H24年3月議会

1.市政方針について
(1)市庁舎の建替え
ア.市庁舎の建替えの必要性、緊急性の認識
イ.平成9年に実施した宇部市役所本庁舎の耐震診断、構造耐震指標Is値などの詳しい診断結果
ウ.平成23年度末の庁舎建設基金残高見込みと平成24年度の積立金額
(2) 公民連携の拡充
ア.公民連携の拡充
イ.公民連携の基本理念
ウ.平成24年度の公民連携の事業効果は
2.持続可能な財政運営について
(1) 合併特例措置終了に向けての準備
ア. 合併特例債の発行状況と今後発行の予定
イ. 普通交付税の合併算定替分の額と特例期間終了後の動向
ウ. 平成27年度以降の合併算定替分の減少に伴う臨時財政対策債発行可能額への影響
エ. 合併特例債発行期限延長の動向
オ. 合併特例措置終了後の持続可能な財政構造の構築をどのようにするのか
カ. 財源激減対策として合併特例措置逓減対策基金の創設、若しくは財政調整基金のさらなる積み増しが必要ではないか
(2) 臨時財政対策債について
ア. 平成13年度から平成23年度末までの臨時財政対策債の累積発行可能額と実際の発行額、そして現状の発行残高をどのように受け止めているのか
イ. 平成23年度末における市債残高とそれに対する臨時財政対策債の割合の見込み
ウ. 平成22年度から発行額が急増しているがその要因と平成24年度発行可能見込み額と発行予定額とその事業
3.ファシリティマネジメントについて
(1) 公共施設のデータベース化による一元管理
(2) ファシリティマネジメント推進組織の設置
4.再任用制度について
(1) 宇部市における再任用制度の運用状況について、採用状況、採用形態、手当のなどの待遇、財政効果と定員適正化計画への影響
(2) 新規採用を圧迫していないか、今後職員の年齢構成に大きな歪が出ないか
(3) 平成24年度の再任用の採用予定人数と応募人数と採用内容
(4) 採用にあたっての選考、配置の基準
5.今後の地籍調査の取り組みについて
6.東日本大震災への今後の支援について
7.宇部市の教育重点目標「子どもの学びと育ちを保障する教育の推進」について
(1) 確かな学力
ア. 改善に向けての平成23年度の取り組み、あわせて、平成24年度の取り組み
イ. 平成23年度全国学力調査及び宇部市学力到達度調査の結果
(2) 健やかな体
ア. 体力調査の結果
イ. 武道の必修化における安全対策
(ア) 宇部市おいて、過去に柔道での事故はなかったのか
(イ) 指導に当たる宇部市の保健体育教員の研修状況と有段者数
(ウ) 保健体育科教員と外部指導者とのペアでの授業体制がとれないのか
(3) 豊かな心
 道徳教育の充実に向けての取り組み内容
8.安心・安全な学校体制の構築について
(1)防災教育への取り組み
(2)宇部市の小・中学校における食物アレルギー児童・生徒への対応
ア.食物アレルギー児童・生徒の把握状況とその対応
イ.マニュアル作成についての見解
9.中心市街地の活性化について
(1) 中央町三丁目(第二地区)住宅市街地総合整備事業の現状と今後の見通し
(2) 元気な商店街づくりに向けた支援の実績と今後の取り組み
10.雇用・景気対策の現状と今後の取り組みについて
(1) 宇部管内の有効求人倍率
(2) 宇部管内新卒者の就職の内定状況
(3) 平成23年度の雇用対策への取り組み状況と平成24年度の新たな取り組み
(4) 景気対策の成果と新たな取り組み
11.宇部部市のスポーツの振興について
(1) スポーツ基本法の施行による宇部市の対応
(2) 総合型地域スポーツクラブへの育成と支援の強化
(3) 基本法の理念等、関係団体への周知

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志賀光法

皆さん、おはようございます。新政会の志賀光法です。新政会を代表いたしまして質問させていただきます。
 まず初めに、極めて厳しい財政状況の中、平成24年度の予算案をまとめられました久保田市長を初め、執行部のすべての皆様に敬意を表したいと思います。引き続き活力と安らぎに満ちた国際交流都市を目指して頑張っていただきますように、お願いいたします。
 さて、平成23年度は宇部市にとって、市制施行90周年、おいでませ!山口国体・山口大会、そして、UBEビエンナ-レ(現代日本彫刻展)50周年や花壇コンクール100回など、大きな行事が集中して開催された、まさにイベントイヤーとなりました。しかし、日本全体で見ますと、昨年3月11日に発生した東日本大震災、そして、9月の和歌山県を中心とする紀伊半島大水害など、大きな災害が発生した災害の年でもありました。
 特に、東日本は大地震に大津波、そして、原発事故と3つの災害に見舞われ、美しい海岸線や美しい山々、そして、豊かな田園地帯は一変しました。田畑は草原化し、飼い主を失った家畜やペットはやせ細り、えさを求めてさまよっている。テレビ画面から流れたその映像を見て、私は言葉を失いました。美しい東北を果たしてもとどおりに再生できるのでしょうか。
 震災や原発事故の国の対応は当初迷走が続きましたが、自衛隊など国の機関の救助活動とともに、全国から消防、警察、都道府県・市町村の職員、そして、多くの民間ボランティアが次々と現地入りしました。地道な救助、被災地支援活動が続けられました。まさに、日本全体が強いきずなで結ばれた年でもありました。
 政府は東日本大震災の復興費用を当初19兆円と見込んでいましたが、損失額は20兆円規模と言われ、また、原発事故の後処理のことを考えると、復興の費用がこれからどれくらいかかるかわからない状況で、今後、国の財政状況が一段と悪化するのは必至です。
 地方自治体は、これまでのように国の補助金に頼った行財政運営は難しくなってくるのではないでしょうか。地方自治体は自立した、そして、持続可能な行財政運営に向けて、行財政改革を早急に構築していかなければならないと思います。
 前置きが長くなりましたが、質問に入ります。
 質問の1点目、施政方針について。
 (1)市庁舎の建てかえについてです。
 久保田市長は施政方針の中で、平成24年度を次の100周年に向けたスタートの年と位置づけ、懸案となっている市役所本庁舎の建てかえのあり方を市民と一体となって幅広く議論していくと明言されました。
 宇部市役所の本庁舎は、昭和33年4月、当時のお金で総事業費2億1,800万円をかけて完成したもので、その後、4階部分を継ぎ足すなど増築を重ね、現在に至っております。
 しかし、4階部分の危険性や耐震に問題があるなどの指摘、そして、平成7年の建設省告示により耐震診断が平成9年に実施されました。その結果は、震度6程度の地震の振動及び衝撃に対して、倒壊または崩壊する危険性があると思われるとの診断が下されたところです。しかし、その後14年が経過した今日に至るまで、残念ながら耐震補強などの対策は実施されておりません。
 このような中、先月、2月26日の地方紙に驚くべき記事が掲載されていました。「旭川市庁舎『震度3でも倒壊も』」、「耐震調査で判明」、「補強工事も無意味」という3つの大きな見出しが目に飛び込んできました。北海道旭川市の市庁舎は、宇部市の本庁舎と同じ昭和33年に建設されたもので、新聞の写真を見る限りではありますが、9階建てのその庁舎は宇部市の本庁舎よりも見ばえがよく、耐震性もあるように見えました。しかし、実際の構造耐震指標Is値は、1階から9階までいずれも0.3を下回り、3階は最低の0.004しかなかったそうです。専門家によりますと、Is値0.004は、震度3から4で倒壊のおそれがあるそうです。
 また、旭川市の市庁舎に限らず、十分な耐震性を備えていない自治体の庁舎は全国で約2,100棟にも上るとの総務省の調査結果も掲載されていました。宇部市の本庁舎の耐震性がどうなのか、心配でなりません。
 また、ことし1月15日の大手新聞に、786の市と東京23区を対象に行った庁舎の建てかえ計画などの調査結果が掲載されていました。それによりますと、回答があった752自治体のうち、「市庁舎の建てかえ計画がある」と答えた市が118と約2割で、また、「計画がない」と答えた市区でも、耐震調査結果を見て決めるなど、昨年の東日本大震災を踏まえて「検討中」としているところが50以上もあったそうです。
 市庁舎は、災害発生時においては防災の拠点となります。市制施行100周年に向けて、災害に強く、市民の安心安全を守るべき防災拠点として真に機能する市庁舎の建てかえをまず考えるべきではないでしょうか。
 そこで、お伺いいたします。
 (1)市庁舎の建てかえについて。
 ア、市庁舎の建てかえの必要性、緊急性の認識。イ、平成9年に実施した宇部市役所本庁舎の耐震診断、構造耐震指標Is値などの詳しい診断結果。ウ、平成23年度末の庁舎建設基金残高見込みと平成24年度の積立金額。
 次の質問は、公民連携の拡充についてです。
 公民連携、パブリック・プライベート・パートナーシップ、PPPとは、一般的な定義では、民間にできることは民間にゆだね、官から民への方針のもと、小さな政府を目指し、財政負担の圧縮を図りながら、民間事業者の資金やノウハウを活用して社会資本の整備や公共サービスの充実を図り、豊かな公共を目指すことで、象徴的な事例としては、アメリカのサンデースプリング市の試みが有名です。人口約10万人のこの都市は、2005年、平成17年に市政全体を民間企業に委託し、警察と消防以外を市長1名、市職員4名で運営しています。包括的な自治体運営の効果として、予算規模を半分以下に効率化し、固定資産税率も近隣市の半分以下に減税されているそうです。
 さて、久保田市長は、平成24年度の予算編成方針で、新年度の取り組みとして公民連携の充実、また、見積もり基準においても、公民連携による効率的・相乗的な効果が見込まれる事業については、新規事業を含め、別途一般財源を配分するので、積極的に取り組むようにと指示されました。そして、施政方針において、各施策の展開に当たっては民間の提案を積極的に取り入れ、企業や研究機関との連携、市民との協働・連携を強化するなど、公民連携の拡充を市政運営に関する基本的な考えとすると述べられました。
 実際、平成24年度当初予算案の概要の中身を見てみますと、公民連携事業は118事業と、平成23年度の48事業から大きく増加しています。限られた財源や地域資源を効率的に活用し、公共サービスの充実を図られ、まさに豊かな公共と言えると思います。しかし、公民連携は、「豊かな公共を小さな政府で」ということが基本理念だと思います。久保田市長は、公民連携の拡充を図ることでどのような自治体を目指しておられるのか、また、宇部市にふさわしい公民連携のあり方をどのようにお考えなのか、以下3点についてお伺いいたします。
 (2)公民連携の拡充について。
 ア、公民連携の拡充。イ、公民連携の基本理念。ウ、平成24年度の公民連携の事業効果は。
 質問の2は、持続可能な財政構造の構築についてです。
 (1)合併特例措置終了に向けての準備についてです。
 藤田前市長が平成13年3月議会において阿知須町との合併に関する協議を進める旨を表明されたことで、宇部市は合併に向けて動き出し、その後、紆余曲折はありましたが、平成16年11月1日に楠町と合併いたしました。
 そして、宇部市、楠町が合併を通じて新市のまちづくりを進めるに当たっては、合併特例法に基づき、「輝く人と自然 ふたつの原石に夢を彫るまちづくり」を基本理念として、「活力とやすらぎに満ちた国際交流都市」を求める都市像とした基本方針と、それに基づく主要施策を定めた新市建設計画が平成26年度までの10カ年の計画で策定されました。
 そして、策定された新市建設計画の事業のうち、特に必要と認められる事業については、合併特例法に基づく合併特例債の発行、また、合併によって普通交付税の不利益をこうむることがないように配慮された普通交付税の合併算定がえなど、優遇措置となる合併特例が平成26年まで10年間措置されているところです。
 しかし、来年度、平成24年度は楠町と合併9年目となり、財政優遇される合併特例期間も残り3年となりました。合併特例債の発行は平成26年度まで、そして、普通交付税の合併算定がえは平成27年度から5年間で段階的に逓減され、平成32年度からゼロとなります。
 これから合併特例措置終了までの3年間の宇部市の財政運営は、財源が減少していく平成27年度以降のことを考えると、非常に大事な3年間になると思います。宇部市の財政健全化計画は、平成26年度までの中期財政見通しです。平成27年度からの5年間の財源の激変への対応、また、平成32年度以降の非常に厳しい財政運営に対応できる事業計画、財政計画を早急に立てる必要があると思い、以下6点についてお伺いいたします。
 (1)合併特例措置終了に向けての準備。
 ア、合併特例債の発行状況と今後の発行の予定。イ、普通交付税の合併算定がえ分の額と特例期間終了後の動向。ウ、平成27年度以降の合併算定がえ分の減少に伴う臨時財政対策債発行可能額への影響。エ、合併特例債発行期限延長の動向。オ、合併特例措置終了後の持続可能な財政構造の構築をどのようにするのか。カ、財源激減対策として合併特例措置逓減対策基金の創設、もしくは財政調整基金のさらなる積み増しが必要ではないか。
 次の質問は、臨時財政対策債についてです。
 臨時財政対策債は、財源の不足に対処するため借りることができる地方債のことで、平成13年度に3年間の臨時的な措置として制度化されたものですが、平成16年度及び平成19年度の見直しについても、それぞれ3年間の措置として継続され、そして、平成21年の政権交代後、初の地方財政対策となった平成22年度は、折半ルールのあり方が注目されたものの、結局、単年度の措置として継続され、現在もその措置が続いているところです。
 また、この臨時財政対策債は交付税措置のある地方債であり、特徴としては、借りたお金は自由に使え、返済額の100%が地方交付税措置、基準財政需要額に算入されるという特別な財源で、宇部市でも平成13年度からこの地方債を発行しています。
 しかし、平成22年度までの10年間の市債発行総額702億4,021万1,000円のうち、臨時財政対策債の発行累計は192億3,020万円となっており、市債発行額の約27.38%を占めるに至っております。
 また、平成22年度の決算においては、市債発行額60億940万円のうち、臨時財政対策債は約52.75%の31億7,000万円、そして、平成23年度の当初予算では、市債発行予定額48億6,250万円のうち29億円、約60%が臨時財政対策債と、この2年、その占める割合が急激に高くなっています。
 臨時財政対策債は普通交付税の補完とするもので、国の明快なルールに基づいてその発行額が決定されるもので、財政運営の結果や財政規律は関係ないと制度上は理解できるものの、平成13年からの臨時財政対策債の発行額、また、市債発行額、市債残高に対する割合が高くなっている現状、また、平成24年度からは元利償還金も約10億円を超えるようになり、交付税、そして基準財政需要額における臨時財政対策債の元利償還金の占める割合も高くなり、現在の臨時財政対策債の発行水準を続けていけば、確実に財政の硬直化が進行することになると思います。  また、臨時財政対策債の元利償還金は基準財政需要額に100%算入してもらえるものの、毎年、基準財政需要額が見直されてきている中、そのほか財政需要を踏まえた所要額が減額される可能性があります。
 そこで、平成27年度からの財源激減に備え、臨時財政対策債の発行はできるだけ抑えるべきと考え、以下3点についてお伺いいたします。
 (2)臨時財政対策債について。
 ア、平成13年度から平成23年度末までの臨時財政対策債の累積発行可能額と実際の発行額、そして、現状の発行残高をどのように受けとめているか。イ、平成23年度末における市債残高とそれに対する臨時財政対策債の割合の見込み。ウ、平成22年度から発行額が急増しているがその要因と平成24年度発行可能見込み額と発行予定額とその事業。
 質問の3は、ファシリティーマネジメントについてです。
 ファシリティーとは施設のことを意味し、ファシリティーマネジメントとはアメリカで生まれた新しい経営管理方式のことで、日本においては昭和62年に日本ファシリティマネジメント協会が設立され、その協会の定義によりますと、ファシリティーマネジメントとは、「業務用不動産(土地、建物、構築物、設備等)すべてを経営にとって最適な状況(コスト最小、効果最大)で保有し、貸借し、使用し、運営し、維持するための総合的な経営管理活動」とされています。
 日本では、ファシリティーマネジメントシステムは民間企業の施設管理から普及し、近年、自治体へも普及し、青森県や東京都、佐倉市や三鷹市などでは早くから先進的に取り組まれていて、取り組む自治体も年々ふえているところです。
 近年、少子高齢化の到来、情報化の進展、深刻化する環境問題など、社会情勢が急激に変化しています。さらに、厳しい財政状況、地方分権のさらなる推進、多様化・高度化する市民ニーズなど、行政を取り巻く環境も大きく変化してきています。このような状況において、地方自治体には変化に的確に対応する行政サービスが求められ、また、厳しい財政状況下においては、何よりも鋭いコスト感覚を持って事業展開をしていくことが必要となります。特に、大きな経費を要する施設の建設や維持補修費等については、効果的な施設運営を図ることにより、施設に要する全体経費の一層の節減を推進していくことが必要となります。そのためには、施設を経営資源ととらえるファシリティーマネジメントの観点が必要だと思います。
 宇部市の平成22年度決算の普通会計財務書類4表、バランスシートによりますと、市の保有する公共資産の総額が示されていて、生活インフラ・国土保全分野の資産額は約1,261億4,200万円、教育分野の資産額は480億5,800万円、産業振興分野が143億4,900万円、その他、福祉・環境・衛生・消防・総務分野で208億4,600万円など、総額で2,093億9,500万円の公共資産が宇部市にあります。このように多くの資産を宇部市が保有しているということは、それだけ保有施設の維持・更新費用も多くかかることになります。また、老朽化の目安となる減価償却累計率は、消防庁舎、消防車など消防が72%、そして、福祉関係が67.4%と高くなっています。市民ダイエット作戦で提案された市民プール、そして、老朽化して利用者が減少している青年の家など、現在の財政状況下においては、建てかえや大規模な改修は極めて困難な状況ではないでしょうか。
 現在、宇部市においては、施設の保全は管理部あるいは施設ごとに管理されており、統一された管理運営方法や基準がなく、また、施設のふぐあいが生じた場合に対応するという対症療法的な対応となっているのではないでしょうか。このようなことから、1つの専門部門が横断的に土地や建物の総括な視点を持ち、各所管は本来の運営管理を中心に行うなど、公共施設の事業運営管理と施設維持管理が効率的に機能し合う体制を構築する必要があると思います。
 そこで、以下2点についてお伺いいたします。
 3、ファシリティーマネジメントについて。
 (1)公共施設のデータベース化による一元管理。
 (2)ファシリティーマネジメント推進組織の設置。
 質問の4は、再任用制度についてです。
 再任用制度は、平成11年度の地方公務員法の改正によって制度化されたもので、年金支給年齢が引き上げられたためにつくられた制度です。宇部市においては、平成13年12月議会で宇部市職員の再任用に関する条例を制定し、平成14年4月から施行しています。この制度は、退職される職員が再任用を希望し、採用されると、年金が全額支給される年齢まで、市に再任用職員として最長5年再雇用されるもので、宇部市にとっては、数十年にもわたり自治体業務に携わってきた経験豊かな元職員の能力が生かせることに加え、雇用に当たっての経費を軽減するなどのメリットがあります。
 しかし、費用面から考えると、再任用よりも一般から採用する非常勤職員のほうが相対的に雇用コストを抑えることができること、また、元上司・先輩を自分の手足として使うことの一般職員の心理的な負担などの職場環境の悪化、また、元職場で働くことで再任用職員の仕事へのモチベーションを維持して働くことは容易ではないこと、そして、再任用職員の採用をふやしていくことは、何より新規採用枠を圧迫し、職員の年齢構成に大きなひずみを生む可能性があるというデメリットも考えられます。
 つまり、再任用制度は、定員適正化計画など、これから職員数が減少していく中で、必要労働力の確保という観点、また、能力の有効利用の観点でも重要な取り組みだと思います。しかし、単純に再任用するだけでは業務の効率化や財政面での効果は望めないと思います。再任用に当たっては、さらに業務の効率化と費用対効果、財政節減効果を入れた、より実効的な活用を検討していくべきと考え、以下4点についてお伺いいたします。
 4、再任用制度について。
 (1)宇部市における再任用制度の運用状況について、採用状況、採用形態、手当などの待遇、財政効果と定員適正化計画への影響。
 (2)新規採用を圧迫していないか、今後職員の年齢構成に大きなひずみが出ないか。
 (3)平成24年度の再任用の採用予定人数と応募人数と採用内容。
 (4)採用に当たっての選考、配置の基準。
 質問の5は、今後の地籍調査の取り組みについてです。
 地籍調査は、国土調査法に基づいて市町村が主体となって行い、一筆ごとの土地について、その所有者、地番及び地目の調査並びに境界及び地積に関する測量を行い、その結果を地図及び簿冊に作成するものです。
 県は、地域政策課の資料によりますと、地籍調査の効果としては、各種公共工事の計画策定、用地買収等の円滑化に大いに寄与するとしています。例えば土地区画整理事業を実施する場合、事前の調査や測量に多大な労力を費やすことが多くなりますが、地籍調査が既に行われていれば、土地所有の実態が明らかなため、換地も容易に進めることができます。また、道路の舗装を実施する場合にも、官民境界が不明確なために事業がなかなか進まないといった状況に陥ることなく、道路台帳も容易に作成することができます。
 また、土地の境界が不明確だと、住民間や官民間において境界紛争など、さまざまなトラブルが発生する場合がありますが、地籍調査の実施によりこのようなトラブルを未然に防ぐことにつながります。特に、行政にとりましては、市が管理する行政財産の境界等が明らかとなり、管理を適正に行うことができます。
 また、地籍調査未実施地域においては、固定資産税の課税が土地登記簿や公図に基づいて行われており、必ずしも実態を正確に反映しているとは言えず、現況とは面積や地目が違うままに課税されている場合があり、早急に是正する必要があります。
 そして、行政の開発計画が策定される際には、地籍調査の成果を大縮尺図作成の基礎データとして利用することにより、各種設計図などの作成が容易になるとともに、きめ細やかな計画立案が可能となります。
 また、近年多発しています土砂崩れ、水害などの災害が起きてしまった場合、地籍調査が行われていれば、個々の土地が経緯度と関連づけされているため、もとの位置を容易に確認することができ、災害復旧工事を円滑に進めることができます。
 平成22年度末の山口県全体の地籍調査の進捗状況は59%ですが、宇部市の地籍調査は平成5年からの取り組みで、進捗率は24.3%と大きくおくれをとっております。今の予算規模であれば、地籍調査が終了するまでには数十年かかります。不在地主がふえる中、境界確認が今以上に難しくなり、早期終了が望まれるところであります。
 そこで、お伺いいたします。
 質問の5、今後の地籍調査の取り組みについて。
 質問の6は、東日本大震災への今後の支援についてです。
 東日本大震災が起きて1年を迎えようとしています。大津波が一瞬にして町を押し流すテレビ映像は、まるで映画の一場面を見ているようで、今でも鮮明に脳裏に焼きついています。そして、その後の残骸と化した家や車は、それが現実のものであったことを知らしめ、日本だけでなく世界の人々をも震撼させました。あれから間もなく1年、被災地の復興は進んでいるのでしょうか。
 我が会派、新政会は、ことしの1月31日から3日間の日程で、最も津波の被害が大きかった宮城県石巻市、そして、かねてから宇部市との交流があった福島県いわき市の被災状況を視察してきました。雪の舞い散る寒い日でしたが、高台から現地を見ると、家々の跡形はなく、一面が荒野と化していました。
 しかし、近くまで行くと、家の土台の痕跡が家屋のあったこと、そして、わずかに残った廃屋が改めて津波の脅威を告げていました。そして、うずたかく積み上げられた瓦れきの山々、地盤沈下による水たまり、多くの家々の屋根をいまだに覆っているブルーシートが、復興が遅々として進んでいない現実をも告げていました。
 現地を案内していただいたいわき市の職員の方も、見通しが立たないと言われていましたが、この厳しい現実に、同じ日本人として、言葉や金銭面だけでなく、行動として支援していかなければとの思いを強くしたところです。
 支援には、民間でできること、官民協働でできること、そして、官でなければできない支援があると思います。国は復興の足かせとなっている瓦れきの広域処理を自治体に要請し、被災自治体は新しいまちづくりのために防災や土木技術などに精通した職員の派遣を必要としているとの報道がされています。緊急支援から腰を据えての支援が必要とされる時期に入っている被災地に、どのような支援ができるのか。同じ自治体として痛み分けをすることで、流した汗や知恵、そして、現地で積んだ経験は、宇部市の未来を支えることに必ずつながると思います。
 そこで、お伺いいたします。
 質問の6、東日本大震災の復興は長期戦となりますが、宇部市は今後どのような支援を計画されているのか。
 質問の7は、宇部市の教育重点目標「子どもの学びと育ちを保障する教育の推進」についてです。
 先の見えない今の日本において、子供たちは存在そのものが希望の星と言えます。でき得ることなら、そのすべての子供たちに心身ともに健やかに育ってほしいと切に願うものです。宇部市教育委員会のホームページを見ますと、宇部市は、心身ともに健康な人間の育成を宇部市の教育基本方針に掲げ、学校教育の基本方針である子どもの学びと育ちを保障する教育の推進をしていくために、家庭や地域の協力を得ながら、確かな学力、健やかな体、豊かな心を教育の3本柱としています。
 そこで、教育の柱と位置づけられたこの3点についてお伺いいたします。
 (1)確かな学力について。
 ア、確かな学力をつけるには、生徒の学習習慣の定着と教師の指導力の向上が不可欠ですが、家庭学習の時間が全国平均と比べて小中学校ともに少なく、また、教師の指導力向上に大きな役割を果たす授業研究も、小学校では全国平均に比べ、実施回数が少ないことがわかります。改善に向けての平成23年度の取り組み、あわせて平成24年度の取り組みについてお伺いいたします。
 イ、宇部市は学びの共同体の理論に基づいた指導に取り組まれていますが、これらの取り組みは子供たちの学力に反映しているのでしょうか。平成23年度全国学力調査及び宇部市学力到達度調査の結果についてお伺いいたします。
 (2)健やかな体について。
 ア、体力調査の結果。
 健やかな体をはぐくむために、基礎体力の向上を挙げられています。そこで、宇部市の児童生徒の体力調査結果と今後の取り組みについてお伺いいたします。
 イ、武道の必修化における安全対策。
 平成24年度から武道の必修化に伴い、宇部市の中学校では柔道が必修となりますが、その必修を間近に控え、テレビなどでは柔道の授業の安全性に対する不安が多く報道されるようになりました。
 先月の2月6日のNHK報道番組では、2010年度までの28年間に、柔道による死亡事故は114件、重大な障害を残したもの275件、死亡者数を競技人口で割った死亡率は、ほかのスポーツの6倍から7倍になること。また、柔道の人口が3倍と言われるフランスでは、50年以上前に起きた1件の死亡事故をきっかけに、指導者に国家試験制度を導入、そして、指導資格を取るには380時間のカリキュラムを修了しなければならない上に、最低二段以上の段位も必要との報道もされていました。
 また、東海・北陸7県の平成10年度の柔道事故は1,529件、そのうち首や頭の事故が597件に上り、授業での事故は部活動での事故の2.4倍との報道もありました。
 必修ということは、生徒には選択の余地がなく、それだけ学校の責任は大きくなるということです。山口県の必修化に向けての取り組みは、2月14日に体育教諭を約50人集めて柔道の安全指導に関する研修会を開き、今後は各市町で研修会を開くとの報道を目にしただけですが、これで本当に安全な授業ができるのでしょうか。保護者でなくとも不安に思うところです。
 そこで、以下3点についてお伺いいたします。
 (ア)宇部市において、過去に柔道での事故はなかったのか。(イ)指導に当たる宇部市の体育教諭の研修状況と有段者数。(ウ)体育教諭と有段者とのペアでの授業体制がとれないのか。
 (3)は、豊かな心についてです。
 学力も体力も必要ですが、豊かな心を持つ児童生徒を育てることは、より大切なことです。このような心を学校だけではぐくむのは難しく、家庭や地域の力をかりることも課題となりますが、平成23年度は豊かな心をはぐくむ取り組みとして、道徳教育の充実を挙げられています。道徳教育の充実に向けてどのような取り組みをされたのか、お伺いいたします。
 質問の8は、安心・安全な学校体制の構築についてです。
 (1)防災教育への取り組み。
 昨年の東日本大震災では、幼稚園児から高校生まで550人が犠牲となりました。防災教育が災害時に生かせた学校、そうでなかった学校とでは大きな差があったのは周知の事実です。災害はいつ起こるかわかりません。このたびの大震災を教訓に、宇部市として、見直しを含め新たな取り組みがあるのか、お伺いいたします。
 (2)宇部市の小中学校における食物アレルギー児童・生徒への対応。
 文部科学省が平成16年、全国の公立小中高等学校を対象に行った調査によると、児童生徒の2.6%に食物アレルギーがあり、0.14%がじんま疹や嘔吐、呼吸困難を起こした経験があったとしています。また、文部科学省が平成14年、15年度に全国の学校栄養士を対象に行った調査によると、学校給食による食物アレルギー症状の60%が新規の発症としています。
 このような状況に対応するために、学校医による全教職員研修を開始したり、対応マニュアルを作成する自治体も出てきました。宇部市も保育園における対応マニュアルを年度内に作成するとの報道がありました。
 そこで、お伺いいたします。
 (2)宇部市の小中学校における食物アレルギー児童・生徒への対応について。
 ア、食物アレルギー児童・生徒の把握状況とその対応。イ、マニュアル作成についての見解は。
 質問の9は、中心市街地の活性化についてです。
 (1)中央町三丁目(第二地区)住宅市街地総合整備事業の現状と今後の見通しについて。
 本市では、空洞化が顕著な中心市街地の改善に向け、平成12年3月に宇部市中心市街地活性化基本計画を策定しました。その中で、基盤整備が不十分で、建物が老朽化した地区の1つであった中央町三丁目第一地区について、効率的な土地利用により、良好な居住空間とにぎわい創出並びに防災面での向上を図ることを目的として、本地区の整備目標である定住人口の回復、商業機能の再編に向け、地域主導で行う建物の共同化及び協調化による上物整備とあわせて、道路の拡幅、広場の整備、宅地の整形化等の基盤整備を土地区画整理事業により行いました。  また、中央町三丁目第二地区については、住宅市街地総合整備事業によって、まちの改善が進められています。この事業は、既成市街地において快適な居住空間の創出、都市機能の更新、美しい市街地の景観の形成、密集市街地の整備改善及び町なか居住の推進等を図るため、住宅地の建設、公共施設の整備等を含め総合的に行う事業で、老朽建築物の除去・建てかえ促進、道路・街角広場の整備等を宇部市が主体となって行っているものです。
 そこで、お伺いいたします。
 (1)中央町三丁目(第二地区)住宅市街地総合整備事業の現状と今後の見通しについて。
 次に、(2)元気な商店街づくりに向けた支援の実績と評価及び今後の取り組みについてです。
 商店街は、長引く景気の低迷、急速に進む少子高齢化と人口減少に加えて、大型商業施設の乱立、また、インターネット販売による購買機会の多様化などの要因により、さらに厳しい状況が進んでいます。商品の豊富さ、安さ、買いやすい商品の配置、駐車場の完備、多くのサービス及び施設、エアコンのきいた快適な店舗、ワンストップショッピングの便宜性など、既存の商店街は大型店に圧倒されてきました。
 しかしながら、商店街は地域に根差すものだけに、地域のためにはいろいろな力を注いできました。祭りを初め、地域行事も地元商店主が中心となり、行われている地域が数多くあります。住みよいまちにするために、環境を整備し、防犯・防火、交通安全、福祉、PTA活動などに取り組まれているところもあります。ある面では、商店街は自分の商売よりも地域のことを考えて行動してきたとも言えます。それは地域愛そのものです。
 魅力あるまちには、魅力ある商店街の存在が不可欠です。郊外にどんな立派なショッピングセンターができても、それが都市の魅力とは言えないと思います。単に商業の場所というのではなく、多くの要素が複合的に結びついて、にぎわいがあり、楽しみがあり、本当に生きている情報に出会うことができる場所。そして、そこに住む住民だれもが自分のまちの中心であると思える、そんな商店街を持つことが都市の魅力につながっていくと思います。
 そのためには、商店街の画一的な方向の追求から、多様な方向性の認知と多様な支援メニューの開発に向けて発想を転換することが重要だと思います。
 そこで、お伺いいたします。
 (2)元気な商店街づくりに向けた支援の実績と評価及び今後の取り組みについて。
 質問の10は、雇用・景気対策の現状と今後の取り組みについてです。
 欧州債務不安などによる円高や東日本大震災、原発事故による電力供給の制約及び料金の値上げが予測され、また、原油価格の高騰も懸念される中、企業の新たな設備投資も余り期待できず、全国ベースでは個人消費は減少し、消費者マインドは大幅に悪化しています。
 宇部市においても、中小零細企業は大半が厳しい経営環境の中で大変な努力を重ねておられます。行政も職員全員が民間の実情を十分に認識され、行政にできることは何かを真剣に検討され、さらなる支援を要望するものであります。
 そこで、以下4点についてお伺いいたします。
 質問の10、雇用・景気対策の現状と今後の取り組みについて。
 (1)宇部管内の有効求人倍率。
 (2)新卒者の就職内定状況。
 (3)平成23年度の雇用対策への取り組み状況と平成24年度の新たな取り組み。
 (4)景気対策の成果と新たな取り組み。
 質問の11は、スポーツの振興についてです。
 病に伏せることなく、いつまでも元気で、幸福で、平穏で、そして、充実した人生を送ることができたらと、だれもがそのような願いを持っておられることと思います。しかし、それには健康でいられる体が必要で、日々の体力づくり、生涯を通じて、そのときの体力、年齢に合った運動やスポーツを見つけることが必要で、そして、何よりもそれを実践し続けることが一番重要です。
 日本におけるスポーツは、これまで競技スポーツを中心に成り立ってきたと言えます。小学校時代でのスポーツ少年団、中学・高校では部活動、大学ではさらにレベルの高い運動部、そして、卒業後は実業団やプロとして自分自身の限界に挑戦しながら、国内や世界の場での活躍を目指し、努力し続ける人たちです。
 しかし、現在は少子化によるスポーツ少年団、中学・高校における部活動の数が減少し、社会人が活動する実業団などにおいても、現在の厳しい経済状況から縮小が進んでおります。また、高齢化によりふえ続ける医療費や介護などの問題、社会情勢が大きく変わり、生涯を通じてスポーツを行う目的の多様化やプロスポーツの発展、スポーツによる国際交流の活発化など、スポーツをめぐる状況が大きく変化し、その価値や社会的役割の重要性も高まってきました。
 そのような中、東京オリンピックを焦点に、主に施設の整備などを主眼に置いて昭和36年に制定されたスポーツ振興法が50年ぶりに全面改正され、昨年6月、第177回通常国会においてスポーツ基本法が成立し、そして8月24日に施行されました。
 主な改正点は、スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことはすべての人々の権利であるとし、「スポーツは、世界共通の人類の文化である。」という言葉で始まる前文を規定し、国及び地方公共団体の責務並びにスポーツ団体の努力、そして、プロスポーツや障害者スポーツを推進の対象とすることを基本理念として明確化したことです。
 また、基本的施策として、学校施設の利用や学校における体育の充実、そして、体育指導委員の名称をスポーツ推進委員に変更して、スポーツの指導のほかに、スポーツの推進のための事業の実施に係る連絡調整など、コーディネーターとしての役割を規定したほか、地域スポーツと競技スポーツとの関係については、「我が国のスポーツの発展を支える好循環をもたらす」との重要性が規定されました。
 そのような中、山口県においては、スポーツ基本法の制定を受け、スポーツ振興を図るために、県の責務や競技力の向上、障害者スポーツの推進などを基本理念に盛り込んだスポーツ振興条例が2月議会に上程されているところです。
 そして、宇部市においても、平成23年3月に宇部市スポーツ振興計画が策定されたところで、その内容は、「スポーツを楽しむ元気なひとの元気なまち・宇部市」を基本理念に、総合型スポーツクラブの育成・支援、障害者や高齢者のスポーツ活動の推進、青少年スポーツ活動の充実などを施策として、週1回以上スポーツを行う成人割合を平成25年度までに60%以上にする高い目標を掲げたものです。
 しかし、宇部市がスポーツ振興計画策定に当たって調査した結果によると、平成22年度において週1回以上スポーツを行う成人割合は35.6%、また、総合型地域スポーツクラブは、宇部市において2クラブが設立、運営されていますが、現状は会員数の伸び悩み、スポーツ施設の確保や会員増加に当たって行政の支援が十分でないことにより、クラブ運営に苦労されています。
 そこで、以下についてお伺いいたします。
 質問の11、宇部市のスポーツの振興について。
 (1)スポーツ基本法の施行による宇部市の対応。
 (2)総合型地域スポーツクラブへの育成と支援の強化。
 (3)基本法の理念等、各関係団体への周知について。
 以上で、壇上での質問を終わります。

久保田市長

皆様、おはようございます。よろしくお願いいたします。
 新政会代表の志賀議員の御質問にお答えをいたします。
 ただいま新政会代表、志賀議員から、施政方針と予算編成に対しまして評価と激励をいただきまして、心から感謝を申し上げます。今後とも引き続き市政運営に対しまして御支援と御協力を賜りますように、よろしくお願いいたします。
 それでは、御質問の1、施政方針について。
 第1点、市庁舎の建てかえ。
 ア、市庁舎の建てかえの必要性、緊急性の認識についてのお尋ねですが、市役所本庁舎については、昭和33年4月に建築をされ、築後53年を経過しています。この間、行政需要の増大や事務の電算化等に対応するため、数回にわたって増改築を行っていますが、施設・設備の老朽化や施設の耐震性、事務・窓口スペースに問題が生じています。
 また、本庁舎は中心市街地のまちづくりの核施設としての位置づけがあり、さらに、このたびの東日本大震災を教訓として、安心安全のまちづくりを進めるためには、防災拠点としての機能の拡充も課題であり、建てかえが必要であることは十分に認識をしています。
 しかしながら、庁舎建設に当たっては多額の経費がかかり、市財政が厳しい状況において、合併に伴う諸施設の整備や学校施設の耐震化、土地開発公社の清算など、対応すべき喫緊の課題があり、早期の建てかえは厳しい状況です。このため、平成23年度においては、現庁舎を適切に維持管理し、長寿命化させるための維持・修繕等に要するコストを把握する庁舎保全に係る調査を行ったところです。
 したがいまして、この調査結果も踏まえて、100周年に向けてスタートの年となる平成24年度には、現庁舎の維持管理のあり方とあわせて、建てかえの時期や事業手法など、庁舎建てかえに向けた基本的な考え方について、市民と一体となって幅広く議論をしていきます。
 イ、平成9年に実施をした宇部市役所本庁舎の耐震診断、構造耐震指標Is値などの詳しい診断結果についてですが、本庁舎については、平成7年12月に施行された建築物の耐震改修の促進に関する法律に基づき、平成9年度に耐震診断調査を行いました。耐震診断においては、震度6から7程度の規模の地震に対し、構造耐震指標であるIs値が0.3未満では倒壊または崩壊する危険性が高い、0.3以上0.6未満では危険性があると評価をされます。
 調査結果としては、本館4階のIs値は0.054であり、倒壊または崩壊する危険性が高いと評価されています。また、本館3階以下のIs値はおおむね0.2から0.5の範囲内であり、総体的に危険性があるとされています。
 ウ、平成23年度末の庁舎建設基金残高見込みと平成24年度の積立金額についてですが、庁舎建設基金は、平成9年度に庁舎の建設に要する経費の財源を確保するために設置し、それ以来可能な範囲内で毎年度積み立てを行ってきたところであり、平成23年度末の見込み額は約15億7,500万円となっています。
 なお、平成24年度については、現庁舎のあり方と建てかえに向けた基本的な考え方を市民と一体となって幅広く議論し、方向性を検討することとしているため、平成23年度と同額の1億円の積み立てを予定しています。今後、建てかえの方向性が定まれば、厳しい財政状況の中ではありますが、計画的な財源確保に取り組んでいきます。
 第2点、公民連携の拡充。
 ア、公民連携の拡充、イ、公民連携の基本理念、ウ、平成24年度の公民連携の事業効果はとのお尋ねですが、これらは関連がありますので、一括して答弁をさせていただきます。
 財政的な制約が増す一方で市民ニーズが多様化する中、公民連携は、民間のノウハウや豊かな発想によって、行政のスリム化と市民サービスの向上を図るものとして、元気都市うべを実現するための重要な手法であると認識をしています。
 また、宇部市協働のまちづくり条例においても、地域社会を担う多様な主体が適切な役割分担のもとに協働してまちづくりを進め、市民一人一人が生き生きと暮らせる活力ある地域社会の実現を目指すものとして、公民連携を積極的に推進しているところです。
 本市はこれまでも公募による協働事業や大学との連携事業、指定管理者制度の導入、ネーミングライツなどに取り組んできましたが、昨年は市制施行90周年関連で多くのイベント、行事を行ったことで、これを契機として市民力がさらに高まったものと感じています。これを一過性のものに終わらせることなく、まちづくりのエネルギーとして継承・発展させるため、新年度においても数多くの公民連携事業に取り組むことといたしました。
 これまでの公民連携の事業効果としては、産業観光やふるさとツーリズムの創出、ご近所福祉の整備などに取り組むことによって、人件費を含めた総トータルコストの抑制や市民サービスの向上、民間への雇用の創出につながり、行政が単独で行う以上に市民満足度を高めることができたと考えています。
 平成24年度は、子どもの遊び場づくり支援事業、みんなでつくる・まちなかアートフェスタ開催事業など、既存の事業を再構築し、新たな事業として打ち出したものや、新たにふるさと起業家支援基金の創設、民間企業による冠基金を活用したソーシャルビジネス創出事業、はつらつポイント制度の創設などの新規事業に取り組みます。また、早期母子支援システムの構築や3R推進のためのポイントシステムの創設など、公民連携事業をゼロ予算で取り組むことによって、財政面からも創意工夫を重ねたところです。
 今後も公民連携をさらに進め、求める都市像である「みんなで築く 活力と交流による元気都市」の実現を目指します。
 御質問の2、持続可能な財政運営について。
 第1点、合併特例措置終了に向けての準備。
 ア、合併特例債の発行状況と今後発行の予定についてのお尋ねですが、合併特例債は、合併特例法に基づき、合併市町村の一体性の確立等、合併に伴い必要とされる経費の財源として発行を認められたものです。
 本市では、平成16年11月1日、楠町との合併により約157億円が発行可能額とされました。発行状況は、平成17年度から22年度までの発行済み額は約91億円、平成23、24年度の発行見込み額は約36億円で、合計約127億円となります。
 今後の発行予定については、残額約30億円を立熊沖田線などの道路整備や小中学校の耐震化及び施設整備などの財源として、効果的に活用していきたいと考えています。
 イ、普通交付税の合併算定がえ分の額と特例期間終了後の動向についてですが、普通交付税の合併算定がえとは、合併特例法において市町村合併に係る財政措置として、合併後の市町村に交付すべき普通交付税の額を一定の期間、合併関係市町村がなお合併前の区域をもって存続した場合に算定される額を下回らないように算定する特例措置です。
 本市においては、平成16年11月に合併を行い、平成26年度までは合併前の区域をもって算定された全額が交付され、その後、5年の激変緩和期間を経て、特例措置が終了することとなります。
 また、合併算定がえによる効果額は、平成23年度では普通交付税約92億円のうち約6億8,000万円と見込まれることから、特例措置の終了は市財政に大きな影響があります。こうした状況は合併を行った市町村共通の問題であり、山口県市長会等を通じて、特例期間終了後における国の地方財政対策について要望をしていきます。
 ウ、平成27年度以降の合併算定がえ分の減少に伴う臨時財政対策債発行可能額への影響についてですが、臨時財政対策債は、国の地方財政計画において地方交付税の不足分を補うものとして発行可能額が示され、各自治体は財政状況を勘案し、発行することとなります。
 平成23年度における本市の発行可能額は約31億3,000万円で、そのうち合併算定がえによる増加額は約7,000万円と見込まれます。現在と同様の算出方法によると、合併算定がえの期間終了後は発行可能額の減少が見込まれます。
 エ、合併特例債発行期限延長の動向についてですが、合併特例債は、合併後10年間まで発行が可能となっています。合併特例債の発行期限延長については、東日本大震災による被害を受けた合併市町村に係る地方債の特例に関する法律が平成23年8月に制定され、被災した合併市町村に対して5年間の期間延長がなされました。平成23年11月には、合併特例債の発行期限を被災自治体は10年間、その他の自治体に対しては5年間延長する閣議決定がなされ、現在、国会で審議されています。
 オ、合併特例措置終了後の持続可能な財政構造の構築をどのようにするかとのお尋ねですが、今後の超高齢社会移行に伴う福祉関係経費の増加と市税を初めとした自主財源の減少を考慮すると、合併特例措置の終了は、市の財政運営に大変厳しい状況をもたらすことが予測されます。
 このため、行財政のスリム化・効率化をこれまで以上に積極的に推進し、経費の削減を図るとともに、地域経済の活性化、地域活力の創出につながる効果的な施策を積極的に進め、自主財源の確保に努めることが持続可能な財政構造を構築するためには不可欠であると考えています。したがいまして、現在の財政健全化計画については、平成26年度中に見直しを図ることとしています。
 カ、財源激減対策として合併特例措置逓減対策基金の創設もしくは財政調整基金のさらなる積み増しが必要ではないかとのお尋ねですが、財政調整基金は、経済不況等による市税等の急激な落ち込みや災害発生などの予期せぬ支出、あるいは、後年度に受益を伴うが、単年度での臨時的な多額の支出などに対応するための財源調整としての役割を担います。
 合併算定がえの期間終了に伴う財源の激変は、市政運営に大きな影響を及ぼすことが予測されます。このことから、市政運営の安定化を図るためにも、年度間の財源不均衡を調整する財政調整基金の確保に可能な限り努めてまいります。
 第2点、臨時財政対策債について。
 ア、平成13年度から平成23年度末までの臨時財政対策債の累積発行可能額と実際の発行額、そして、現状の発行残高をどのように受けとめているのか、イ、平成23年度末における市債残高とそれに対する臨時財政対策債の割合の見込みについてのお尋ねですが、これらは関連がありますので、一括して答弁をさせていただきます。
 平成13年度から23年度末までの臨時財政対策債の累積発行可能額は233億7,457万7,000円で、実際の発行額は《228万9,070万円》(《 》は59ページで訂正)となっています。また、現在の残高は、平成23年度末見込みで198億1,875万4,000円となっています。一方、一般会計における市債残高は、平成23年度末見込みで709億9,113万8,000円であり、それに対する臨時財政対策債の割合は約27.9%となります。
 臨時財政対策債は、国の地方財政対策として地方交付税の不足分を補うものとして発行が認められたものであり、近年、国の財源不足の拡大から、発行可能額、すなわち地方交付税の振替額が増加し、それに伴い本市における市債残高に占める割合も上昇しています。
 もとより臨時財政対策債の元利償還金相当額については、後年度、地方交付税により措置されるものですが、地方自治体がみずからの責任において行う借金であることに変わりはなく、国の財政自体が先行き不透明で、将来の交付税措置への不安もあることから、その発行については慎重に対応すべきであり、財政状況を踏まえながら残高抑制に努めていく必要があると考えています。
 ウ、平成22年度から発行額が急増しているがその要因と平成24年度発行見込み額と発行予定額とその事業についてですが、臨時財政対策債は、地方交付税算定に合わせて発行可能額が算定されるもので、国の地方財政対策により、その大枠が定められます。臨時財政対策債の急増は、交付税の原資不足などに起因するものと考えています。
 平成24年度の発行可能額は32億7,766万6,000円と見込んでおり、32億円を予算計上し、地方交付税と同様に一般財源として各種事業の実施に充てています。
 御質問の3、ファシリティーマネジメントについて。
 第1点、公共施設のデータベース化による一元管理、第2点、ファシリティーマネジメント推進組織の設置についてのお尋ねですが、これらは関連がありますので、一括して答弁をさせていただきます。
 我が国では、戦後復興期から1960年代の高度経済成長期にかけて、また、バブル崩壊に伴う数次の経済対策を通じて、道路や橋梁、上下水道などのインフラ資産を初め、学校などの公共施設が集中的に整備されましたが、これらの資産が耐用年数を迎えようとしており、今後の維持、更新が全国的な課題とされています。このことから、土地、建物、設備等への経費の最小化や、施設効用の最大化を図ろうとするファシリティーマネジメントへの取り組みが全国の自治体でも広がりを見せています。
 本市においては、道路や橋梁などのインフラ資産について、老朽化に対応して年次的に維持・補修に取り組むとともに、ライフサイクルコストの低減を図るため、公営住宅、橋梁、下水道施設については長寿命化計画を策定し、計画的に維持・更新をしています。
 また、ファシリティーマネジメントに取り組むために、まず、平成22年度の機構改革によって公有財産の所管を財政課へ移管し、公共施設の改築、改修等の主な所管を営繕課として、組織の機能強化を果たしたところです。次に、平成23年度には資産情報のデータベース化を行いました。
 今後は、庁内プロジェクトチームを設置して、施設の維持補修費、人件費を含めた管理費用など、資産情報の一元化を図って、老朽度や必要性を考慮しながら全庁的に施設のあり方を検討していきます。さらに、公共施設の状況について市民に公開し、今後のあり方などの提案を求めていきたいと考えています。
 御質問の4、再任用制度について。
 第1点、宇部市における再任用制度の運用状況について、採用状況、採用形態、手当などの待遇、財政効果と定員適正化計画への影響、第2点、新規採用を圧迫していないか、今後職員の年齢構成に大きなひずみが出ないかとのお尋ねですが、これらは関連がありますので、一括して答弁をさせていただきます。
 再任用制度については、本市を取り巻く行財政環境が厳しさを増す中、スリムで効率的・効果的な組織や人員体制の確立を図るためにも、その適切な運用は必要なものであると考えています。
 このため、本市においては、これまで退職前と同一業務に従事する現業職の定年退職職員を中心に活用してきたところであり、給料の2級格付及び短時間勤務を基本として運用を行っており、コスト的には新規採用以下の人件費となっています。また、再任用制度の活用と事務事業の見直しにより、現業職の新規採用を極力抑制しているところです。
 非現業職の定年退職職員については、その多くが管理監督職員であるため、組織の新陳代謝等にも配慮し、嘱託職員制度の活用を基本としています。この制度の活用においても、総人件費抑制の観点から新規採用の抑制を図っていますが、一定数の新規学卒者の採用確保や民間経験者の採用によって、職員の年齢構成に配慮をしているところです。
 一方、フルタイム勤務での再任用を実施する場合もあり、特に平成23年度においては、イベントイヤーへの対応等から、4人のフルタイム勤務の再任用職員を採用しており、求められる職責や役割に応じた給料格付を行っています。
 なお、平成24年度には、非現業職の再任用については、より専門性の高い職以外は嘱託職員制度にシフトしていくこととしています。
 第3点、平成24年度の再任用の採用予定人数と応募人数と採用内容、第4点、採用に当たっての選考、配置の基準についてですが、これらは関連がありますので、一括して答弁をさせていただきます。
 平成24年度における再任用職員の新規採用については、現業職15人及び保育士2人を予定しているところです。採用に当たっては、対象者への意向調査を実施し、希望する職員について複数年の勤務実績や健康状態などを総合的に評価して、採用することとしています。
 今後も事業主としての責務でもある定年退職職員の就業機会の確保に取り組みながらも、効率的・効果的な組織運営と雇用コストも踏まえた再任用制度の運用に努めていきます。
 御質問の5、今後の地籍調査の取り組みについてのお尋ねですが、本市では平成5年度から地籍調査を実施しており、土地所有者が高齢化する中で、山林については、山口県では公図等がないという事情によって境界が不明確となるおそれがあるため、北部地域から調査を進めています。現在、小野地区では大字棯小野の一部を、また、楠地区では大字船木の一部を調査しているところであり、平成23年度末の進捗状況は約25%となります。
 今後については、一筆地調査をこれまでの職員による調査方式から外部委託へ切りかえることとしており、従事する職員数による制約を受けずに実施できる体制といたします。
 しかしながら、地籍調査に係る国の予算枠の拡大が見込めず、市単独での調査面積の拡大も困難な状況にあるため、効率的な調査区の選定や国及び県補助金の確保に努めて、平成31年度までの第6次国土調査事業十箇年計画を着実に推進していきます。
 なお、地域住民による山林等におけるくい打ちなどの自主的な境界保全活動について、必要な物品の支給制度を創設したところであり、本制度のより一層の周知と利用促進を図っていきます。
 御質問の6、東日本大震災への今後の支援についてのお尋ねですが、このたびの震災では、非常に広い範囲で甚大な被害が出たため、震災直後から全国規模での派遣要請に基づき、消防による救援救出活動や水道事業部による応援給水活動に取り組むとともに、避難所での健康相談などに保健師の派遣を行いました。
 また、全市挙げて支援活動に取り組む必要があると考え、市民に幅広く呼びかけて東日本大震災復興支援宇部市民協働会議を設立するとともに、復興支援協働プロジェクトチームとして復興支援うべを立ち上げ、義援金の呼びかけや支援物資の受け付け・搬送、被災地から本市に避難された方々に対する支援などに取り組んできました。
 特に、同じ産炭地域として交流のある福島県いわき市と男女共同参画宣言都市としてのつながりのある岩手県大船渡市に対しては、災害ボランティアセンターの運営、義援金の配付、罹災証明や学校施設等の災害復旧にかかわる業務、瓦れき撤去の現場管理業務などに職員をことし3月末までに延べ137人を派遣するほか、ボランティアバスの派遣、子ども夏休み"夢プロジェクト"や被災地と本市の小学生による文通など、これまで多くの活動に取り組んできました。今後も引き続き、子ども夢プロジェクトを開催するほか、被災地や本市に避難された方々に対する支援活動や交流事業などについても、官民協働により積極的に実施をいたします。
 職員派遣については、被災地での復旧・復興が進むにつれて行政支援のニーズも変化しており、特に技術系専門職員が不足している状況となっているため、平成24年度においては、行政支援として、いわき市と大船渡市から要請がある災害公営住宅用地の造成にかかわる業務と被災漁港の災害復旧工事にかかわる業務に、土木職の職員を長期派遣することとしています。
 瓦れき処理については、現在、進捗率5%と進んでおらず、その原因は放射性物質による汚染を心配する住民の反対が根強いためと言われています。国においては、広域処理する可燃物の基準、処理に当たっての放射線モニタリングの方法等、一定の基準づくりは進展しているものの、いまだ基準となる数値があいまいであることなど、安全性について住民の不安を払拭し得る十分な説明がなされるに至っていません。
 このことから、本市では現在、放射線量基準値の安全性について、広域処理する可燃物の基準の変更について、本市焼却施設から排出する溶融スラグの埋め立て及び2次製品化について危惧される事項について、国の見解を照会しているところです。したがって、広域処理については協力すべきと思いますが、現状では受け入れは難しいと考えています。今後とも国に明確な説明を求めるとともに、国等の動向を注視していきます。
 御質問の9、中心市街地の活性化について。
 第1点、中央町三丁目(第二地区)住宅市街地総合整備事業の現状と今後の見通しについてのお尋ねですが、中央町三丁目第二地区については、老朽化した建物が密集し、空き家も多いことから、約1ヘクタールを防災安全面の向上と住環境の改善を図ることを目的とした国の住宅市街地総合整備事業を活用して、平成20年度から着手し、順次建物の除却を進めています。
 一方、この地区の再生を図るために、建物の除却と並行し、住宅機能と商業機能が一体となったまちづくりを目指して、これまで地元の方々と協働で12回の協議会を開催いたしました。この中で、景観に配慮した町並み形成のルールづくりの検討や共同化などによる建物の建てかえ計画づくりに取り組んできましたが、現在まで具体的な計画の策定に至っていません。
 また、地区内で事業参加を予定している方々の建物39棟のうち、23棟の除却が完了し、一団の敷地が形成されてきたところです。
 このような状況の中、まちづくりのための具体的な建てかえ計画の策定と、建てかえを行っていただくよう地元と協議を行ったところであり、今後、これら建てかえによるまちづくりの進捗に合わせて、市としては道路等の公共施設の整備を進めてまいります。
 第2点、元気な商店街づくりに向けた支援の実績と今後の取り組みについてですが、本市では、これまで中心市街地の空き店舗対策事業を初め、販売促進事業や商店街共同施設整備事業等を実施し、商店街の活性化を図ってきました。
 そうした中で、平成23年度には、各商店街の御意見も踏まえ、新たに元気な商店街づくり推進事業として商業振興策を再構築し、商店街の課題に即した取り組みや地域との協働の取り組みに対する支援を盛り込みました。その実績としては、新天町名店街協同組合の土曜夜市夏まつりに加えて、新たに常盤通振興会の七夕まつりに対しても支援を行い、また、UBEビエンナーレまちなかアート・フェスタを公民連携により開催することで、多くの人が訪れ、にぎわいの創出が図られました。さらに、中心市街地空き店舗対策事業としては、平成23年度は琴芝駅通り商店会などへの3店舗の出店に対し支援を行い、新たな業種の出店や魅力ある個店づくりの取り組みを促進してきました。この空き店舗対策事業は、制度を開始した平成10年度から通算をすると、中心市街地の商店街に109の店舗が出店され、そのうち49店舗が現在も継続して営業されており、中心市街地の店舗数の減少に一定の歯どめをかける効果があったと考えています。
 平成24年度においては、元気な商店街づくり推進事業にチャレンジショップ事業という新たな制度を加え、商店街が借り上げた店舗をチャレンジショップとして貸し出し、若い商業者の育成を行い、商店街での起業を促進していきます。また、中心市街地の商店街を舞台とした市民参加型のイベントとして、みんなでつくる・まちなかアートフェスタとにぎわい創出イベントを同時期に開催することで、相乗的に中心市街地の活性化を図っていきたいと考えています。
 今後とも商店街の実態把握に努めるとともに、宇部市商店街連合会を初め、各商店街や宇部商工会議所等との情報交換を通じて元気な商店街づくりに取り組んでいきたいと考えています。
 御質問の10、雇用・景気対策の現状と今後の取り組みについて。
 第1点、宇部管内の有効求人倍率についてのお尋ねですが、日本銀行下関支店が2月29日に公表した山口県の経済金融情勢では、個人消費や設備投資は緩やかながら持ち直しの動きが続いているものの、輸出や生産の減少などから、県内景気は横ばいの動きとなっています。
 こうした中、平成24年3月2日に公表された宇部公共職業安定所管内の平成24年1月の有効求人倍率は0.78倍となっており、平成23年4月の0.68倍からは回復基調にあるものの、依然として低い水準となっています。
 第2点、宇部管内新卒者の就職の内定状況についてですが、宇部公共職業安定所管内の高校や大学等の新卒者の就職内定状況は、平成24年1月末現在で、大学が76.0%で昨年同月比4.2ポイントの減少、専修学校が66.7%で1.3ポイントの減少、高校が89.3%で0.4ポイントの減少となっています。また、一方で短期大学が71.2%で21.2ポイントの大幅な増加、高等専門学校が98.3%で1.3ポイントの増加となっています。
 このように、管内の就職内定状況は、全体として見ると、昨年をやや上回る状況であり、管内と県全体を比較しても、高校以外は管内の就職内定率が上回っている状況です。
 しかしながら、管内では67人、全県では324人の高校生の就職が決まっていないことから、平成24年2月、山口県において高校生緊急就職対策プロジェクトチームの会合が持たれ、山口県若者就職支援センターで個別の就職相談を集中的に開催されているところです。
 第3点、平成23年度の雇用対策への取り組み状況と平成24年度の新たな取り組みについてのお尋ねですが、平成23年度は環境や農林漁業、福祉、観光等の分野において新たな産業や雇用機会の創出を図るため、緊急雇用創出事業臨時特例基金事業及びふるさと雇用再生特別基金事業を推進し、204人の新規雇用を創出したところであり、平成21年度から平成23年度までの3年間の合計は537人となっています。
 また、民間企業の雇用については、5月の求人確保促進月間に合わせ、市、公共職業安定所、宇部商工会議所と共同で、宇部興産株式会社、セントラル硝子株式会社、ルネサスセミコンダクタ九州・山口株式会社を訪問し、今春の新規学校卒業者の正規採用枠や未就職学校卒業者の応募機会の確保などを要請をするとともに、市内の事業所271社に対しても求人確保について文書でお願いをしてきました。
 平成24年度については、緊急雇用創出事業臨時特例基金事業として、新たに再生可能エネルギー導入促進事業、自然環境保全推進事業、里山整備管理事業などを推進し、76人の新規雇用を予定しています。
 また、宇部テクノパークや宇部臨空頭脳パーク等における新規進出企業では、今後114人の新規雇用が見込まれることから、地元からの採用をお願いしているところであり、雇用創出効果の高い企業誘致活動を粘り強く進めます。さらに、近隣の産業団地への進出企業に対しても、本市からの採用の働きかけを行っています。
 今後も厳しい雇用情勢に対応するため、雇用の確保や離職者等の就業機会の創出など、国、県及び関係機関と連携をしながら雇用対策に積極的に取り組んでいきます。
 第4点、景気対策の成果と新たな取り組みについてのお尋ねですが、市制施行90周年を迎えた平成23年度は、国の緊急総合経済対策を最大限活用し、平成22年度補正予算を合わせた15カ月予算として、ふるさと雇用再生特別基金及び緊急雇用創出事業臨時特例基金を活用した事業の実施やイベントイヤーに向けた基盤整備、小中学校の耐震化の推進、亀浦埋立地跡地における公園整備等に取り組んできました。
 また、おいでませ!山口国体・山口大会や第24回UBEビエンナ-レ、第100回花壇コンクールなど、節目となる多くのイベントがあり、地域経済への波及を図る絶好の機会としてとらえてさまざまな事業を実施した結果、一定の景気浮揚につなげることができたものと考えています。
 平成24年度は、新たに中小企業対策として本議会に上程をしている宇部市中小企業振興基本条例に基づき、ふるさと起業家支援基金の設置、金融機関等との産業振興協定の締結、開業資金融資枠の拡充など、これまで以上に積極的に取り組みます。また、地域経済や市民生活に貢献する革新的な事業を認定する宇部市イノベーション大賞を呼び水に、トップセールスや企業立地フェアへの出展、県や関係機関等と連携したPRなどを通じて、企業誘致活動を引き続き推進します。さらに、産学公連携による新産業創造としては、産学共同による省エネ技術関連の新技術・新商品の研究開発支援を行うとともに、ものづくり分野における高度熟練技能を継承する後継者を育成するための支援を行います。
 観光・ビジネスの創出については、観光交流を産業振興の重要な柱に位置づけ、スポーツツーリズムの創出や産業観光、うべ探検博覧会の内容を充実させて開催するなど、本市の地域資源を活用した諸施策を展開いたします。
 今後も、企業誘致を初め、産学公連携による新産業の創出など、中小企業の振興や常盤公園、産業施設等の地域資源を生かした観光交流の推進など、多面的に施策を展開し、景気対策に努めていきたいと考えています。
 御質問の11、宇部市のスポーツの振興について。
 第1点、スポーツ基本法の施行による宇部市の対応、第2点、総合型地域スポーツクラブへの育成と支援の強化、第3点、基本法の理念等、関係団体への周知についてのお尋ねですが、これらは関連がありますので、一括して答弁をさせていただきます。
 昨年8月に施行されたスポーツ基本法は、スポーツを通じて幸福で豊かな社会生活を営むことは人々の権利であるとの考え方に立った基本理念のもと、スポーツ立国の実現を目指し、スポーツに関する施策を総合的かつ計画的に推進することを目的に制定されたものです。
 本市では、スポーツ基本法の制定に向けて国が示したスポーツ立国戦略の内容を取り入れ、スポーツ振興計画を昨年3月に策定しました。本計画では、すべての市民一人一人が、いつでも、どこでも、いつまでも身近な地域でスポーツに親しめる豊かな生涯スポーツ社会を実現し、スポーツを通じて活力あるまちづくりや子供たちの健全育成を図ることを基本理念に、スポーツを楽しむ元気なひとの元気なまち・宇部を目指すべき将来像として、各種施策を展開することとしています。
 また、昨年10月に開催したおいでませ!山口国体・山口大会では、市民に大きな感動と元気を与えるとともに、高まった競技力や培われた幅広い人材、充実したスポーツ施設など、多くの成果を得ることができました。
 平成24年度の主な施策としては、同大会の成果を生かし、スポーツ魅力アップ事業として全日本大学ソフトテニス選手権大会の開催を支援するとともに、スポーツ合宿やスポーツツーリズム創出に対する助成など、交流人口の増加と活性化につながる事業を創設します。また、わくわくスポーツフロンティア事業として、総合型地域スポーツクラブの会員増加や新たな活動を支援するとともに、国体きらめきサポーターの継承、発展を目指したスポーツボランティアの育成や活用に取り組みます。さらに、幼少期の子供から高齢者、障害のある方がスポーツに親しむことができるように、こども元気スポーツ推進事業や障害者スポーツ推進事業などを積極的に展開し、生涯スポーツを推進します。
 今後とも各種大会や研修会、ホームページ等を通じて、スポーツ基本法やスポーツ振興計画の主旨を周知するとともに、市民、地域、スポーツ団体等と協働して、スポーツを楽しむ元気なひとの元気なまち・宇部を目指していきます。
 以上で、私の壇上での答弁を終わります。

白石教育長

新政会代表、志賀議員の御質問にお答えいたします。
 御質問の7、宇部市の教育重点目標「子どもの学びと育ちを保障する教育の推進」について。
 第1点、確かな学力。
 ア、改善に向けての平成23年度の取り組み、あわせて平成24年度の取り組みについてのお尋ねですが、本市では、教育基本法の目的にのっとり、心身ともに健康な人間の育成を目指すため、3つの教育重点目標を掲げ、さまざまな施策に取り組んでいます。
 目標の1つである子どもの学びと育ちを保障する教育の推進に向けては、確かな学力、健やかな体、豊かな心のバランスがとれ、生きる力を身につけた子供の育成を目指しています。
 本市の児童生徒の学習状況については、平成22年4月に実施された全国学習状況調査において、家庭でのテレビ視聴やゲーム等を行う時間が長い反面、読書の時間や家庭学習の時間が短いという課題が明らかになりました。
 そこで、平成23年度は、小中学校23校が家庭学習の手引きを用いて、学習の仕方や学習時間の目当てを示し、保護者と連携しながら家庭での学習習慣の確立を目指しました。さらに、平成24年度は、37校すべての小中学校が、小中連携の取り組みの一つとして家庭学習の習慣化を促進します。
 また、同じ全国学習状況調査において、小学校の授業研究を伴う校内研修の回数が少ないことも学校における課題として明らかになりました。
 そこで、平成23年度は、市内の小中学校においてすべての教師が授業の公開を行うとともに、講師を招聘した授業研究家の実施回数もふやし、教師の授業力の向上を目指しました。さらに平成24年度は、授業研究会の質の向上を図るとともに、実施した授業のよさや課題を互いに共有することで、さらなる授業改善に取り組みます。
 児童生徒に確かな学力を身につけさせるためには、学校と家庭がそれぞれの役割を果たすことが重要になります。教育委員会としましては、授業研究を伴った校内研修による授業改善や授業を充実させるための学習規律の確立、保護者と連携した家庭学習の習慣化を促進することで、児童生徒の確かな学力の育成に取り組んでいきます。
 イ、平成23年度全国学力調査及び宇部市学力到達度調査の結果についてのお尋ねですが、本市では児童生徒の学びと育ちを保障するため、これまで教師が一方的に教え込む授業ではなく、児童生徒が主体となり、自分の考えたことを表現したり友達に説明したりする学び合いのある授業に取り組んでいます。
 平成23年度の全国学力調査については、東日本大震災の影響を受け、国の実施が見送られましたが、山口県では県内すべての小学校6年生と中学校3年生で学力調査の問題を活用した調査を実施しました。
 本市の調査結果は、小中学校とも基本的な問題において県平均と同程度ですが、活用に関する問題は県平均を下回りました。また、現在の中学校3年生が小学校6年生だったときと比べると、国語や算数、数学とも基本的な学力は保っていますが、活用に関する問題については低下しています。
 平成23年4月に中学校1年生で実施した宇部市学力到達度調査の結果については、社会については全国平均を上回っていますが、国語、数学、理科においては全国平均を下回る結果になりました。これらの結果から、小学校、中学校とも国語や算数、数学の活用力に課題のあることがわかりました。今後は、各学校においてこの結果をしっかり分析し、子供たちの課題やつまずきを把握した上で校内研修につなげ、授業改善に生かす必要があります。
 教育委員会では、今後、本市の子供たちの活用力向上に向け、校内研修会への講師の派遣や教師の資質、能力を高めるための研修会を開催するとともに、活用力を高めるための授業改善に向けての支援を積極的に行っていきます。
 第2点、健やかな体。
 ア、体力調査の結果についてのお尋ねですが、生活環境の変化、テレビやゲームなどのメディアとの接触時間の増加などに伴い、全国的に子供の体力低下が懸念されており、低学年から運動やスポーツに親しませるとともに、基本的な生活習慣を身につけさせ、規則正しい生活をさせることが重要な課題であるととらえております。
 平成23年度の全国体力・運動能力、運動習慣等調査については、東日本大震災の影響を受け、国の実施が見送られましたが、山口県が毎年実施している山口県体力・生活調査結果から、平成23年度、本市の児童生徒の体力は、疾走能力は県平均と同程度ですが、持久力や敏捷性などは県平均を下回っています。
 教育委員会としては、この調査結果を踏まえ、各学校に子供の体力向上プランの見直しをするよう指導し、体育の授業の改善や休み時間の外遊びの工夫など、体力向上に向けた取り組みの充実や元プロ野球選手などの専門家を小学校に派遣し、運動する楽しみや喜びを体得させる取り組みをさらに推進していきます。
 今後も引き続き家庭と連携しながら、早寝・早起き・朝御飯などの望ましい生活習慣の定着を図るとともに、地域と連携しながら各種体育行事に積極的な参加を呼びかけるなど、子供たちの健やかな体づくりに取り組んでいきます。
 イ、武道の必修化における安全対策。
 (ア)宇部市において、過去に柔道での事故はなかったのか、(イ)指導に当たる宇部市の保健体育科教員の研修状況と有段者数、(ウ)保健体育科教員と外部指導者とのペアでの授業体制がとれないのかについてのお尋ねですが、これらは関連がありますので、一括して答弁をさせていただきます。
 平成24年度から全面実施となる新しい中学校学習指導要領では、我が国固有の文化であり、伝統的な考え方の理解や練習や試合において相手を尊重することを重視する武道を保健体育科の中に位置づけ、中学1・2年生において必修となりました。柔道の授業は、生徒に技能や礼を重んじる態度を習得させながら、安全に取り組むことが大切です。
 本市における柔道の授業中でのけがは、過去3カ年で足の指の骨折が2件、鎖骨の骨折が1件で合計3件の報告を受けていますが、頭部の強打や首の骨の骨折等の重大な事故は起きていません。
 また、指導力向上や安全管理体制を確立するため、平成21年度から、県教育委員会や各種団体が主催する実技講習会へ保健体育科教員を計画的に参加させています。
 なお、本市の保健体育科教員の中で、柔道の有段者は32人中14人となっています。
 本市では、今後さらに保健体育科教員の指導力向上と安全管理体制の整備を図る必要から、外部指導者との連携を図り、柔道実技講習会の開催や授業において外部指導者を活用できる指導支援体制の整備を行い、安全で充実した柔道授業の実施に取り組んでいきます。
 第3点、豊かな心。道徳教育の充実に向けての取り組み内容についてのお尋ねですが、道徳教育は、児童生徒が人間としてのあり方を自覚し、人生をよりよく生きるためにその基盤となる道徳性を育成しようとするものであり、各学校においては、道徳の時間を中心として各教科、外国語活動、総合的な学習の時間、特別活動のそれぞれの特質に応じて、学校の教育活動全体を通じて行っています。
 道徳の授業をより充実したものとするためには、互いの意見を率直に交換し合うことが大切であることから、本市では、小グループを活用した学び合いのある授業を小中学校共通の取り組みとして推進し、子供と子供、子供と教師、子供と地域、それぞれの多様な人間関係をはぐくんでいます。
 教育委員会では、伝統的産業である赤間硯と琴を活用した授業の実施やアクトビレッジおのを利用した自然体験学習などを通して、子供たちの豊かな人間性をはぐくむための機会と場を提供しています。
 今後も道徳の時間を充実させることはもとより、伝統文化や自然に触れる機会を通して、子供たちの豊かな心の醸成を推進するとともに、教育の原点である家庭の教育力の向上を図りながら、道徳教育の充実に取り組んでいきます。
 御質問の8、安心・安全な学校体制の構築について。
 第1点、防災教育への取り組みについてのお尋ねですが、未曾有の被害をもたらした東日本大震災の折、多くの子供たちが犠牲になった学校があった一方、日常の防災教育により、適切な行動をとった結果、1人の犠牲者も出なかったという学校もありました。
 本市においても、これまで災害から身を守る実践的な力の育成を目指した防災教育を推進しているところです。現在、各学校においては、教頭が防災担当としての役割を担い、中心となって防災計画を作成し、日常の生活安全、交通安全、災害安全に取り組んでいます。
 教育委員会としては、新たな取り組みとして、津波等を想定した2次避難場所ヘの避難訓練や緊急地震速報を利用した訓練等の実施を指示しました。また、学校危機管理マニュアルについて、登下校時や休日等の状況に応じた避難誘導、避難場所や避難経路の保護者への周知などの見直しを各学校へ指導したところです。さらに、学校において災害発生時に的確な判断ができるよう、教職員を対象とした災害に関する専門的な研修会を開催するとともに、本市で開催している日本防災士機構が認定した防災士養成認定講座の受講の促進を図っていきます。
 なお、本市では、子供たちの防災意識を高めるために、本講座を受講する中学生、高校生等には平成24年度から受講料を助成することとしています。また、現在、今議会に議案として提出している宇部市防災基本条例においても、学校における防災教育を明確に位置づけて取り組みを強化することとしています。
 今後も、引き続き学校、家庭、地域の校区自主防災会及び関係機関との連携を図りながら、防災教育の充実に取り組んでいきます。
 第2点、宇部市の小中学校における食物アレルギー児童・生徒への対応。
 ア、食物アレルギー児童・生徒の把握状況とその対応、イ、マニュアル作成についての見解についてのお尋ねですが、これらは関連がありますので、一括して答弁をさせていただきます。
 近年、児童生徒を取り巻く生活環境の変化などに伴い、食物アレルギーを有する児童生徒が全国的に増加する傾向にあると言われています。本市においても、公立小中学校の食物アレルギー疾患のある児童・生徒数は、平成20年度が345人、平成21年度が345人、平成22年度が372人で、全児童生徒数に対する割合では2.43%、2.47%、2.72%と増加しています。
 学校における食物アレルギー対応については、文部科学省の監修のもと、財団法人日本学校保健会が平成20年3月に取りまとめた、学校での組織的な取り組みの指針となる学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドラインに沿って実施しています。
 具体的な食物アレルギー対応として、学校給食においては、家庭と連携をとりながら、調理の過程で原因食物を除いた除去食や原因食物を別の食材にかえる代替食で対応していますが、食物アレルギーの症状や調理場の設備状況等により対応できない場合は、弁当を持参するようお願いしています。修学旅行や宿泊学習においても除去食や代替食で対応しています。アレルギーの発症時においては、各学校で作成している危機管理マニュアルにより対応しており、引き続きこのマニュアルで対応したいと考えています。
 さらに、平成24年度からは、主治医がアレルギー疾患の状況を記載した学校生活管理指導表を保護者から提出してもらい、個々のアレルギー症状等のより正確な把握を行います。
 今後は、各学校において、この学校生活管理指導表を活用し、学校医等と密接な連携を図りながら、学校生活全般において、アレルギー疾患のある児童生徒の安心・安全を図っていきます。
 以上でございます。
    〔「議長」と呼ぶ者あり〕

久保田市長

 済みません、先ほどの壇上での答弁の訂正をお願いしたいと思います。
 御質問の2の持続可能な財政運営のところの臨時財政対策債の実際の発行額を「228億9,070万円」と申し上げるところを「228万9,070万円」と申し上げてしまいました。読み間違えてしまいました。大変失礼をいたしました。おわびして、訂正をさせていただきます。

志賀光法

11項目にわたる質問でしたので、長い答弁になりました。本当にありがとうございました。時間がもう余りありませんので、順次再質なり要望させていただきたいと思います。
 まず、市庁舎の建てかえについてですが、耐震診断の結果、Is値が出ています。当初これは1次診断と思っていました。聞くところによりますと2次診断ということで、その数値自体には満足するものではございませんが、2次診断を受けたことについては満足しております。
 それと、御答弁によりますと、来年度市民委員会において検討されるということで、その内容も書かれておりましたが、ことしは保全計画が策定されました。そして、建てる建てないとか基本的なことは庁内組織で議論して決定すべき内容ではないかと思った次第でございます。
 壇上で申し上げましたが、1月31日から被災地に行ってまいりました。そこで、いわき市の職員の方によると、絶対動かないと思われていた断層が、3月11日には動いたそうです。そういう危険があるということです。それで、御存じかと思いますが、宇部市には大原湖断層群が約57キロあるそうですが、最南端は宇部市上の原あたりだそうです。そして、1991年の周防灘地震はマグニチュード6、この周防灘断層は宇部市の沖ですが、すぐ近くなのです。宇部市でも地震が起こる可能性があるということです。それで先日、テレビ番組の中で、山口大学の金折教授でしたか、山口県の断層は平成の活動期に入っているというような報道もされました。
 新政会といたしましても、学校の耐震化とか土地開発公社の清算は重要課題と受けとめておりますが、やはり市庁舎の建てかえが最重要課題と思っております。多くの被災地でその機能を失った市庁舎はたくさんあります。もしつぶれた場合どうするのか。もちろん考えておられると思いますが、やはり建てかえるべきであると私は思います。
 市民委員会の位置づけとしてはゼロ予算ということですが、私はできましたら条例に基づいた市長の附属機関として、建築はもとより、環境・エコの専門家とか、防災、それから、ユニバーサルデザインの専門家を入れて、あと、自主防災組織の方々、障害者の方々の団体、自治会の団体など、もちろん市民公募も入れますが、その中でずばり市庁舎に係る基本計画の策定をしていただくほうがいいのではないかと思いますので、その辺も早急に御検討をお願いしたいと思います。
 それから──時間がありませんね。これは要望とさせていただきますが、東日本大震災について、我々は一言で瓦れきと言います。しかし、被災者にとっては3月11日、また、それ以降においても、その被災者の方にとっては瓦れきではないのです。貴重な財産であったわけなのです。被災された一人一人にとっては、貴重な財産の跡形なのだと思います。
 我々はできるだけ早い復興のために、被災者の貴重な財産で撤去されたものの処理をお手伝いするという気持ちで対応することが必要なのではないでしょうか。国の安全基準が明快になること、そして、瓦れきの安全性が確認されること、そして何よりも市民の合意が必要であることは言うまでもありませんが、本日の日本農業新聞の一面全面を使ってのJAグループによる復興支援の広告には、「復興より先に、やるべきことはないと思う。」と大きな文字が並んでいました。まさにそのとおりだと思います。
 また、けさのテレビ番組では、石巻市で十数メートルにうずたかく積まれた瓦れきのあちこちから、発光が起こり白煙が上がっているとのニュースがありましたが、これから自然発火のおそれがあると言われていました。コメンテーターの一人が言った「きずな、分かち合いの言葉はどこに行ったか」という言葉が、私の耳から今でも離れません。
 また、昨日の県議会では、二井知事が震災瓦れきの処理について、県が国を呼んで、関係市町を集めて説明会の開催の場を求めたいとの答弁もありました。被災地が本当に必要としている支援をしていこうではありませんか。どうか御検討いただきますようによろしくお願いいたします。
 次に、柔道の必修化ですが、まず、柔道の年間の授業数と日程について、集中して実施されるのか、それとも分散されて実施されるのかお伺いいたします。

白石教育長

はい、お答えいたします。
 柔道の年間授業時間数は各学校で定めることになりますが、県教育委員会が示した指導計画の例示に基づきますと、10時間程度となる見込みです。また、柔道の授業は、一定の期間を定めて集中的に行います。
 以上でございます。

志賀光法

ありがとうございます。
 次に、御答弁によりますと、本市における柔道の授業で、過去3年間に足の指の骨折2件、鎖骨の骨折が1件とのけがの報告があったと答弁されましたが、足の指の骨折はどのようにして起こったのかおわかりであれば教えていただきますよう、お願いいたします。

白石教育長

足の指の骨折は、投げ技の練習中に生徒が投げられないように踏ん張ったときに、足の指に無理な力がかかり、骨折したものです。
 以上です。

志賀光法

私どもでは本当に考えられないのは骨折だと思いますが、一般的に言われていることを申し上げますが、柔道はもちろん体育館でなされると思います。体育館はほかのスポーツあるいは部活でも使いますので、柔道の畳をずっと敷いておくわけにはいかないと思います。よく言われているのが、柔道の畳を敷く、あるいは片づけるときに、手から放れて落として角がつぶれてしまう。それによって、今度敷いたときに、でこぼこして浮いたり、へこんだりして、そこで足を引っかけて骨折したり、突き指したりという事故、けがが多いと聞いております。恐らく慎重に対応されると思いますが、そのようなことでけががあってはならないと思いますので、畳の管理は十分に注意していただきますようにお願いを申し上げます。
 また、よく事故やけがが起こる時間は授業中ではなく、授業の始めや終わり、また、その後の少しの間の時間、あるいは昼休みとか休み時間で、私も経験がありますがプロレスのわざをかけたりしたこともあります。そういうときが本当に危ないと言っておられますので、かなりの指導はいるかと思いますが、そのあたりの指導も徹底していただきますようにお願いいたします。よろしくお願いいたします。
 まだ若干時間がありますか。資料がばたばたしてしまって済みません。
 持続可能な財政運営について、合併特例期間終了に向けての準備ですが、合併特例債157億円のうち、平成24年度末で発行見込み額が127億円、残り2年、30億円で立熊沖田線などの道路整備、小中学校の耐震化、そして施設整備等が行われますが、答弁にもありましたが、恐らく今国会で被災地は10年の延長、被災地以外で防災関係に使うものであれば5年の延長が可能になるかと思います。
 実は、市庁舎の建てかえには合併特例債は使えないと言われておりましたが、同じ場所で建てかえた場合には、現庁舎の解体費用に合併特例債が使えるそうです。5年延長になっても平成31年、今から時間がありませんが、その気になればできるかもしれません。そういうものも使える可能性があるということで、合併特例債はほぼ満額使い道が決まっているかもしれませんが、これだけ有効で特別な財源はありません。ぜひ有効に使っていただきますようにお願いいたします。
 あと、合併算定がえ等は、5年後からかなり影響が出てきます。算定がえで6億円幾ら、臨時財政対策債を合わせると約7億5,000万円、確実に影響が出てきます。それと、交付税には合併臨時財政対策債の償還金が約10億円あります。それから、今まで使っていた合併特例債が約十何億円あります。そうすると、今まで使っていた財源を考えると、今まで以上に同じような事務事業をしていくことは、極めて困難になるのではないでしょうか。
 これまで以上に行財政運営の改革をしていただきますようにお願いいたしまして、すべての質問を終わります。ありがとうございました。