H20年6月議会

1.改正道交法が6月1日施行され、30年ぶりに自転車の通行区分などが見直されました。改正内容の周知と自転車・歩行者・自動車ともに安心・安全で通行できる交通環境実現に向けての取り組みについて
 (ア)改正内容の周知と運転マナー向上への取組み
 (イ)小・中・高・大学及び市民への安全教育の取組み
 (ウ)自転車・歩行者・自動車ともに安心して、安全に通行できる道路環境整備への取組み
2.地域SNS(地域ソーシャル・ネットワーキング・サービス)への取組みについて

H20年6月議会議事録

志賀光法

皆さん、おはようございます。新政会の志賀光法です。通告に従いまして、一般質問をさせていただきます。
 今回、2項目させていただきますが、1項目めは改正道交法、そしてもう1つが地域SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のことをさせていただきます。
質問の1点目は、改正道交法についてです。
 投機的な資金の投入などもあり、原油価格が高騰し、ガソリン等の燃料費の価格は上昇し続けています。市民の皆様は、多くの方が省エネ運転、また、できるだけむだな外出を控え、そして中には、メタボ対策、健康、体力づくりを考えて、通勤を徒歩、自転車に切りかえられた方もおられるのではないでしょうか。
 自転車は経済的であり、環境負荷も低く、交通渋滞の緩和にも寄与し、健康にもよいなど、さまざまな面で利点が多く、また公共交通中心の交通体系への移行、コンパクトシティーの形成を進める上でも、必要不可欠な移動手段です。しかし、自転車は、自動車を運転する者、そして歩行者の側から見ると、言葉は悪いですが、とても危険で邪魔な存在でもあります。人ごみを猛スピードで通り抜けたり、雨の日の傘差し運転や携帯電話を操作しながら、またイヤホンで音楽を聞きながら運転するなど、マナーの悪さも目立っています。警察庁によりますと、交通事故の全体件数は減少傾向にもあるものの、自転車の事故はふえていて、2006年、全国で約17万5,000件の死傷事故が発生し、10年前との比較では約2割増となったと報告されています。また、ことし2月10日の大手新聞の山口県版の記事によりますと、山口県内の自転車が関係する年間事故件数は、2007年度で1,292件、死者数は12人、自転車が歩行者に衝突するといった加害者となるケースは、昨年13件発生し、2人が重症、11人が軽症を負っています。
 そもそも自転車は中途半端な位置づけで、自動車のような免許制度がないため、正式な運転教育もなく、ルールを守るどころか守るべきルールすら知らない人も多く、補助輪をつけた小さい子供からお年寄りまで、さまざまな年齢層の人が乗ることのできる手軽な乗り物であることから、多くの自転車利用者は事故に対する危機意識も薄く、自動車と同じように道交法を守る必要があるにもかかわらず、自転車なら許されると思っている方が多いのではないでしょうか。しかし、最近の自転車は高性能であり、また地理的条件下、下り坂などではスピードが出やすく、原動機付自転車の法定速度である30キロメートルに達することも容易であります。そのようなスピードが出ている場合に、歩行者、自動車等と接触してしまうと、重大な事故になりかねません。ことし1月に、宇部市と下関で、中・高校生の重大な交通事故が立て続けに発生したことは記憶に新しいところで、マスコミが大きく報道したこともあり、改めて自転車は車両であり重大な事故となってしまうことがあるということを、私だけではなく多くの市民、県民の皆様も認識されたのではないでしょうか。
 このような事故が二度と起こらないように、本年6月1日の改正道交法の施行を機に、宇部市としては、改正道交法の周知とできる限りの体制、環境整備に努める必要があると思います。
 そこで、お伺いをいたします。
 質問1、改正道交法が6月1日に施行され、30年ぶりに自転車の通行区分などが見直されました。改正内容の周知と自転車、歩行者、自動車ともに安心・安全で通行できる交通環境実現に向けての取り組みについて。1、改正内容の周知と運転マナー向上への取り組み。2、小・中・高・大学及び市民への安全教育への取り組み。3、自転車、歩行者、自動車ともに安心して安全に通行できる道路環境整備への取り組み。
 以上3点についてお伺いをいたします。
 質問の2点目は、地域SNS(地域ソーシャル・ネットワーキング・サービス)への取り組みについてであります。
 近年、インターネットによるコミュニケーションツールの一つとして、掲示板やプロフと違って匿名性の低いコミュニティーサイト、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)が注目をされています。インターネットのコミュニケーションツールといえば、以前は2ちゃんねるに代表される電子掲示板でしたが、単純にネットワークを介してメッセージをやりとりするだけのもので、不特定多数の利用者が匿名で書き込むため、根拠のない風評や嫌がらせ、人を不愉快にする暴言等の文字があふれ、インターネットは恐いところと多くの方が感じておられたのではないでしょうか。しかし、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)は、サイト内の情報の信頼性も高いのが特徴で、日記や掲示板、メール配信、プロフィール、ユーザー検索、コミュニティーなどの多くの機能を使って、インターネット上でコミュニケーションや情報共有を安心して行うことができ、また友人、知人間のコミュニケーションを促進する手段や場として、そして趣味や嗜好、居住地域、出身校、友人のまた友人といった自身と直接関係のない他人とのつながりを通じて、新たな人間関係を構築することもできるものです。また、そのような多くの機能、効果が期待できることから、このSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を地域レベルで活用することが、全国各地で始まっています。
 熊本県八代市の「ごろっとやっちろ」は、地域SNSの先駆けで、市の一職員が土日や自分の時間を使ってみずからの手で、またオープンソースソフトウエアを使ってシステムを構築し、それを市が設置していたサーバー内に、費用もかけずに、2004年10月に運用を開始したことで注目を浴び、また、それを評価した総務省が、千代田区や長岡市で実証実験を行ったことで、さらに注目、認知も広がりました。
 昨年11月には、島根県松江市でも地方自治情報センターによる2007年度のe-コミュニティー形成支援事業を受け、SNSの運用が始まりました。世界的に普及しているプログラミング言語Rubyの作者が松江市に在住していることもあり、さらに進化させた地域SNSを展開させようとしています。
 山口県においても、民間団体やNPOの運営ではありますが、既に5つの地域SNSがスタートしています。宇部市においても、地域コミュニティーのさらなる充実を図る上で有効なツールとして、地域SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)が運用できたらと思っております。
 そこで、お伺いいたします。
 宇部市においては、既に地域SNSの導入を検討されているとお聞きしています。地域SNS導入・活用検討の経緯と、サーバーの設置、管理、運用など、どのようなシステムを考えているのか、また、進捗状況など、地域SNS(地域ソーシャル・ネットワーキング・サービス)への取り組みについてお伺いをいたします。
 以上で、壇上での質問を終わります。

藤田市長

 志賀議員の御質問にお答えをいたします。
 御質問の第1、改正道交法が6月1日から施行され、30年ぶりに自転車の通行区分などが見直された。改正内容の周知と自転車、歩行者、自動車ともに安心・安全で通行できる交通環境実現に向けての取り組みについてのお尋ねであります。
 第1点の改正内容の周知と運転マナー向上への取り組みでありますが、本年6月1日に道路交通法の一部が改正され、施行されたことに伴い、自転車の通行区分については、自転車が歩道を通行できる場合が、従来の歩道通行可の標識等があるときに加え、13歳未満の子供や70歳以上の高齢者、身体の不自由な人が運転者の場合と、車道または交通の状況から見てやむを得ないと認められる場合についても通行ができるようになりました。
 市におきましては、6月1日号の広報うべに関係の記事を掲載したところでありますが、今後も宇部警察署や宇部交通安全協会、宇部地区安全運転管理者協議会などの関係機関・団体と連携しながら、さまざまな機会をとらえて、この周知に努めてまいりたいと考えております。
 また、自転車の運転マナーの向上につきましても、宇部警察署や宇部交通安全協会など関係機関・団体との連携を一層強化し、運転中の携帯電話や傘差し運転禁止などの取り組みを、引き続き推進してまいりたいと考えております。
 次に、第2点の小・中・高・大学及び市民への安全教育の取り組みでありますが、自転車は道路交通法では軽車両に区分されることから、交通ルールとマナーを遵守した安全な利用が求められるところでありますが、自転車利用者側の信号無視や一時不停止等によるものを含め、宇部警察署管内でも自転車による交通事故が多数発生しております。
 市といたしましては、幼児から高齢者に至る幅広い自転車利用者に対する安全教育について、小・中学生を対象とした交通教室及び高齢者を対象とした老人クラブでの指導、高等学校における学校サイクルリーダーと地域の交通ボランティアとの連携による自転車のマナーアップの取り組みなどを推進しているところであります。今後も宇部警察署や宇部交通安全協会、宇部地区安全運転管理者協議会などの関係機関・団体と連携しながら、安全教育の取り組みを進めてまいりたいと考えております。
 次に、第3点の自転車、歩行者、自動車ともに安心して、安全に通行できる道路環境整備への取り組みでありますが、歩行者、自転車の安全対策につきましては、これまで一部区間ではありますが、自転車歩行者道内に視覚分離を行うなどの取り組みをしてきたところであります。
 このたびの道路交通法の改正により、幼児、児童、70歳以上の高齢者等は、自転車歩行者道に限らず、自転車ですべての歩道を通行することが可能となり、加えて、交通量の多い路線など自転車が車道を走行することが危険と判断された場合にも、自転車の歩道通行が認められることになりました。
 このため歩道内のさらなる安全確保が必要であり、本市といたしましては、適切な維持補修はもとより、限られた道路空間の再構築も視野に入れ、歩行者、自転車、自動車の相互の安全について、公安委員会及び地域の皆様と連携をとりながら、安全対策に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、御質問の第2、地域SNS(地域ソーシャル・ネットワーキング・サービス)への取り組みについてのお尋ねでありますが、地域SNSとは、地域ソーシャル・ネットワーキング・サービスの略で、インターネットを利用して、地域に関心のある人々のためのコミュニケーションや、行政や地域から発信する情報を入手することができる地域向けの交流・情報提供サービスのことで、現在、全国各地に200を超える地域SNSが存在すると言われております。
 本市では、地域の歴史資源や催し物情報などをデジタル化して情報発信できないか、また、活発に取り組まれている市民の皆様の地域活動を紹介できないかを検討していく中で、平成20年度に財団法人地域活性化センターから、合併市町村地域資源活用事業助成金を受けることが可能となりましたので、導入について具体的に検討を進めているところであります。
 地域SNSは、原則として登録した会員制であり、会員自身が本名や住所、性別などを管理者に通知して参加することから、不特定多数の匿名の参加者による誹謗や中傷といったインターネットのサイト特有の問題点が抑制され、参加者がお互いの顔が見えるという安心感から、責任と節度ある市民相互の交流や意見交換が期待でき、宇部市民の活力を全国に発信する手段の一つとして大変有効であると考えております。また、この地域SNSの特徴に着目し、イベント情報や防災情報といった行政情報を市民と共有する手段として、あるいは、地域コミュニティーやNPO等の市民活動情報を発信する手段として活用することも可能であります。
 しかし、システムの運営主体や運営方法、サーバーの設置場所、維持管理経費の調達方法、また備えつける機能やセキュリティー対策など検討が必要でありますので、今後、庁内の関係課でさらに協議を進め、年度内の導入に向けて取り組んでいきたいと考えております。
 以上で、壇上の答弁を終わります。

志賀光法

ありがとうございました。大変丁重なといいますか、御答弁ありがとうございました。
 それでは、自席から若干の質問、それから要望、提言をさせていただきます。
まず、改正道交法についてですが、前田教育長さんにお伺いいたします。
現在、宇部市内の公立の小・中学校で自転車通学をしている児童生徒はどのくらいおられるのでしょうか、お伺いいたします。

前田教育長

平成20年6月現在で申しますと、自転車通学をしております児童生徒は、小学校1校1人、中学校12校1,619人でございます。
 以上でございます。

志賀光法

ありがとうございました。小学校もいるというのにちょっと驚いたところなのですが、中学で約4割ぐらいになりますか、4割の生徒が自転車通学をしているということ。また、高校に至っては、宇部市の交通がそういう状況でありますので、多くの方が自転車通学をしている状況にあります。先日でしたか、大学生については、自動二輪の講習会等が開かれたという報道はお聞きしましたが、中・高生が安全に通学していただくためには、やっぱりいろんな施策が必要と思います。
 6月1日から施行された改正道交法では、13歳未満の子供、いわゆる小学生は歩道も自転車で通行できるわけでありますが、優先的に通行できるわけではございません。やはり、歩道は歩行者優先であります。
 そこで、できればわかりやすい言葉でPRといいますか、周知をしていただきたいと思います。歩道は歩行者優先であるということ。歩道上の暴走は厳禁。そして3つ目ですが、交差点では必ず安全確認。4つ目ですが、信号無視、一時停止無視は重大な事故に直結など、今言ったのは最低限度の遵守事項なのですが、これを小学生、中学生あるいは高校生、大学生、それぞれに合った言葉で、ぜひPR、周知をしていただきたいと思います。交通ルールの徹底と運転マナーを向上させるためには、交通安全教室とかされているとは思いますが、これまで以上に徹底していただきたいとお願いいたします。これは要望とさせていただきます。
 次に、自転車の罰金について、斎藤市民生活部長さんにお伺いをいたします。
 自転車で交通違反をしたときの罰金について、かなり高額なのに、私、ちょっと驚いております。自転車の交通違反等の例と罰金について、紹介の意味を込めてお伺いいたします。

斎藤市民生活部長

お答えいたします。
 自転車の交通違反の例と罰則について、道路交通法による主なものを紹介いたしますと、例えば信号無視は3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金、2人乗り運転や並進──並んで走行することですが、これは2万円以下の罰金または科料など、自転車といいましても、非常に厳しい罰則が科せられることになります。 以上です。

志賀光法

ありがとうございます。さらに、私の方から少し補足といいますか、紹介をさせていただきます。
 酔っ払い運転、これは当たり前のことなんですが、酔っ払い運転を自転車でした場合、5年以下の懲役または100万円以下の罰金。それから、夜間無灯火で走行、これも5万円以下の罰金。傘差し運転、片手運転、携帯もメールもあるのですが、これは3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金。それから、歩行者への妨害、これも3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金。それから、徹夜や過労でふらふらになり、自転車に乗ってふらふら走る、これが1年以下の懲役または30万円以下の罰金。それから、ブレーキが故障したまま走る、これでも5万円以下の罰金となっております。などなど、まだまだあるわけですが、しかし私の身の回りの人間、また、宇部市でも、自転車の交通違反をして罰金を払ったという人を聞いたことがありません。どうしてでしょうか。自転車で交通違反をして捕まったときには自動車と違って、青切符──自動車の場合は青切符で反則金なんですよ。しかし、自転車の場合は即赤切符で罰金なんですよ。しかも、前科がついてしまうそうです。前科がついてしまうということで、恐らく、警察当局も取り締まりができないのではないかと思っております。これは私の判断でございます。しかし、この道交法の周知も大事ですが、今申し上げました反則の例と罰金についても周知していただければ、若干のマナー向上、交通安全の規範意識の向上が望めるのではないでしょうか。できれば紹介をしていただきたいと思います。
 今回の改正道交法については、マスコミも大きく取り上げてくれました。テレビではニュース番組の中で特集があったりとか、新聞各社も紙面を大きく使った記事の掲載もあり、先ほど答弁もありましたけど、広報うべも6月1日号で関係記事が掲載されました。それぞれの立場で周知に努められていることは大変評価しますし、感謝をしております。しかし、この道交法改正を機に、自転車に乗るすべての人の交通安全の規範意識が高まり、運転マナーが向上することを願っています。市としても、警察署や交通安全協会などの関係機関・団体と連携をさらに密にされまして、強化されまして、交通安全教育、または街頭指導、また、道路環境整備にも取り組んでいただきたいと思います。
 それでは、時間がありませんので、次の質問に移ります。
 次は、地域SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)についてです。
 庁内の市の職員の皆さんのパソコンからは、現在でもブログなどの閲覧はできないように制限がかけてあると思いますが、制限をかけている理由についてお伺いをいたします。

芥川総合政策部長

インターネット等の制限をかけている理由ということでございますが、御存じのように、インターネットには、業務上不要な情報、また違法な情報というふうな側面がございます。それらを閲覧しないということで、制限をかけております。それから、最近、インターネットのサイト経由で、ウイルスに感染するということもございます。これらの脅威からネットワークを守るということで、制限を加えております。
 以上でございます。

志賀光法

それでは、今年度中に開設を予定されております地域SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)についても、恐らく同じように閲覧ができないのではないかと思いますが、その辺のできるかできないかということと、それから、市が設置するわけですが、やはり市の職員の方もソーシャル・ネットワーキング・サービス、地域SNSに参加してもらう方がいいと思いますが、そうした場合に、特定のSNSといいますか、地域ソーシャル・ネットワーキング・サービスだけを閲覧可能にするということはできるのでしょうか。

芥川総合政策部長

職員が関与すべきSNSに限って閲覧することができるかということでございますが、システム的にはできるということなので、そういう必要なサイトにつきましては、閲覧あるいは書き込みが可能ということにしたいと考えております。
 以上でございます。

志賀光法

何度も申し上げますけれども、地域SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の機能、可能性はいまだ無限だと思います。地域SNSのユーザーの個人情報の悪用防止など、クリアしなければならないハードルもありますが、設置者側のトラブル防止の徹底、対策をしっかりとっていただき、できるだけ早く宇部市の地域SNSを開設していただき、人だけでなく店舗や企業にも参加してもらい、市内のイベントや観光情報、また、店舗などのPR基盤に成長させ、地域コミュニティーの充実のみならず、地域活性化につなげていただき、本来の目的であります豊富な地域資源、宇部力をぜひとも発揮していただきますようにお願いをいたしまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。

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