H21年6月議会

1.クレジットカード・コンビニ収納、マルチペイメント等を活用した
  市税・公共料金の収納・徴収環境の整備について
2.今年度最終年度となる中山間地域等直接支払制度について
  これまでの成果と拡充や法制度化による恒久化に向けた今後の対応
3.宇部市の小規模校における小学校高学年の複式学級の解消について

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H21年6月議会議事録

志賀光法

皆さんおはようございます。新政会の志賀光法です。質問の前に、藤田市長におかれましては、平成5年に市長に就任されましたが、御就任後、いち早く北部地域に足を運んでいただき、そして、地域の声を聞いていただき、上下水道など生活基盤の整備、地域振興、そして農業振興にも積極的にお取り組みいただきましたことに対しまして、厚く御礼を申し上げます。また、4期16年間にわたり宇部市政発展のために御尽力いただきましたことに敬意と謝意を表すると同時に、その間の数々の業績を高く評価をさせていたただきます。
 それでは、通告に従いまして一般質問をいたします。まず、質問の1点目は、クレジットカード・コンビニ収納、マルチペイメント等を活用した市税・公共料金の収納・徴収環境の整備についてです。
 現在、宇部市において、市民が税金や各種公共料金を納めるには、市役所や金融機関の窓口で納める方法と、口座振替で自動的に引き落しされる2つの方法があります。口座振替は指定された預金口座から納期の期限日に自動的に引き落としてくれる制度で、納付の手間や納付忘れの心配がなく安心で便利な制度で、現在、宇部市では、市県民税のほか、固定資産税、都市計画税、軽自動車税の納付で利用ができ、多くの市民の利便が図られているところです。
 しかし、現在、IT、情報通信技術の飛躍的な発展で、国民の日常生活レベルにおいて急速な情報化をもたらしているところで、eコマース、電子商取引、いわゆるインターネットでの買い物などが積極的に行われるようになり、それに伴い、その決済方法として、24時間いつでもどこにいても即座に決済できるクレジットカード、ネットバンキング、モバイルバンキング、コンビニなどでの決済利用が拡大しているところです。
 このような国民レベルでの社会環境、決済環境の大きな変化などにより、地方自治法も改正され、税金や公共料金についてもクレジット収納ができるようになり、自治体の中には、納税者の利便性の向上や収納率を上げるため、税や各種公共料金をクレジットカード、コンビニ、マルチペイメントでの収納といった新たな収納手段の導入を始めているところもあります。
 まず、コンビニ収納についてですが、いまや電気料金やガス代という公共料金を初めとして、電話料金など、日常生活でのさまざまな代金決済の窓口として、ごく普通に利用されるようになっております。市民にとっては24時間利用可能な支払い窓口が開いているメリットがあり、市にとっては不便さを原因とした料金滞納などの解消にもつながると思います。
 次に、マルチペイメントについてですが、これまで請求書や納付書と現金をもって市や金融機関の窓口で支払っていたものが、インターネットバンキング、モバイルバンキングやATMから、いつでもどこでも簡単に支払うことができるもので、市民にとっては現金を準備する必要や窓口に並んで待つ必要もなく、窓口が閉まっている夜間や休日でも思い立ったときに支払いができるもので、一部の例外を除き、振込手数料のような手数料がかからないというメリットがあり、市にとってもコンビニ収納同様、不便さを原因とした料金の滞納などの解消につながります。
 最後に、クレジットカードでの収納についてです。クレジットカードは、一昔前まで多くの人が持っていたマイナスイメージが払拭され、割引や特典があること、ネット決済での必要性などから、今日では銀行系だけではなく、流通系やガソリンスタンド系、航空機などの運輸系など、1人で数枚所持している人も珍しくなくなり、若者だけではなく、広い世代での所持、利用が進んでいます。また、ことし3月末からETCを利用すると、土日祝日が高速道路1,000円上限となったこともあり、クレジットカードを所持、利用する人が一気にふえたのではないでしょうか。
 クレジットカード収納については、市にとっては契約者からの市税や公共料金の確実な納入が可能となります。例えば、現在の口座振替では、通帳残高の不足時には引き落とすことができなくなりますが、クレジット会社が間に入ることにより、カード会社が市に全額払いますので、そのような問題は発生しません。督促手続にしてもカード会社が行いますので、未納者の管理、電話での督促、督促状の発送など、事務的経費のコストの削減ができるといったメリットが市にはあり、市民にとっても、納付の利便性向上のみならず、クレジットカード利用によるポイント獲得というメリットがあります。
 市税、公共料金の収納、徴収において、市の窓口と口座振替だけではなく、クレジットカードやコンビニでの収納、マルチペイメントを活用した市税、公共料金を納付できる環境を整備するということは、市にとっても、そして、市民にとっても大きなメリットがあると思います。
 質問の1、クレジットカード・コンビニ収納、マルチペイメント等を活用した市税・公共料金の収納・徴収環境の整備についてお伺いをいたします。
 質問の2点目は、今年度最終年度となる中山間地域等直接支払制度について、これまでの成果と拡充や法制度化による恒久化に向けた今後の対応についてです。
 中山間地域等直接支払制度は、食料・農業・農村基本法を踏まえ、中山間地域等の振興施策の柱として、我が国農政史上初めての手法として、平成12年に国が創設したもので、平成17年に制度全体の見直しを経て、現在、引き続き5年間の対策として実施されているところです。
 宇部市においては、旧楠町の万倉・吉部地区が本制度、また、旧宇部市の小野・厚東地区については山口県知事特認としてこの制度を、要件対象地域の集落の協力、協定の締結により、宇部市が国、県と実施しているものです。10年を迎える本制度により、対象地区では、集落ぐるみの活動が始まるなど、集落機能の維持、強化、活性化が図られ、担い手や集落営農組織が育成され、持続的な農業生産が行えるようになるなど、大きな成果が上がっているところです。また、この4地区が宇部市の市民の水道水の水源地域であることを考えると、水源涵養、景観形成など、多面的で公益的な機能を有していると言われている農地が耕作放棄されずに守ることができたということは、宇部市、そして宇部市民にとっても、本制度が最良で最高の農業施策であるといっても過言ではありません。
 しかし、4地区でも、本制度の適用を受けることのできない農地、また、同じような問題を抱えていながら、本制度の知事特認の適用を受けることができなかった二俣瀬地区においては、残念ながら耕作放棄地がふえているという現実があります。また、中山間地域を取り巻く情勢は、これから高齢化、過疎化のさらなる進行等により、今後、一層深刻化していくことが懸念されます。
 本制度の協定を結んでいる集落からは、平成21年度をもって終了する本制度の継続を強く求める声が、また、現行の対象農地と一体的な保全が必要な農地についても交付対象とするなど、地域の実情に応じた対応や、知事特認の拡大など、要望が多く寄せられております。
 質問の2、今年度最終年度となる中山間地域等直接支払制度について、これまでの成果と拡充や法制度化による恒久化に向けた今後の対応についてお伺いをいたします。
 質問の3点目は、宇部市の小規模校における小学校高学年の複式学級の解消についてです。
 宇部市の北部地域は、自分の住んでいる地域はみずからの手で、そしてみずからの力でどうにか元気にしたいという強い思いがあり、地域再生のエネルギーは熱くたぎってはいるものの、その思いとは裏腹に、人口減少、少子高齢化が一層深刻化しています。最近では、生活していく上で必要な食料品や日用品を取り扱う小売店、ガソリンスタンドの撤退など新たな問題も出て、日常の生活、子育て、農業をしていく上で大きな支障が出ているところで、多くの課題に重くのしかかられ、そのことが大きな悩みとなっています。
 現在、北部地域の小中学校においては、地域の全面的な協力を得て、安心安全な登下校の環境づくりや特色ある教育活動、学校運営、そして全教員が校長のもと、共通目標として学力向上、クラブ活動の充実等が図られているところです。
 また、教育委員会としても、児童生徒をふやす対策として、そして特色ある学校で学び、しっかり活動したいと思う児童、生徒、保護者の願いをかなわせる対策として、平成17年度から特認校就学制度の実施など、側面からさまざまな御支援をいただいているところです。
 しかし、残念ながら、複式学級の解消という地域、保護者、教員の望みはかなわず、児童生徒数の減少に歯どめはかかりません。
 以前は、小学校に就学するころになると地元に戻り、両親と同居し、自分が通った小学校に子どもを就学させるというよい流れがありましたが、複式学級となった途端、両親、祖父母が複式学級は教育環境に問題があると判断されたのか、その流れは完全にとまってしまいました。
 現在、宇部市では、北部地域の小学校の3校が複式学級となっています。複式学級については、集中力が高まる、自分たちの力で学習する力が身につく、また、毎年クラスメイトがかわることから、少人数学級に発生しがちな固定化した人間関係が解消されるなど、よい面があると言われておりますが、保護者の皆さんは、複式学級に対してさまざまな不安、懸念を持っておられます。
 例えば、単純にいえば、授業は通常の半分しかとれないわけですから、学習の深まりが不足するのではないか。特に、高学年の複式については問題があると思っておられます。小学校の高学年は、小学校での学習の総まとめ、また、中学校への進学の準備という面で一番大事な時期であり、また、新しい学習指導要領等による外国語活動への対応など、高学年の複式は教員にとっても大きな負担となるのではないでしょうか。小学校の高学年の複式については、教員を加配し、複式を解消し、保護者の不安を取り除いていただきたいと思います。
 質問の3、宇部市の小規模校における小学校高学年の複式学級の解消についてお伺いし、以上で、壇上の質問を終わります。

藤田市長

志賀議員の御質問にお答えをいたします。
 まず、お答えの前に、私の16年間の取り組みと、特に北部地域の取り組みに対しまして高い評価の言葉をいただきまして、まことにありがとうございました。感謝申し上げます。
 それでは、御質問の第1、クレジットカード・コンビニ収納、マルチペイメント等を活用した市税・公共料金の収納・徴収環境の整備についてのお尋ねでありますが、本市では、金融機関等の窓口や口座振替により、市税や公共料金を納付していただいております。また、市税につきましては、職員の時差勤務により窓口の拡大を図り、収納環境の整備を行ってきたところであります。納付される方々の利便性を高めることは、本市にとりましても滞納を防止することにつながり、極めて重要なことと考えております。
 このため、これまで口座振替の推進を積極的に行ってきたところでありますが、全国の市町村におきましては、クレジットカードによる収納やコンビニ収納などの導入が進んでいるところであります。
 このような現状から、本市におきましても、先進地の視察や先進事例の調査を行い、導入による利便性の向上などの効果や、一方ではシステムの改修費用、収納代行業者に支払う手数料などの新たな負担について検討してきたところであります。市民の生活スタイルの変化に伴い、今後も導入の必要性は高まるものと考えられますので、費用対効果を考慮しながら引き続き検討してまいりたいと考えております。
 次に、御質問の第2、今年度最終年度となる中山間地域等直接支払制度について。
 これまでの成果と拡充や法制度化による恒久化に向けた今後の対応のお尋ねでありますが、当制度は、中山間地域等における耕作放棄地の発生を防止し、多面的機能を確保する観点から、条件不利地において農業生産活動を行う集落等に対して直接支払いを実施する制度であり、当初、平成12年度から平成16年度までの5年間の国の補助事業でありましたが、第二期対策として平成17年度から平成21年度まで延長され、今年度が最終年度となっております。この間、対象地域である小野、厚東、吉部、万倉地区では、農地や農村を守り、多面的機能を保全するため、集落協定に基づいて、水路、農道の管理、有害鳥獣防止などに取り組み、集落での共同作業、話し合い活動が活発化し、耕作放棄の防止にも大いに役立っているところであります。
 市といたしましても、本制度につきましては、集落からの要望も強く、将来にわたり農業生産活動が維持されていくためにも、継続実施が必要であると考えておりますので、今後とも、山口県市長会等を通じて、知事特認を含めた制度の継続を国に要望するとともに、知事特認基準の拡大を県に要望してまいりたいと考えております。
 以上で、私の壇上の答弁を終わります。

前田教育長

志賀議員の御質問にお答えをいたします。
 御質問の3、宇部市の小規模校における小学校高学年の複式学級の解消についてでありますが、本市におきましても、少子化等により、今年度、完全複式である小学校が1校、複式学級を有する小学校が2校あります。来年度は、現児童数や入学児童数から、複式学級の数がさらにふえる小学校があると予測されます。これらの学校におきましては、他学年の教員が指導に加わる等の全校体制での支援により、教科によって学年を分けての指導を実施している学校もあります。今後、教育委員会としましては、複式学級における子どもたちの確かな力の育成を目指し、学校間の交流学習や教員研修のより一層の充実を図るとともに、非常勤講師の配置等人的支援について、引き続き県教育委員会に要望してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

志賀光法

御答弁ありがとうございました。
 それでは、自席より再質問と要望をさせていただきます。
 まず、1点目の市税等の収納環境の整備についてですが、この質問をするに当たりましては、納税者である市民の利便性の向上はもちろんですが、御案内のように、昨年9月のアメリカ発100年に一度と言われている世界同時不況で、日本系企業の業績は急激に悪化しました。それに伴い、全国の自治体の平成20年度の税収、特に法人市民税の税収に大きな影響が出て、自治体の財政状況も悪化しております。
 情報誌の記事によりますと、特に自動車関連企業の集積地の自治体にその影響が大きいようです。例を挙げて申しわけありませんが、中でもトヨタ自動車のおひざ元である愛知県豊田市では、法人市民税が前年度と比べて426億円の減収、また中間納付した税金を企業に返すことになる還付金は190億円に上るそうで、合わせると610億円の影響で、今年度予定していた事業の取りやめを決定されたそうです。
 宇部市においても、少なからず市内の各企業の業績が悪化していると思いますので、昨年度の法人市民税についても影響が出ていると思いますが、ヒアリング時に確認しましたが、まだ数字が確定していないということでありましたので、きょうはお聞きはいたしませんが、数億円の減収見込みだとお聞きをしております。
 このように、さらに厳しさを増した財政状況の中で、市民サービスを低下させることなく行政運営をしていくためには、市税などの収納率を上げ、いかに財源を確保するかが重要であると思い、今回この質問をさせていただいた次第です。
 前置きが長くなりましたが、再質問をさせていただきます。
 御答弁によりますと、これまで市税につきましては、職員の時差勤務により窓口の拡大を図り、収納環境の整備を行ってこられたと御答弁されました。また、今年度は新たにコールセンター業務の導入を予定されているなど、市税の収納率の向上対策に積極的に取り組んでおられることに対しましては、一定の評価をさせていただきます。
 しかし、収納率を上げる方法はまだたくさんあるかと思います。例えば、市県民税を特別徴収していただく特別徴収事業所をふやす、いわゆる税金を給料天引きしてくれる事業所をふやすということですが、それも一つの方策だろうと思います。
 そこでお伺いいたしますが、特別徴収事業所の割合についてお伺いをいたします。

和田財務部長

お答えいたします。
 給与支払い報告書といいますか、源泉徴収書のことですけど、これを提出していただいている事業所につきましては、従業員3人以下の小規模事業所を除きますと、約5,500事業所でございます。それに対しまして、今、市県民税を特別徴収していただいている事業所の数は約4,700ということで、率にしまして約85%となっております。
 以上でございます。

志賀光法

今の数字については初めてお伺いして、高いのにちょっと驚いております。しかし、この事業所をさらに100%に近づけるということは、現年度分の収納率を上げることになろうかと思います。事業所によっては事情があり難しいかと思いますが、この特別徴収事業所への加入促進をさらにお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 次に、御答弁によりますと、多様な徴収方法について、先進地の視察や先進事例の調査を行い検討してきたと御答弁されていますが、システムの改修についてはどれくらいの費用がかかると試算されているのか。また、収納代行業者に支払う手数料については、どのぐらい必要なのか、御存じであればお伺いをいたします。

和田財務部長

コンビニ納税に関しまして、いろいろ前向きに検討してきたわけですが、何の税目をお願いするかということになろうかと思います。すべての市税をお願いするかということもありますけれども、納期が1回しかない軽自動車税、こういったものをまずコンビニ収納していただいて、その効果を図りたいという思いがあります。この軽自動車税のコンビニ収納をするに当たって、どれぐらいのシステム改修費が必要かというのを調べてみますと、システムの改修費用だけで約2,000万円ということでございます。また、収納代行業者、いわゆるコンビニに支払う手数料が約60円ということになります。今、金融機関に窓口の支払い手数料として支払っている金額が10円でございますので、50円ぐらい高くなるかなという予測でございます。
 以上です。

志賀光法

どの税を徴収するかということで変わってくると思いますが、ガス代とか水道料金、下水道料金も合わせて今後検討していただきたいと思います。財政状況は大変厳しく、ますます厳しくなると思います。今年度については、法人市民税のみならず、個人市民税もかなり影響が出てくると思いますので、新たな収納方法の導入について検討していただきたいと思います。特に、市税負担の公平性の観点から、真面目に納税の義務を果たしている市民の皆様に不公平感が出ないように、収納率向上対策として、できるだけ早期に新たな収納方法の導入をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 次に、質問の第2点目の中山間地域等直接支払制度については、制度の恒久化と要件緩和などを引き続き要望していただきたいと思います。これはまたよろしくお願いいたします。
 最後の小学校高学年の複式学級の解消についてですが、複式学級は小規模校の宿命であり、制度上避けて通れないとは思いますが、保護者、地域が望みます高学年だけでもどうにか複式学級を解消していただけないものだろうかと、いつも会うたびにお願いされております。私の思いは壇上で伝えることができたと思いますので、どうかその辺を理解していただき、御検討していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 以上で、私の質問を終わります。ありがとうございました。

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