程の公開についても検討しなければならない時期に来ていると私は思っておりまして、予算編成、予算要求・査定額を公開している藤沢市にしました。
また、多摩市については総務財政委員会というより、議運の調査項目になりますが、二元代表制としての議会のチェック機能の役割を果たすということで議会自ら事務事業を評価しているということで視察先として決めました。また、出来るだけ宇部市の類似としということも意識したところで、因みに松戸市と藤沢市については人口規模は違いますが、総務省の都市類型 宇部市と同じ Ⅳ―3類型 32団体の一つです。


視察報告書


(千葉県松戸市)
(1)サマーレビュー(予算審査)について
   サマーレビューに実施するに至った経緯について
総合計画の第2次実施計画(15~19年)の事前評価をH15年にした結果、H16~19年の財源推計が229億円の一般財源が不足することが判明したため、
毎年の財源をどう見てゆくか、事業の縮小、歳入の確保を重点にしながら行財政改革を進めることとして、H15年12月にH16年から19年までの行財政改革計画が策定され、その中で短期的な改革と中長期的な改革アクションプランの2つの改革が示された


短期的な改革 → サマーレビューの導入(229億円の削減)
 ☆事業の再構築     約112億円の削減目標
 ☆総人件費の抑制    約 48億円の削減目標
 ☆財政調整機能の発揮  約 70億円の削減目標


★結果240億円強の削減達成(主に人件費の削減大、マルチペイメント・クレジット収納・コンビニ収納・電話催促システムで収納率92%に上昇し、7月10日時点で1億4,000万円の増収[システムは約1億円]、督促状の発送10%減、高齢者祝い金の見直し等も実施)


中長期的な改革 → 次期の3次の実施計画策定するにあたり戦略的な計画とし
ての基礎・ベースとなっている
     ☆行政経営システムの全体像の把握
     ☆改革工程表の策定


○サマーレビューについて
☆サマーレビューの定義
7月ごろの予算編成前に実施する中期、3年程度の成果目標と計画額を設定するための事務事業の見直し
   ☆ツール
 ①SWOT(スウォット)分析による戦略書シート(P7)
 ②戦略書シートの見直しに伴う行政評価支援システム
  行政評価についてはH17年より富士通のパッケージソフトを活用
 ③事業費内訳表(事業約800事業)


☆サマーレビューの実施主体
 H16~19年度(行財政改革推進会議)H20年度~(後期基本計画策定会議)


  ○今年度のサマーレビューの結果について(P17)
 今年度のサマーレビューの結果ですが、平成23年度末の基金残高が4,254万円しか残らないとなる結果であるが、これから予算編成に入るが、財政調整基金を少なくとも3ヵ年で50億円くらい残す目標を設定し、財政機能を発揮して調整する。
(2)補助金の見直しについて
  ○過去の取り組みについて
松戸市長がH6年に就任し、H7年11月に松戸市行政リストラ実施計画を作成した。H8年9月に補助金交付等に関する見直し指針を作成し、補助金をチェックした。


☆補助金を14項目(P14)に区分し区分ごとに見直し指針を作成。特に団体運営費補助金4区分(①団体運営費補助金②産業振興奨励補助金③その他症例事業補助金④事務事業委託事業負担金)については市民の方に直接関わることなのでチェックシートで評価・点検したが、財務的な要素で分析されるものなので、結局削減の大小の理由付けが難しいので一律20%の削減を実施。
成果としてはH9年度の予算で68件1,655万2,000円の補助金が削減。


  ○現在の取組み
    松戸市行財政改革計画(H15年12月)の中長期的な改革の検討項目として『補助金等の第三者機関による審査』と位置づけられH18年5月に松戸市補助金等検討委員会(学識経験者5人による、)が設置され、具体的な削減案ではなく補助金改革の基本的な考え方について示された提言がH19年2月に提出されたが、松戸市の協働まちづくり条例が制定される動きがあったので条例制定後H19年11月に松戸市補助金等審査会(副市長、財務本部長、総務企画本部長、8本部の企画管理室長、政策調整課長、協働推進課長13人で構成された庁内組織、補助金は政策的なものとの理由で市民を入れていない)が設置され現在全体の補助金について審査している


☆松戸市補助金等検討委員会について(H18年5月~H19年2月)
    160件くらいの補助金の現状把握、補助金の見直し基準の構築、新たな補助金について研究され、H19年2月に補助金のあるべき姿と見直しに関する提言書提出
     ★提言書の概要
      基本的な考え方(『財を削る・減らす』視点から『財や人の力を活かす』の視点へ)協働のまちづくり条例とのからみ
      その他は(資料2参照)


☆松戸市補助金等審査会について
補助金等検討委員会の提言を受け、今年の7月末に提言書に沿った形で大まかな改革指針について市長の了解を得た。今は、新たな審査基準作成を進めており、140件について審査資料が提出され10月から審査している。


(神奈川県藤沢市)
(1)政策研究室について
○政策研究室のこれまでの経過について
行政として大局的な様々な課題に対して問題認識をどうゆうふうにして行くか考える必要に迫られ、H12年に企画部門の中に市政調査担当として設置した。当初は首長のマネージメントとして市長から特命で緊急の課題への対応や調査研究をしていた。(当初の課題としては特別会計・企業会計の扱いについて、特に問題になっていいたのが中央卸売市場で中央卸売市場としての見合うだけの扱いが無く経営の立て直しが必要であったこと、そして、中核市などへの移行や県から権限移譲される事務事業の取扱、市民病院や3次救急の設置をどのようにするか等の課題について市の職員の配置はなく常勤1名非常勤3名の体制でスタート)
現在の調査研究機能に近づいたのがH15年からであり、市の職員を2名配置し体制の強化をした。総合計画の見直しで将来人口推計調査、工場跡地JR辻堂駅北口再開発問題などの研究課題があった。
現在の体制となったのがH17年からで、よりシンクタンク的な性格を強く打ち出そうと考え、名称も政策研究室とし、より専門分野の研究者を入れて研究機能を強める為大学の博士課程の学生も配置し、喫緊の課題というより、より大局的な課題について検討していった。H18年からは、若手職員を2名程度兼務で配属し部局が持っている課題や個人的に市政に対する課題について1年半程度調査研究してレポートをまとめていくという、職員研究員制度も実施している。


○自治体のシンクタンクの機能として求められるものと課題について
①求められる機能
☆人材の育成機能
職員は目先のことに捉われがちであるが、バックグラウンドの分野をおさえた上でどう動いたらよいかを考えるという幅広い視野を若いうちから獲得していくことがこれからの自治体の職員として必要である。
      政策提案できる職員の育成
☆トップマネージメントの補佐機能
   必要な情報を必要な形で的確に入れてゆく、しかもそれをわかりやすく噛み砕いた形で入れてゆく必要がある
②課題
 ☆シンクタンクの運営は、行政内部に必要な機能を提供しつつ現場と中立というバランスの取り方が難しい。
 ☆研究成果をどうやって施策に生かしてゆくか
○自治体のシンクタンクの形態
  ①課・係として存在・・・神奈川県相模原市
  ②審議会として開催・・・神奈川県三浦市
  ③独立(財団、外部組織)・・・大阪府豊中市


○活動実績について
 施策にどう生かしていくかについては、ニュースレターを職員向けに発行し、研究誌を半年に1回冊子(藤沢政策研究)を発行し、情報発信している。
 施策を考えていける人材を育成していくということで、都市問題研究会の開催や職員研究員制度、政策提案制度を実施している


(2)予算編成過程の公開について
  ○これまでの経過について
 H17年4月(H17年度予算)からを公開している。H16年から県内の一部自治体で公開(横浜市・鎌倉市・平塚市)を始めていたので、藤沢市としても編成過程を公開することがH16年12月に意思決定され、H17年度予算から公開した。
藤沢市としては、議会等の関係もあり、議会で承認された後、速やかに公開するということで4月としている。


○予算編成過程の公開内容について
    予算編成方針、予算編成の流れ、要求・査定額一覧、重要事業について(全てではない)予算編成状況として査定の考え方等を公開している。


○課題について
 政策的に取り組んでいる事業については、事業を拡充し、要求状況、査定結果、査定の考え方を具体的に示すことが重要と考えている。(市長が交代したのでそのマニフェストへの対応)
予算編成が終わってから、資料を別に作成している関係で事務量が非常に多いので、現状の査定表を活用しながら簡単に予算編成の公開ができれば、事業拡大が簡単にできると考えている。ただし、ソフトなどへのお金をかけることができないので、何かの手立てをしなければならないと考えている。


(東京都多摩市)
議会による事務事業評価
○これまでの経過
  自治基本条例がH14年ごろから市民グループで策定準備作業がはじまり、市民グループと行政での策定作業が進む中議会としても何らかの対応をすべきとなり超党派で勉強会など重ねて市民グループが提出した条例案を行政が手直ししたものをH16年8月に議会が原案を10数か所修正し自治基本条例が制定したことで議員・議会が2元代表制の意味、議会がチェック機能としての役割というものを認識され、そして、さらに議会のチェック機能を果たすということで決算審査改革の流れになった。
従来の決算特別委員会は議員の半数で審議し、議員・市民の関心のあるものだけ審議し討論と称して長々と意見を述べ、形式的に認定していたが。H17年、外部評価として最適なのは議員であるという認識のもと、議長と監査委員を除く全員で審議し決算について議会全体としての明確なメッセージが必要であり、そのツールとしてH16年度決算から事務事業評価を活用し決算の分かりやすさ、そして実効性のある審査と次期予算への連動を考えた決算審査改革を実施。


☆H16年度決算は審査事業を14事業について絞り効率的に審査する為3つの分科会に分かれ執行部が作成した事務事業評価を中心に審査し、意見交換をし、委員ごとに評価をA・B・Cの三段階評価し評価の理由を述べ座長が取りまとめ、さらに委員長が各分科会の取りまとめ、事業ごとの評価・意見について評価議員名も公表。


☆H17年度決算は分科会に分かれず5日間の日程で全員で審査を行った。また評価する事業については理事会で審査希望を募り多いものから15事業に絞り総合評価に加え観点別評価を加えた。評価の手順はまず、質疑を行い、次に観点別(評価基準①事業目的の達成度②成果指標について ③手法及び改善度④次年度に向けて)の評価を行い、その得点を踏まえつつA・B・Cの3段階の総合評価と意見表明を行った。また、意見交換は前員の議員での審査だった為実施しなかったが意見表明については市の対応については予算への連動を意識し書面で回答を提出してもらい。(別紙P2)HPに掲載。


☆H18年度決算はこれまでの集中審査(H16年14事業・H17年15事業)では事業数が足りないのではないかとの意見があり理事会で対象事業を一気に50事業に拡大し、また行政と同じA・B・Cの3段階評価ではなく議会として行政と同じ視点ではなく「質」と「量」の2つの評価軸について3段階(0点・1点・2点)で「質」と「量」ともに満点の場合の4点を100点満点として換算し集中審査ではなく評価した。(評価の最高点の災害対策経費と最低点の市民提案型まちづくり事業については別紙の事業カルテがあるが行政側の評価は全く同じで変わらないが議会の評価は全く違ったものとなった:内部評価と議会の外部評価として違った評価が出て意義があると思われる)また、議員の評価・意見ついての市の対応については50事業と多かった為、書面での対応ではなく今回に限り議員説明会という形で実施。
☆今年度H19年度決算は前年度の50事業は多いとの意見から29事業に絞り(選出上の基準:重要施策・新規事業など)評価につてはH18年の評価の「質」と「量」に加えての点数評価とA(継続)・B(見直し)・C(廃止を含めて検討)の議会としての方向性も評価した、各会派の評価についてはそれぞれ100字以内のコメントもつけてある。そして、評価点の低かった1・5・25・26の4事業(30点代の評価点の低い事業については議場で議員だけで半日(4時間)かけて意見交換を実施。


○審査の決算審査の流れ
  ☆6月議会最終日までには 決算委員会の正副委員長、理事を人選
  ☆7月に理事会(会派から代表者1名+正副委員長)開催[10数回開催(議会開会中含める)] 
  ☆9月議会10日前の8月中旬に事業カルテ・診断書等の(決算書類:宇部市議会の付属書2冊分ある)議会提供
  ☆理事会では評価事業を決定・議員は質疑項目を検討、そして、会派ごとに執行部を呼んで勉強会を実施(個人に分担した場合などは個人的に)
  ☆決算委員会は最初総括質疑で全体のことをやってから款に入る。歳入は一括して行う。歳出は集中審査事業とした場合は先に行い、わかりやすいように関連するものを一緒に行う。
  ☆評価後議員だけで意見交換を行い、市に対して書面で回答させる


○課題について
議員の視点によっては評価がAからCまで分かれてしまう。・・・評価の仕方が難しい。行政や市民にとって何がよいのかはっきりしないが、評価基準を今後も見直し、同時に市民に分かりやすいようにし、議会の評価に対して、行政側の対応方法も検討してゆく必要がある。


報告者:宇部市議会総務財政委員会 委員長 志賀光法


主な意見、要望等
《志賀委員長》
  松戸市のサマーレビュー、多摩市議会の外部評価のもとになっているのが事務事業評価であり、改めて事務事業評価の重要さを認識した。宇部市でも事務事業評価はされているが、積極的に公開して、市民からは事業のお墨つきをいただく形になると思うし、議会にとっても、事務事業評価をもとに、予算、決算についてもさらによい質疑ができるのではないかと思う。行政側にとっても、事実に基づいた事務事業の継続、見直しの論議、合意形成を行う上でも、事務事業評価が非常に重要と思っているので、事務事業評価システムの積極的な活用をお願いしたい。
  松戸市で取り組んでいるマルチペイメント、コンビニ収納、クレジット収納についても取り組む時代に入っており、いかに収納率を上げていくか重要な問題と思うので、検討していただきたい。
  シンクタンクも、宇部市は早稲田大学連携協働事業を行っているが、完全自治体を目指す宇部市にとって、行政運営をどうしていくか、大局的な見方、人材育成についてもシンクタンク的なものが必要と考えている。できれば宇部市独自で、それが無理でも、周辺市と共同設置でも検討をお願いしたい。
  また、補助金について、明解な審査基準を検討する時期に来ている。行財政改革で、補助金の見直しもしていただき、検討委員会等を設置して指針をもとに進めていただきたいと思った。
予算編成過程の公開もいろんな議論があるが、予算を削っていく中で、また事業を継続、見直し、廃止する中で、市民に対しても説明責任を果たす意味をこめて、公開する時期にきているのではないか。北九州市の積極的な取り組みをみると、事業を廃止する理由づけも必要と思うし、継続するにしても予算編成過程の公開についても今後、検討していただきたい。


《委 員》
  松戸市のサマーレビュー、藤沢市のシンクタンク、多摩市の行政評価が特に目をひいた。松戸市のサマーレビュー、多摩市の事業評価は、仕組みがあったからできたが、特に多摩市の評価を宇部市でやろうと思ってもできないと思う。
多摩市は、ISO9000をやって、行政になじまないからISOをやめて、PDCAの仕組みを取り入れてできた。それがなく行政評価をしないといけない場合、どういう方法でやるか、ものすごく悩むと思う。ISO14001もPDCAだが、対象や内容も違う。資料として残し、やり方等を評価して公開できることは、我々からすれば偉大である。多摩市は市民のみなさんの関心、議員のみなさんの努力、そういうのが相まってできたと思うし、よくやったと思う。
シンクタンクは、財政の豊かなところでないとできない。シンクタンクというからには、提言、調査研究内容が、政策に反映できて効果がある。調査研究してそれを取り入れるかどうかというのは首長の決心次第であり、その時によいかどうか判断基準も非常に難しいと思うが、将来を見越すためには必要な部分と思う。市がどれだけかかわっているか、シンクタンクであるから情報機関の一つとして位置づけるか、政策の一つとして位置づけるか、採用したところの取り組み方になると思うが、シンクタンクというのは、流れをよむのが目的であろうと思う。
藤沢市の財政状況は抜群によいからできた。近隣の湘南市、三浦市等もやっているので、あの辺は財政的に恵まれていて、お互いに切磋琢磨して市民があらゆる面で豊かになっていると思った。
今回のキーワードは、自分たちで取り組むこと、オープンにすることと感じている。


《委 員》
 シンクタンクは一概に良い悪いは言えないし、それぞれのやり方があっていいと思うが、宇部市には設ける必要はないと思う。地方分権の時代を迎え、非常に厳しい時代になってきたと同時に広域行政が進められて、道州制を政府が考えている時代になってくると、ますます市の役割、責任が重要になってくる。議員が執行部をチェックするというだけでなく、執行部と一緒になって、さらにいえば執行部を突き上げる形で、我々がもっと勉強して政策立案するというシンクタンク的な役割を果たすべきではないかと思っている。
多摩市の事務事業の評価についても、事務事業を勉強するという意味ではよいが、チェックするというのが、本当にチェックになるのか、会派によって主観的な見解で分かれてくる。多摩市の方も言われていたとおり、チェックの妥当性がこれからの課題で、チェックが公正に客観的になされるか疑問に思っている。
 他市のやり方がそれぞれあってよいが、宇部市は宇部市として、違ったやり方で本当の意味でのチェックとは何か、どう議員として動いていくか、将来的にこうあるべきとチェックするのは大切なことだが執行部がやった事務事業に対してABCで評価して意味があるのか、妥当性に大きな問題があると感じている。そういった意味であまりよくない、宇部市には当てはまらないと思った。


《委 員》
  補助金の見直しを宇部市でもやられているが、削減ありきという形では市としての役割が、はっきり見えなくなるのではないか。松戸市で具体的に中身がどうなったのか分かりにくいが、生かす、見直す、育てるということは考える視点として大事と思う。
  現在、審査基準をどうするか検討中で、市民参加型補助金は、提言はいろいろあるが市としてどう考えるかということは、なかなか難しい問題もからんでいて、今のところ結論はだせないという話であった。宇部市としてどうするかは宇部市の問題であるが、補助金の一つの視点としたい。


《委 員》
 多摩市は、昔から地元に住んでいる人が少ない構成になっている中で、自治会が大きくなったような議会活動ではないかと思っている。自治会長が市議会議員をやっているような感じを受けた。


《委 員》
 多摩市は特殊で、国策で人口一極集中をさけるために開発したため、お金をつぎ込んでいる。当時の人口3万人から現在が15万人になっていて、ごみ収集の外部委託の件でも、最初から自分たちでやる余裕がないから、民間にまかせることからスタートしている。歴史的に形態が違っていて、面積は狭いが、緑も多く公園もある。
 松戸市は、政令指定都市を目指していて、どこの市と合併すべきか模索していると言っていた。


《委員長》
 資料は事務局にもあるので、活用していただき、検討できるものは検討していただきたいと思う。
今後の議員活動の中で視察の成果を生かしてまいりたいと思っている。






(2)新行財政改革プランについて
総務部の木藤部長から、別添資料に基づき、新行財政改革プランの進捗状況及び新規行財政改革プラン(平成22年度~)の策定に向けての説明がなされた。


主な質疑等
《委 員》
  行財政改革懇話会の委員は、審議会のような年齢制限は考えていないのか。


《執行部》
  基本的には、考えていない。推薦をお願いしたので、年齢等一部審議会と異なる面がある。


《委 員》
  市民の代表は、何を基準にして選ぶのか。


《執行部》
  自治会の関係、NPOの関係、ネットワークコスモスは女性の団体の連合である。
 トップの方に頼んでいる。


《委 員》
  市がどういう人を望んでいると説明して頼んでいるのか。誰でもいいから選んでもらうのか。


《執行部》
  基本的には行財政改革懇話会の趣旨、これまでの動向等を説明して、人選については、申し入れはしていない。


《委 員》
  懇話会は公開か。


《執行部》
  懇話会について、意見を出されるものについては公開しない方かいいという気がした。新聞記者が入るかは、事前に会長と調整している。公開できるものは公開としてきたが、会場の問題がある。市民の意見が出やすい方法を考えるときには、審議の経過については、委員の氏名は伏せて概要の公開をするとしてシャットアウトしてきた経緯はある。会長によってどうなるか分からない。




○ その他(参考人)について
商工会議所の土木建築部会の方から、入札制度について意見を聞いてほしい旨の要請があったため、閉会中の継続調査事件としている「入札・契約制度に関する調査」の参考人として出席を求めてはどうかとの投げかけが委員長からなされたが、協議の結果、委員会として特定の利害関係者からのみ意見を聞くのは適当でない等の理由から、この件は見送ることとなった。