新政会第76回全国都市問題会議参加報告

日時:平成26年10月9日、10日
場所:高知県高知市高知県立県民文化ホール
内容
【第1日目】
○基調講演
山本 一力 氏(作家)
○主報告
岡﨑 誠也 氏(高知県高知市長)
○一般報告
名和田 是彦 氏(法政大学法学部教授)
小林 眞 氏(青森県八戸市長)
卯月 盛夫 氏(早稲田大学社会科学総合学術院教授、建築家、都市デザイナー)
【第2日目】
○パネルディスカッション
<コーディネーター>
山崎 亮 氏(studio-L代表、東北芸術工科大学教授、京都造形芸術大学教授)
<パネリスト>
近山 惠子 氏((一社)コミュニティネットワーク協会理事長)
片田 敏孝 氏(群馬大学大学院教授、群馬大学広域首都圏防災研究センター長)
岡田 法生 氏(高知市まちづくり未来塾)
清原 慶子 氏(東京都三鷹市長)
谷井 博美 氏(福岡県宗像市長)


第76回全国都市問題会議の参加報告につきましては私、志賀光法が報告書を作成しました
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日時・場所・視察項目

①平成20年1月28日
  埼玉県戸田市
  議会改革について
②平成20年1月29日
  富山県富山市
  中心市街地活性化計画
(コンパクトシティー構想)
参加者:小川裕己、青木晴子、植松洋進、兼広三郎、志賀光法、重枝尚治、山下憲章、


  戸田市役所                     富山市役所

戸田市(議会改革について)

1月28日(月) 埼玉県 戸田市
戸田市は、東北新幹線の敷設と同時に埼京線が併設されたことで都内への通勤が容易となったことなどからベットタウン化しマンションが増え現在も人口流入が続いて、また、荒川を挟んで東京に接する交通の要衝であることから、東京への物流の拠点として、多数の倉庫や配送センターも集積しています。そのようなこと等から地価も上昇し固定資産税や法人市民税収が多く、また、市街化調整区域がないこともあり、埼玉県一財政状況のよい市であります。
☆議会改革について
説明者:議会事務局次長  石塚文治氏


1. 議会改革特別委員会の設置経緯について
2002年に議会運営委員会で政務調査費の領収書の添付や一般質問の時間制限などの協議要望があり、議長の諮問機関である、議運で検討することもできるが、特別員会のほうが集中的に議論できるし、決定事項に重みがあるとし翌2003年2月の臨時会で、委員8名で議会改革特別委員会を設置した。


2. 議会改革の推進を図る項目の取組と実施状況について
① 委員会の運営方針議会改革特別委員会は月一回の開催を目安に、2項目以上のテーマを議題とし、まず自由討議により、方向性を見出し、会派持ち帰り等を含めて、意見の一致を目指し、多数決は極力避ける運営を行った。
② 取組内容と結果
1) 委員会傍聴の見直
定例会中の常任委員会の議案及び請願を公開対象とし、傍聴席数は、一般用5席、報道用2席とし、先着順に受け付け、定員を超えた場合は抽選おし、「戸田市議会委員会傍聴規定」、「同施行細則」を制定した。
2) 政務調査費の見直し
透明性を高めるため、領収書の添付、使途基準を明確にする為「使途基準等に関する細則」を制定。
3) 一般質問を一問一答方式に変更
わかりやすく、白熱した論戦となるように、初回のみ総ざらい質問・答弁で、2回目から一問一答方式とし、発言席は議員席前に設置した質問席で発言とした。
4) 常任委員会の所管と名称の見直し
バランスを考え、部単位に統一した。
5) 陳情などの取扱の見直し
陳情は議場配布に改め、紹介議員自粛規定(道路舗装、公共下水道)排除し、良識をもって紹介議員となるよう、議長が要請した。
6) 議員定数の見直し
行財政改革の視点から、県内各市との比較、社会経済状況、民意の反映、議員一人当たりの人口、議会の権限など、広範な検討を重ね1名減とした。
7) 定例会の回数について
当面は現行の4回とするが、専決処分した際の早期臨時会開催と、最終補正予算の早期提出を市長に要請した。
8) 議決事件の追加
議会の監視権強化の観点から、「憲章、宣言の制定または変更、廃止」する場合は議会の議決を経ることに決定。「戸田市議会の議決事件に関する条例」を制定。
9) 常設的な特別委員会の見直し
特定目的・期間限定の趣旨にそって、廃止するものは廃止と決定し、必要と思われたものを新設した。
        10)議会中継
           戸田市のホームページでインターネットでライブ配信、セキュリティーの問題
           で録画配信はしていないが、環境が整えば録画中継も配信する。
        11)委員会の傍聴の拡大①
           常任委員会の他、特別委員会も議会改革特別委員会を除き傍聴許可を拡
大。
        12)委員会の傍聴の拡大②
           閉会中、臨時会も傍聴許可を拡大、しかし申し合わせとして委員会室で開
催される場合のみとした。
        13)戸田市議会議員信条の制定
倫理規定について協議した結果、倫理のみに捉われず、議会・議員のあり
           方も含めた、8項目からなる「議員信条」を定めることに決定した。
        14)戸田市議会議員の報酬等の特例に関する条例
           自己の都合や疾病による長期欠席(90日以上)、逮捕等の場合に、報酬・
          期末手当を減額・停止・不支給などの運用基準を制定した。
        15)議会から選出されている各付属機関等からの引き揚げ
          監査委員も含めた36の付属機関のうち25の機関から引き揚げ、残した付属
          機関等(監査委員と農業委員を除き)の報酬及び費用弁償は辞退することに
          決定した。
③ 今後の課題について
政務調査費の見直し、議員定数の見直し、議会事務局体制の強化などについて今後検討する。

富山市(中心市街地活性化計画/コンパクトシティー構想)

1月29日(火) 富山県 富山市
富山市は、薬の町で知られ、現在では環境やバイオにも力をいれています。しかし、街づくりでは、平坦な地形であること、自動車への依存や持ち家志向が高いことから、郊外の開発が進行し、市街地が拡散し続けた結果、県庁所在地の中で最も市街地の人口密度が低い都市となっているところです。そうした中、今後もさらに人口が減少し少子高齢化が進むと予想され、これまでのような郊外への拡散型まちづくりは限界に来ていて、これからの新しい街づくりの構想として、生産基盤を歩いて行けるコンパクトな街づくりの考え方を取り入れ、計画策定された富山市の中心市街地活性化基本計画は改正された中心市街地活性化法で青森市とともに全国で認定第一号となり、現在、商業者、市民、行政が一体となり事業を展開しています。
☆富山市中心市街地活性化基本計画について
説明者:都市整備部 都市再生総室
中心市街地活性化推進室 会長代理 荒井敦志氏
都市再生整備課 再開発課 課長代理 係長 中村雅也氏
1. 基本的な考え方
串と団子の関係による街づくり(団子:JA駅周辺500m、一日60本以上の本数があるバス停周辺300m、串:公共交通で結び、生産基盤を歩いて行ける街づくり)
① 串づくり(公共交通の活性化)
1) 富山ライトレール
我が国初の本格的ライトレール(次世代型路面電車)
2) JR高山本線社会実験
運行本数の増加、終電時間の延長
3) 市内電車環状線化
富山駅周辺地区と中心商業地区のアクセス強化、都心地区全体の回遊性の強化
② 団子づくり(市全体に徒歩圏をつくる)
1) 中心市街地の徒歩圏の充実
最も都市機能が集積した徒歩圏域である中心市街地を充実させる
2) 公共からきっかけをつくる
公共投資を呼び水に、民間の投資意欲を促す
3) 中心の活性化から市全体へ
中心市街地の活性化により、富山市全体の活力向上を目指す。
2. 計画の3本柱
活性化にあたって、3つの柱をせっていし、各分野毎に数値目標を設定した。
① 公共交通の利便性の向上
公共交通の活性化により、車に頼らずに、暮らせる中心市街地の形成を図る(路面電車の環状線化事業)路面電車の乗車人員13,000人を5年間で1.3倍にする
② 賑わいの拠点の創出
魅力と活力を創出する富山市の顔にふさわしい中心市街地の形成を図る
③ まちなか居住の推進
魅力ある都心ライフが楽しめる中心市街地の形成を図る
3. 現場視察(視察先:グランドプラザ、事業費:約15.2億円、施設概要:商業施設と駐車場の間にあり多目的に利用できるよう屋根、外壁とも強化合わせガラスとし、施設面積:1,400㎡、最高高さ:19.34m)