H27年11月宇部山陽小野田消防組合議会

災害現場での被災状況の把握やその対応において、ドローン(遠隔操作または自立式のマルチコプター)の活用についてです

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H27年11月宇部山陽小野田消防組合議会

志賀光法

皆さん、おはようございます。宇部・山陽小野田消防組合議員、宇部市議会の志賀光法でございます。どうかよろしくお願いいたします。通告によりまして、質問をいたします。
質問は一項目でございます。
災害現場での被災状況の把握やその対応において、ドローン(遠隔操作または自立式のマルチコプター)の活用についてであります。
 ドローンとは無人で遠隔操作やコンピューターなどによる自動制御によって飛行できる航空機であり英語のドローンはオス蜂といった意味でもあります。また、今年の7月に閣議決定された改正航空法では、ドローンについて、航空の用に供することが出来る飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船その他、政令で定める機器であって構造上、人が乗ることが出来ないもののうち、遠隔操作または自動操縦により飛行させることができるものと、定義されているところです。
 また、このドローンはマルチコプターといわれ、羽が複数ついていて、安定して飛行することが出来ることから操縦も容易にでき、カメラ機材とか重い物も積むことができるもので、もともとは軍事用として使われていたもので十数メートルの主翼を持つ大型機で、偵察や爆撃に用いられていますが、商業用のドローンは主翼が数十センチメートル程度の中型機で、容易に立ち入れない場所を空撮する用途などで普及がすすんでいて、荷物の配送システムに用いる研究なども進められています。また、個人向けの小型機は低価格化して一般への普及が急速に進んでいて、今年4月下旬には首相官邸の屋上に落下したドローンが見つかり、微量の放射性物質を含む容器が搭載されていたこともあって大きく報じられ、その後も三社祭りでの落下事故などの報道が相次ぎ、いくら小型とはいえ、コントロールを失い落下して人に当たれば危険で、その危険性が危惧されていて、法整備が後を追う格好となっていますが。緊急的な措置として航空法の一部が改正され飛行ルールが新たに導入されることになったところです。
 このように悪いイメージが先に心象づけられたドローンですが、正しく利用すれば農薬散布や自動測量、インフラの点検、捜索活動、災害現場での調査など『空の産業革命』と期待されているところです。現に、今月の5日首相官邸で開催された第2回「未来投資に向けた官民対話」において、安倍首相はドローンに関しては早ければ3年以内にドローンを使った荷物配送を可能とすることを目指すと発言され。また、総務省消防庁は地震や土砂崩れといった大規模災害現場での情報収集を有人ヘリの場合十億円程度かかる導入コストを一機数百万円程度にしたい考えで高性能カメラなどを搭載した無人ヘリコプターの試作機を開発しその試作機を基に、2機の製造をメーカーへ委託。来年3月までに2地域の消防機関へ配備するとの方針が出されているところです。
 近年、豪雨災害が全国各地で発生していて宇部市においても過去、昭和47年、そして、平成21年には大きな豪雨災害が発生しています。また、沿岸部には660万㎡を超える大規模な臨海工業地帯があります。あってはなりませんが、有事の際のその対応あたっては、まずは正確な災害状況を把握することが大事です。容易に近づくことが出来ない状況下においてこのドローンはその真価を発揮し、その情報から的確な災害対応、何よりもその対応にあたる隊員の安全確保が可能になるのではないでしょうか。
 宇部山陽小野田消防局においても、災害時にその対応に様々な活用が期待できるドローンについて調査研究し早急にその活用方針を決定し活用を図るべきと考えます。管理者のご見解をお伺いします。

久保田管理者

 皆様、おはようございます。12月が近づき、今年も残り少なくなって、寒さも厳しくなってまいりました。そのような中、本日ここに平成27年11月(第2回)宇部・山陽小野田消防組合議会定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様には御出席を賜り、厚くお礼申し上げます。答弁に入る前にちょっとご挨拶を申し上げたいと思います。山陽小野田市議会選出議員の皆様におかれましては、組合議員ご就任、まことにおめでとうございます。そして、先ほどは吉永議員がめでたく副議長に再びご就任されましたこと、心からお祝い申し上げます。どうぞこれからもよろしくお願い申し上げます。
 それでは、ただいまの志賀議員にお質問にお答えをしたいと思います。ご質問の第1、災害現場での被災状況の把握やその対応においてのドローン(遠隔操作または自立式のマルチコプター)の活用についてのお尋ねですが、近年ドローン、小型無人飛行機は、映像制作や橋梁の点検など様々な分野で活用が進められています。議員の方からもご紹介いただいたところでございますが、消防活動分野においては、災害現場において上空からの映像情報がいち早く収集できるため、災害の全体像の把握や広範囲での捜索、また、有毒ガスの測定など短時間に多様な情報の収集が期待できます。特に、災害の拡大が予測されるような現場では、隊員による情報収集活動は二次災害が発生するリスクが高いため、ドローンを活用することによって、隊員の安全が確保されることは非常に有効であると思われます。
 しかしながら、ドローンは空中浮遊する機器であるため、操作のミスあるいは機械のトラブルによる墜落など、その危険性も否定できません。したがいまして、飛行の安全性の確保や円滑な運用などの対策が必要と考えており、現在、総務省消防庁が災害時の情報収集用の試作機を開発し、実証実験を行う予定となっていますので、その結果を踏まえて導入について検討したいと考えています。以上で答弁を終わります。よろしくお願い致します。

志賀議員

 ご答弁ありあがとうございました。有効性については、きちんと認識をいただいているということ。また、消防庁が試作機を開発して、実証実験、その状況をみてということでございます。るる有効性についてはお話しをいただきましたが、私としては前向きなご答弁をいただいたと受け止め、再質問をさせていただきたいと思います。
 すでに、ドローンについては、様々な自治体、消防関係あるいは民間で活用が始まっております。さっきご紹介がありましたけど、民間では空撮とかインフラ点検、また、行政では、災害対応など既に活用が始まっております。
 最初の質問で紹介しましたが、宇部市の小野では昭和47年に、昔は土石流のことを山津波という表現をされていましたが、まさに山津波のような災害が起こりまして、お一人がお亡くなりになって、また、お一人が大けがをされたと。また、その災害対応に当っては、消防団のみの対応となりました。また、その時は県道、市道すべて寸断されて、小野地区は孤立したわけです。ですから、その災害対応にあたっては、消防団のみでの対応となりました。私は確か高校1年生だったと思いますが、父親が消防団員として出動しました。状況がわからないまま山の中に入り、山を越えて災害現場に入りました。母親が心配して送り出すところを印象的に受け止めております。平成21年は、まさに久保田市長が初登庁された日でしたけど、その時小野ではまさに同じような災害が発生しました。土石流は2箇所。1箇所は、お昼ちょうどだってお思いますが、民家の方はおそうめんを食べておられるときにどんときて、もうちょっとで被災するところで、家を通り抜けて土砂が流れだして、1箇所の集落が孤立しました。そこは行く途中で水道管も破損して、飲料水が届けられない状況。そして、もう一つ、ブランド牛であります小野牛の産地現場でもありました。私どもは、なるべく早く市民のために飲料水を届けたいと思い、また、当時の西山経済部長が、ブランド牛の小野牛は水がなくなると肉質に大きな影響を与えるということで、非常にやきもきされております。ただ、2次災害が起こるということで私は副団長としての指揮者でもありましたので、安全性が担保されないということで、他の団員に命じて反対側の山をこえてその状況を把握させました。結局、飲料水あるいは牛の水を届けたのは次の朝7時からの対応でしたけど、そのようなときに、このドローンがあれば安全に、また、いち早く対応が出来たと思って、今回質問をさwせていただいた理由の1つでもあります。
 現在、全国で多数の自治体、事業者が活用していると申し上げました。特に、地方創生特区で多くの自治体、県レベルの地方自治体が申請をしております。中国、四国地区では徳島県、高知県、そして広島県などが特区申請をしております。徳島県などは、昨年の12月に豪雪が降りまして国道が寸断、車がたしか130台だっと思いますが立往生しました。また、山間地では、孤立して何名かの方が凍死されたという事故が発生しました。そういうことで、徳島県では、災害時の安否確認、そして物資輸送、農業の生育状況を調べる、あるいは有害鳥獣の対策として特区申請されているところでございます。また、岡山県の久米南町では、民間の団体と提携を結んでドローンを活用しております。その協定内容ですが、事業者は災害発生時、同町からの要請を受けた場合、ドローンは災害現場での静止画や動画を記録し、3D地図の作成も可能なもので、それを基に被災状況を確認し、復旧対策を進めるものです。実は、山口県にも山口産業ドローン協会という団体が設立されていまして、そのホームページを拝見しますと、設立趣旨については次のような記述がされておりました。『山口県産業ドローン協会は、県内の7事業所が参加し、産業用途に使用されるドローンの安全使用を目的として会員相互の県内における連携やウェブサイト等にて安全啓発活動及び緊急時、災害時における支援・社会貢献を目的として設立いたしました。これからも現段階の協会員だけでなく、産業分野においてドローン運用をされている方々、今後運用を予定している事業所等にも積極的に声をかけ安全運用を目指してまいります。』という内容のものです。
 災害はいつ発生するかわかりません。これから先ほどの答弁では、消防庁の実証実験を待ってということでありますが、導入、運用となればまだまだおそらく時間がかかると思います。災害はいつ発生するか分かりません、岡山県久米南町のように、民間事業者と協定を結ぶことも1つの方策だと考えますが、管理者のご見解をお伺い致します。

久保田管理者

 志賀議員の再質問にお答えをしたいと思います。今たくさんの事例と、ドローンの効用をご紹介いただきましてありがとうございます。私も非常にこのドローンのアkつ用というのは大切だと、そのように思っております。したがいまして、壇上でも申し上げましたように、実証の結果を踏まえて導入をしていきたいと考えております。ただ、その結果が出るまで何もせずに待っているわけではございません。既に現状でもいろいろとドローンに関する情報の収集もしてきておりますし、ご紹介いただいたようなところとも連携を取りながら、ただ、安全性の確保、円滑な運用、その操作において私ども技術的なものが未熟ですので、そういったものを踏まえてのやはり準備が必要だと思っておりますので、ご紹介いただいたところ、私どももよく調べて、さらに準備をしていきたいと考えております。以上でございます。

志賀議員

今年5月には、日本で国際ドローン展が開催されております。私は実際に行ってはいないのですが、ホームページなどで確認いたしますと、GPSが使用できない場所でも自動飛行し、バッテリー交換ユニットまで搭載されているもの、また、コントローラーから一定の距離を離れると自動で戻ってくるものど紹介されております。現在、市販で販売されているドローンはバッテリーの問題、飛行時間の問題、いろいろまだまだ問題がありますが、日進月歩で進んでいると思います。ただ今本当に前向きなご発言を2つもいただいたと受け止めておりますので、今後管理者を含め、宇部・山陽小野田消防局の皆様におかれましてはドローンについて積極的に情報収集、活用事例などを調査研究していただき、有事の際には市民の安全確保、なによりも災害対応にあたる隊員の安全確保について早急に活用方針を決定していただき、活用できる体制を整えていただきますようお願いいたしまして、質問を終わります。
ありがとうございます。以上で終わります。
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