志賀光法皆さん、こんにちは。新政会の志賀光法です。通告に従いまして、個人質問をさせていただきます。 まず初めに、平成21年7月中国・九州北部豪雨及び台風9号の大雨による災害でお亡くなりになられた皆様へ慎んで哀悼の意を表するとともに、被災されたすべての皆様に心からお見舞いを申し上げます。 また、現在もなお被災により御不自由な生活を余儀なくされている皆様の一日も早い復興を祈念いたします。 今9月議会では代表質問がありましたので、私におきましては九州北部豪雨災害について、1点に絞って質問をさせていただきます。 今回の豪雨は、7月19日から26日にかけて梅雨前線に向かって南から暖かく非常に湿った空気が次々に流れ込んで前線が活発化して起こったもので、決してゲリラ的豪雨ではなく、数年に1度訪れる気圧配置だということでした。 それによりまして、甚大な被害が発生した防府市では国道や特別養護老人ホームが土石流に巻き込まれ、多くの犠牲者が出ました。消防庁の調べによりますと、山口県内では17名の尊い人命が奪われ、負傷者26名、住宅被害は全壊30戸、半壊73戸、一部損壊が25戸、床上浸水688戸、床下浸水3,773戸と報告されています。 また、県の報告によりますと、農作物の被害額は約4億1,700万円、ハウスなどの農作物施設は約1,900万円、畜産関係で約2,000万円、農地・農業用施設で約54億9,300万円の被害が現在把握されています。 宇部市においては、21日に小野地区において、7時10分から8時10分までの1時間雨量が90ミリ、日雨量320.5ミリと宇部市における最大の雨量の記録を更新したところです。幸いにも人的被害はなかったものの、北部地域で多くの雨が降り、道路、河川、農地などにおいて多くの災害が発生いたしました。 また、26日には通称三段池、栄ケ迫ため池が決壊の恐れがあるため、北部地域だけでなく、市街地の藤山地区でも避難勧告が出されたところです。おそくなりましたが、7月の21日の災害発生時から昼夜を分かたず市役所で、出先機関で、また災害現場において対応に当たられました市職員の皆様の御労苦に心から敬意を表したいと思います。大変お疲れさまでした。現場での早急そして適切な対応、また親身になっての対応、多くの市民が感謝をしております。本当にありがとうございました。 さて、気象庁はこのたびの7月19日から26日までの豪雨について、7月27日、「平成21年7月中国・九州北部豪雨」と正式に命名いたしました。名前がつくほど記録的な豪雨であったということで、気象史に名前が残ることになりました。 また、豪雨が発生しました7月21日は、宇部市にとっても市政の歴史に残る日でもありました。6月28日の宇部市長選挙で多くの市民の皆様の御支持により県内初の女性市長となられた久保田市長の初登庁の日でありました。 公用車廃止をマニフェストに掲げられた久保田市長は、前日から続いた雨、悪天候にもかかわらず、自宅近くのバス停から公約どおり宇部市営バスを利用し市役所に初登庁されました。既に19日から公務には当たられてはいましたが、初登庁の日である7月21日、13時に災害対策本部設置という、市長として大変な船出の日、久保田市長におかれましてはさまざまな意味で深く記憶に残る1日となられたのではないでしょうか。 この日の私は、午前7時30分ごろ、かつて経験したことのない大雨に見舞われ、築60年を超える私の自宅はあっちこっちで雨漏りし始めました。妻と2人でその対応に追われていたとき、私の携帯電話へ地区住民の方から電話が入りました。電話が鳴った瞬間、悪い予感がして、そしてこれから大変な事態になるのではないかと直感したところです。その電話の内容は、ため池が決壊しそうだというもので、言葉が聞きとれないぐらい慌てた口調でしたので、私は市民センターへ向かい、すぐに対応させていただきました。結局、その日はその日のうちに自宅に戻ることはできませんでした。 冒頭申し上げましたが、その日は小野地区で1時間最大雨量90ミリ、日雨量320.5ミリを記録し、地区住民の方からの小野市民センターに初日にかかった災害関係の電話は実に111件にものぼり、土砂崩れのために孤立した集落が2集落、大規模な土石流で避難勧告が出されたところが2カ所、国道、県道は冠水、土砂崩れ、また道路崩壊で通行どめに、床上まで浸水した家屋も出て、河川や水路、農地、農業用施設も多くの災害が発生しました。 市議会議員としてではなく、消防団員として災害対応した私は、消防団員、分団を指揮する中で、刻々と変わる状況の中、正確な情報収集の難しさ、また消防団員の安全確保をどうするかなど多くの問題、課題に直面しましたが、日ごろから訓練を重ねている消防団、現場に向かわせた団員の資質、そして適切な対応をしてくれることをひたすら信じ、現場主義で現場の団員にすべてを任せました。 今回は、たまたま、また運よくけが、事故、災害に巻き込まれた団員は1人も出ませんでしたが、多くの教訓を得る結果となりました。私自身、急な水路の増水による道路冠水に見舞われるなど、災害のこわさを実感させられるなど、久保田市長同様、私にとってもこの日は決して忘れることのできない長い1日となりました。 宇部市においても、このたびの災害、多くの、また大きな被害が出ましたが、このたびの災害で得た教訓、そして出てきた課題を今後の宇部市の防災、減災への取り組みに生かしていかなければならないと思います。 そこでお伺いをいたします。平成21年7月中国・九州北部豪雨災害について、1点目、豪雨による宇部市の被災状況についてお伺いをいたします。 質問の2点目は、災害復旧への早期対応と対策についてです。このたびの災害で被災された皆様におかれましては、行政の初期の対応あるいは地元自治会などボランティアによる協働作業、また被災された方みずからの手、力で復旧、応急対応を行っておられるところです。 しかし、被害が甚大あるいは多額な費用がかかるなどの場所においては、災害発生後2カ月になろうかとしていますが、いまだに工事、応急処置すら行われることがなく、道路が完全通行どめになっているところもあり、その周辺地区住民の皆様は日常生活に大きな支障を来しているところです。 また、土石流が発生したところでは少し降った雨でも大量の水が出てくることから、台風シーズンを控え、その地区の住民の皆様は大きな不安を持っておられます。また、農地災害に見舞われた農家の方はこのままでは来年の耕作ができないのではないか、地元負担金の負担割合が大きいことなどから復旧せずにこのまま耕作放棄せざるを得ないのではないかと考えておられる方も少なくはありません。 質問の2点目は災害復旧への早期対応と対策。ア、国、県へ早期災害復旧への対応要請について、イ、職員増員配置について、ウ、農地、農業用施設の小規模災害について早期復旧のための予算確保と地元負担の軽減についてです。 以上の3点についてお伺いいたします。 質問の3点目は、安全で安心できる災害に強いまちづくりについてです。最近の日本の気象を見ると、地球温暖化の影響でしょうか、日本列島は亜熱帯化したかのようなゲリラ的な豪雨や大型で非常に強い台風がたびたび襲来するようになっています。災害を防ぐこと、防災対策には限界があります。行政としては、市民の安心と安全を脅かすような災害が発生した場合、被害防止あるいは被害をできるだけ最小限にとどめる防災、減災体制づくり、安全で安心できる災害に強いまちづくりを行うことが大切です。 道路や河川、水路については、災害が起こらないように、また大きな災害とならないように改修あるいは日ごろから適正に管理しておくこと。また、気象の予報、警報や避難勧告などの防災情報について、いかに早く、そして正確、的確に市民の皆さんに一斉に伝達することのできるシステムの構築を早急に行う必要があると思います。 質問の3点目は、安全で安心できる災害に強いまちづくり。ア、道路、側溝、河川、水路の予算確保による適正管理と改修について、イ、情報伝達のためのデジタル同報防災無線の整備について、以上2点についてお伺いし、壇上の質問を終わります。 |