H21年9月議会

1.平成21年7月中国・九州北部豪雨災害について
(1) 豪雨による宇部市の被災状況
(2) 災害復旧への早期対応・対策
  ア. 国・県へ早期災害復旧への対応要請
  イ. 職員増員配置
  ウ. 農地、農業用施設の小規模災害について早期復旧の為の予算確保と地元負担の軽減
(3) 安全で安心できる災害に強いまちづくり
  ア. 道路、側溝、河川、水路の予算確保による適正管理と改修
  イ. 情報伝達の為のデジタル同報防災無線の整備

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H21年9月議会議事録

志賀光法

皆さん、こんにちは。新政会の志賀光法です。通告に従いまして、個人質問をさせていただきます。
 まず初めに、平成21年7月中国・九州北部豪雨及び台風9号の大雨による災害でお亡くなりになられた皆様へ慎んで哀悼の意を表するとともに、被災されたすべての皆様に心からお見舞いを申し上げます。
 また、現在もなお被災により御不自由な生活を余儀なくされている皆様の一日も早い復興を祈念いたします。
 今9月議会では代表質問がありましたので、私におきましては九州北部豪雨災害について、1点に絞って質問をさせていただきます。
 今回の豪雨は、7月19日から26日にかけて梅雨前線に向かって南から暖かく非常に湿った空気が次々に流れ込んで前線が活発化して起こったもので、決してゲリラ的豪雨ではなく、数年に1度訪れる気圧配置だということでした。
 それによりまして、甚大な被害が発生した防府市では国道や特別養護老人ホームが土石流に巻き込まれ、多くの犠牲者が出ました。消防庁の調べによりますと、山口県内では17名の尊い人命が奪われ、負傷者26名、住宅被害は全壊30戸、半壊73戸、一部損壊が25戸、床上浸水688戸、床下浸水3,773戸と報告されています。
 また、県の報告によりますと、農作物の被害額は約4億1,700万円、ハウスなどの農作物施設は約1,900万円、畜産関係で約2,000万円、農地・農業用施設で約54億9,300万円の被害が現在把握されています。
 宇部市においては、21日に小野地区において、7時10分から8時10分までの1時間雨量が90ミリ、日雨量320.5ミリと宇部市における最大の雨量の記録を更新したところです。幸いにも人的被害はなかったものの、北部地域で多くの雨が降り、道路、河川、農地などにおいて多くの災害が発生いたしました。
 また、26日には通称三段池、栄ケ迫ため池が決壊の恐れがあるため、北部地域だけでなく、市街地の藤山地区でも避難勧告が出されたところです。おそくなりましたが、7月の21日の災害発生時から昼夜を分かたず市役所で、出先機関で、また災害現場において対応に当たられました市職員の皆様の御労苦に心から敬意を表したいと思います。大変お疲れさまでした。現場での早急そして適切な対応、また親身になっての対応、多くの市民が感謝をしております。本当にありがとうございました。
 さて、気象庁はこのたびの7月19日から26日までの豪雨について、7月27日、「平成21年7月中国・九州北部豪雨」と正式に命名いたしました。名前がつくほど記録的な豪雨であったということで、気象史に名前が残ることになりました。
 また、豪雨が発生しました7月21日は、宇部市にとっても市政の歴史に残る日でもありました。6月28日の宇部市長選挙で多くの市民の皆様の御支持により県内初の女性市長となられた久保田市長の初登庁の日でありました。
 公用車廃止をマニフェストに掲げられた久保田市長は、前日から続いた雨、悪天候にもかかわらず、自宅近くのバス停から公約どおり宇部市営バスを利用し市役所に初登庁されました。既に19日から公務には当たられてはいましたが、初登庁の日である7月21日、13時に災害対策本部設置という、市長として大変な船出の日、久保田市長におかれましてはさまざまな意味で深く記憶に残る1日となられたのではないでしょうか。
 この日の私は、午前7時30分ごろ、かつて経験したことのない大雨に見舞われ、築60年を超える私の自宅はあっちこっちで雨漏りし始めました。妻と2人でその対応に追われていたとき、私の携帯電話へ地区住民の方から電話が入りました。電話が鳴った瞬間、悪い予感がして、そしてこれから大変な事態になるのではないかと直感したところです。その電話の内容は、ため池が決壊しそうだというもので、言葉が聞きとれないぐらい慌てた口調でしたので、私は市民センターへ向かい、すぐに対応させていただきました。結局、その日はその日のうちに自宅に戻ることはできませんでした。
 冒頭申し上げましたが、その日は小野地区で1時間最大雨量90ミリ、日雨量320.5ミリを記録し、地区住民の方からの小野市民センターに初日にかかった災害関係の電話は実に111件にものぼり、土砂崩れのために孤立した集落が2集落、大規模な土石流で避難勧告が出されたところが2カ所、国道、県道は冠水、土砂崩れ、また道路崩壊で通行どめに、床上まで浸水した家屋も出て、河川や水路、農地、農業用施設も多くの災害が発生しました。
 市議会議員としてではなく、消防団員として災害対応した私は、消防団員、分団を指揮する中で、刻々と変わる状況の中、正確な情報収集の難しさ、また消防団員の安全確保をどうするかなど多くの問題、課題に直面しましたが、日ごろから訓練を重ねている消防団、現場に向かわせた団員の資質、そして適切な対応をしてくれることをひたすら信じ、現場主義で現場の団員にすべてを任せました。
 今回は、たまたま、また運よくけが、事故、災害に巻き込まれた団員は1人も出ませんでしたが、多くの教訓を得る結果となりました。私自身、急な水路の増水による道路冠水に見舞われるなど、災害のこわさを実感させられるなど、久保田市長同様、私にとってもこの日は決して忘れることのできない長い1日となりました。
 宇部市においても、このたびの災害、多くの、また大きな被害が出ましたが、このたびの災害で得た教訓、そして出てきた課題を今後の宇部市の防災、減災への取り組みに生かしていかなければならないと思います。
 そこでお伺いをいたします。平成21年7月中国・九州北部豪雨災害について、1点目、豪雨による宇部市の被災状況についてお伺いをいたします。
 質問の2点目は、災害復旧への早期対応と対策についてです。このたびの災害で被災された皆様におかれましては、行政の初期の対応あるいは地元自治会などボランティアによる協働作業、また被災された方みずからの手、力で復旧、応急対応を行っておられるところです。
 しかし、被害が甚大あるいは多額な費用がかかるなどの場所においては、災害発生後2カ月になろうかとしていますが、いまだに工事、応急処置すら行われることがなく、道路が完全通行どめになっているところもあり、その周辺地区住民の皆様は日常生活に大きな支障を来しているところです。
 また、土石流が発生したところでは少し降った雨でも大量の水が出てくることから、台風シーズンを控え、その地区の住民の皆様は大きな不安を持っておられます。また、農地災害に見舞われた農家の方はこのままでは来年の耕作ができないのではないか、地元負担金の負担割合が大きいことなどから復旧せずにこのまま耕作放棄せざるを得ないのではないかと考えておられる方も少なくはありません。
 質問の2点目は災害復旧への早期対応と対策。ア、国、県へ早期災害復旧への対応要請について、イ、職員増員配置について、ウ、農地、農業用施設の小規模災害について早期復旧のための予算確保と地元負担の軽減についてです。
 以上の3点についてお伺いいたします。
 質問の3点目は、安全で安心できる災害に強いまちづくりについてです。最近の日本の気象を見ると、地球温暖化の影響でしょうか、日本列島は亜熱帯化したかのようなゲリラ的な豪雨や大型で非常に強い台風がたびたび襲来するようになっています。災害を防ぐこと、防災対策には限界があります。行政としては、市民の安心と安全を脅かすような災害が発生した場合、被害防止あるいは被害をできるだけ最小限にとどめる防災、減災体制づくり、安全で安心できる災害に強いまちづくりを行うことが大切です。
 道路や河川、水路については、災害が起こらないように、また大きな災害とならないように改修あるいは日ごろから適正に管理しておくこと。また、気象の予報、警報や避難勧告などの防災情報について、いかに早く、そして正確、的確に市民の皆さんに一斉に伝達することのできるシステムの構築を早急に行う必要があると思います。
 質問の3点目は、安全で安心できる災害に強いまちづくり。ア、道路、側溝、河川、水路の予算確保による適正管理と改修について、イ、情報伝達のためのデジタル同報防災無線の整備について、以上2点についてお伺いし、壇上の質問を終わります。

久保田市長

志賀議員の御質問にお答えをいたします。
 御質問、平成21年7月中国・九州北部豪雨災害について。
 第1点、豪雨による宇部市の災害状況についてのお尋ねでありますが、本年7月21日から26日にかけて、梅雨前線の停滞による豪雨が発生し甚大な被害を受けたところであります。
 小野地区では21日の7時10分から8時10分の1時間で観測史上最高となる90ミリを観測するなど記録的な豪雨となったことから、同日9時に水防本部を、また13時には災害対策本部を設置して、全庁的な体制で災害対応に取り組みました。
 被害は特に北部地域を中心に洪水や土砂災害が多数発生して、小野、吉部、万倉地区では孤立集落等が発生するとともに、厚東川水位の急激な上昇による厚東駅前、二俣瀬木田地区などでの床上浸水、国道2号の通行どめ、また藤山栄ケ迫ため池の決壊の危険性による藤山地区の380戸を対象とした避難勧告の発令などをしたところであります。
 全市の被害状況につきましては、半壊家屋4棟、床上浸水49棟、床下浸水201棟、断水44戸、停電3,700戸、市道は107路線208カ所、河川は35河川167カ所で被害があり、またがけ崩れは84カ所、土石流2件、多数の林地崩壊が発生するとともに、農地、農業施設は635カ所の被害が確認されて、これら市道、河川、がけ崩れや耕地関係の被害額は14億3,700万円となっております。
 このような豪雨災害に対して、市では迅速な避難勧告の発令や避難所への被災者の受け入れ、道路、水道などの応急復旧に全力で取り組んだところであります。
 また、浸水地域の応急復旧に当たりましては、災害ボランティアや社会福祉協議会などの協力を得ながら、浸水家屋の消毒、ごみ、し尿回収、土砂の撤去などの生活支援にも取り組み、市民の早期の日常生活の回復に努めたところであります。現在、道路、河川や耕地関係の本格的な復旧に向けて全庁的な応援体制により取り組んでいるところであります。
 第2点、災害復旧に向けての早期対応と対策。ア、国、県へ早期復旧に向けての対応要請についてのお尋ねでありますが、本年7月の梅雨前線豪雨により、本市も北部地域を中心に甚大な被害をこうむったところでありますが、市民からの災害情報などにより現地確認を行い、道路の寸断で孤立した集落など、特に緊急を要する箇所から応急的な復旧工事を最優先に実施して、その後も引き続き、現地確認を進めて詳細な調査や測量を行い本復旧に向けて準備を進めているところであります。
 これらの災害復旧の進め方についてでありますが、本復旧を予定している箇所のうち被害額が道路、河川等公共土木施設では60万円以上、農地及び用水路、農道等の農業用施設では40万円以上など、一定の要件を満たす箇所については国の査定を受けて復旧事業を実施し、この要件を満たさない箇所については単独市費等で復旧事業を実施することとしており、これら本復旧に要する経費については、本市議会において補正予算案として提案をさせていただいているところであります。
 次に、今後のスケジュールにつきましては、国の負担金を受けて実施を予定している箇所のうち道路、河川などの公共土木施設については10月初旬までに、農地や用水路、農道などの農業用施設については11月中旬までにすべての査定が完了する予定となっており、査定完了後の国の内定通知を得て事業着手をすることになります。
 また、本市が単独実施を予定している箇所につきましては、補正予算の確定後、緊急性の高い箇所から順次、本復旧に着手してまいりたいと考えております。
 なお、このたびの梅雨前線豪雨は県内全域において甚大な被害であったことを踏まえて、国、県におかれましても、通常よりも災害査定の日程を前倒しされるなど御支援をいただいているところであり、本市としましても、1日も早く完全復旧できるよう努力してまいりたいと考えております。
 イ、職員の緊急配置等の庁内対応についてのお尋ねでありますが、今回の豪雨による災害件数は道路、河川などの公共土木施設災害で320件、農地や農道、水路などの農業用施設災害で635件の申請件数になっております。
 被害の拡大する危険性のある箇所や生活、農業活動などに大きな支障のある箇所については応急復旧するとともに、被災箇所の調査を実施して被害の規模による災害の復旧事業の仕分けを行い、8月に被害件数、被害金額などを県へ報告をいたしました。
 これらの災害の復旧事業に関する庁内体制につきましては、国の災害復旧の補助を獲得するため、災害認定に伴う資料作成について担当課だけでは到底処理することが困難なため、庁内各部から技術や事務職員の応援体制を進めるとともに、特に農地や農業用施設災害につきましては、県の農業農村事業を所管する部門より職員の応援もあわせて依頼して、楠総合支所内に災害対応班という特別チームを編成して業務に当たっているところであります。現在、9月中旬から11月中旬にかけて実施される国の災害認定審査のため、順次被害箇所の測量、調査設計や各種資料の作成を行っているところであります。
 ウ、農地、農業用施設の小規模災害について、早期復旧に向けての予算確保と地元負担の軽減についてのお尋ねでありますが、今回の農地や農道、水路などの農業用施設の災害の申請件数は635件で、このうち復旧費用が13万円以上40万円未満の小規模災害は376件となっております。
 災害の復旧につきましては、発生した年を含めて3年以内に完了することとなっておりますので、年ごとに予算の確保を行い早期の復旧に努めたいと考えております。
 また、地元の負担につきましては、宇部市農地等災害復旧事業等補助金交付規則によって、市の補助は農地におきましては50%以内、農業用施設におきましては70%以内の補助率となっており、自助、共助、公助の原則に照らし合わせて現行制度での対応を考えております。
 なお、災害復旧事業に関連して、現状ではこの制度のほかに地元負担金の軽減が図れるような方策は見当たりませんが、農業振興の観点から重要な課題でございますので、今後検討してまいりたいと考えております。
 第3点、安全で安心できる災害に強いまちづくり。ア、予算確保による道路、側溝、河川、水路の適正管理と改修についてのお尋ねでありますが、本年7月21日の7時10分から8時10分にかけて、観測史上最高となる90ミリを観測した小野地区など記録的な豪雨に見舞われた北部地域においては、道路が通行不能となり迂回路もないため、孤立した家屋が14軒発生いたしました。
 このような予想を超える雨量を記録して甚大な災害が発生する中で、被災地の日常生活の回復を第一に考えて対処したところであります。中でも、小野地区の両川においては数路線ある連絡道路がすべて被災して、その影響で水道、電気などのライフラインも寸断し、集落全体が孤立したため、一刻も早い回復に向けて早朝から夜遅くまで工事を行うなど、全力を挙げて被災箇所の応急的な復旧に取り組んだところであります。
 また、道路や河川災害を未然に防ぐという観点から、これらの施設が健全に機能することが非常に重要と考えております。したがいまして、これらの施設を適切に管理するためには地域の皆様から日常的にいただく情報も非常に重要であり、ふぐあいな点、箇所などを把握した場合には早急に対処するように努めているところであります。
 今後とも、予防の重要性を踏まえ、可能な限り予算を確保し、よりよい環境維持のため改修工事を含め、適切に管理をしてまいりたいと考えております。
 イ、避難勧告など情報伝達のためのデジタル同報無線の整備についてのお尋ねでありますが、現在のアナログ同報系防災行政無線は、営農指導と防災情報を提供する目的で昭和63年に開局しました。開局時にはこの無線は2,901局で始まりましたが、現在の利用状況は年々減少し1,909局となっております。
 この同報系防災行政無線を新たにデジタル化するには、膨大な設備投資と維持管理経費がかかることなどから、現時点ではデジタル化は困難と考えています。なお、市民への情報伝達につきましては、防災メールやFMきららを初めとする報道機関の協力、また警察、消防団などの防災関係機関の支援も得ながら、確実、迅速な情報伝達に努めているところでありますが、自主防災会との連携の強化にも取り組んでまいりたいと考えております。
 以上で、私の壇上での答弁を終わります。ありがとうございました。

志賀光法

御答弁ありがとうございました。
 それでは、自席から再質問、そして要望をさせていただきます。
 まず1点目の豪雨災害による宇部市の災害状況でありますが、今議会ではもう既に3名の議員の方が災害関係について質問をされております。市長答弁の中で、情報収集、伝達、対応の一元化あるいは情報の見える化、そして市民センターの対応力の強化、伝達体制の強化などをしっかりと検証し対応されるということを御答弁されておりますので、私のほうからは主に災害復旧に向けての再質問をさせていただくことをお許しください。
 改めて豪雨災害の被害状況を詳しくお聞きいたしましたが、改めて被害の大きさを実感をいたしております。現在、小野地区では稲刈りが行われておりますが、田んぼの中に山から地すべりした木が庭のように植わっていたりとか、あと表面を、表土がすべて流されたとこがありまして非常に大変なつめ跡を残した状況が今も目で見てわかります。
 そこで、答弁の中で1点御確認させていただきますが、藤山の栄ケ迫ため池の決壊の危険性による380戸を対象とした避難勧告を発令したとされておりますが、この日は職員の方の遅くまでの対応、そして消防団員による排水作業は大変だったと思います。本当にありがとうございます。
 そこで、お伺いいたしますが、現在の栄ケ迫ため池の状況、恐らく対応はされていると思いますが、現在の状況、そして安全確保に向けての今後の改修計画についてまずお伺いさせてください。

末次経済部長

お答えいたします。
 栄ケ迫ため池につきましては、その災害時に、栄ケ迫ため池というのは上、中、下3つと申しますか、3段のため池になっているのですが、大雨時に一番上のため池については堤体に穴があいたということで、これを緊急にV字に開削しまして水を低位に保つということをしております。
 2番目の中栄ケ迫ため池につきましては、これは平成12年に全面改修されたものでございまして、実際はここのため池の水のみで営農を計画されておられますので、その下の下栄ケ迫ため池、これは逆に農業用としては使われておらない、老朽化による危険ため池に指定されておりますので、先ほど申しました上栄ケ迫ため池のように、堤体を切開して今後水を低位に保つというような対応を考えております。現在のところ、その作業は平成23年度に行う予定でございます。
 栄ケ迫ため池の下流域には住宅団地が広がっておりますので、ため池が決壊した場合、相当な被害が予測されます。今回の上栄ケ迫の切開及び今後の下栄ケ迫ため池の切開によりまして、低位水位──低い水位で水を保てるということで、ため池決壊による危険度は低減されるものと考えております。
 以上でございます。

志賀光法

ありがとうございます。決壊という最悪の事態にならなかったこと、本当によかったと思っております。応急的な対応をして、今後の平成23年度でしたか、改修計画があるということで周辺の住民の方が安心して暮らせるように対応をよろしくお願いをいたします。
 それでは、2点目の国、県への早期復旧に向けての対応要請についてですが、現在、県道美祢小郡線についてはいまだに数箇所で完全通行どめとなっております。この道路は、吉部地区の子供が特認校制度を利用して小野中学校に通う通学路であります。現在、その道が通れないということで、細い暗い非常に危険な通学路を選択し、朝晩は中学校の教員がついて安全確保を行っているという状況であります。
 また、ことしの10月からスタートするデマンド交通についてもこの道路を通る予定になっております。また、この県道美祢小郡線につきましては、周辺市町村から、主に美祢地区から山口市へ向かう通勤道路となっております関係で、非常に多くの方が普通の生活に非常に支障を来しているという状況にあります。
 先ほど来の市長答弁の中にありましたが、現在国の査定を受けての工事発注ということで、本来ならば応急対応をお願いしたいところでありますが、応急対応にすらすごい費用がかかるような状況を知っておりますので何とも言えませんが、できるだけ早い対応を国、県へ要望していただきますようにお願いを申し上げます。
 それから、職員の緊急配置等の庁内対応についてですが、楠総合支所内に、災害対応班という特別チームを編成して行っていただいているということを大変ありがたく思っておりますが、この特別チームの編成内容についてもう少し詳しくお聞かせください。

末次経済部長

まず、耕地災害の対応について御説明します。
 災害対応班につきましては、8月17日より楠総合支所内に設置しておりまして、現在楠総合支所施設課職員が2名、耕地課職員が4名、経済部以外の本庁職員が5名、業務に当たっております。耕地災害につきましては、8月24日より県の農村整備課や県内の農林事務所から2名の応援をいただいており、総勢13名で対応しているところでございます。
 以上でございます。

古松土木建築部長

楠地区の公共土木災害におきましては、先ほど申しました楠総合支所の施設課員5名、道路河川建設課3名、土木建築部以外の本庁職員5名、計13名で業務に当たっております。
 以上でございます。

志賀光法

ありがとうございます。13名プラス13名、26名ということでしょうか。ありがとうございます。
 これから復旧工事に向けて、まだまだ測量あるいは設計、さまざまな仕事があろうかと思います。また、復旧作業が始まりましたら、現場監督なりのまた新たな仕事があるかと思いますが、これからまだまだ暑い日が続きますが、本当に地元の方に丁寧な対応、親切な対応もあわせてお願いいたしまして皆さんの仕事を頑張っていただきますようにお願いするだけですが、よろしくお願いをいたします。
 次に、小規模災害についてでございますが、今回の災害については8月25日に政令に基づく激甚災害に閣議決定が行われました。激甚災害に指定された場合、本災害、小規模災害、いろいろ国費、市費、地元負担費がかわるかと思いますが、激甚災害に指定された場合の市費あるいは地元負担率がどのようにかわるのか、わかりやすい数字でお示しください。

末次経済部長

お答えいたします。
 このたびの豪雨について、国は政令に基づく激甚災害に指定することを8月25日に閣議決定、28日に公布しております。農地等の災害復旧事業に係る補助の特別措置等をこれで適用されるということになるわけです。
 これは、復旧額が40万円以上の災害に対して適用されまして、通常の場合、農地で国が50%、市が25%、地元25%、農業用施設の場合が国が65%、市が23%、地元が12%の割合となるところでございます。これが通常の時でございますが、激甚災害に指定された場合には国の補助率が大幅に拡充されるのに伴い、市及び地元負担も大幅に軽減されるのが通例でございます。
 なお、具体的な最終の補助率につきましては国の災害の認定審査がすべて終わった時点で確定することとなりますので、今回はまだ判明いたしておりません。
 そこで、過去の事例でちょっと御説明申し上げますと、平成18年の災害において激甚災害の指定を受けました。そのときは、農地では先ほど50%と申した国の持ち分が91.5%、市、地元が先ほど25%と申し上げましたが、市、地元はともに4.25%、農業用施設につきましては先ほど65%と申しました国が96.7%、市につきましては23%が2.31%、地元12%の持ち分が0.99%という実績がございます。
 以上でございます。

志賀光法

本当に国が認めた大きな災害であったということ、激甚災害の指定は本当に国費がかさ上げされまして、地元、市費、あるいは地元負担費が軽減されることがよく理解できました。
 しかしながら、今回も300何箇所かちょっと今数字、資料が交錯しましてわかりませんが、小規模災害については激甚災害に指定されても国費は出ませんので、市の単独事業でありますので、市、あるいは地元負担率はかわらないわけでございます。災害が大きくなった40万円以上の本災害となって、災害当初は災害がひどくて、本当にお見舞い申し上げますと言われたのが、激甚災害に指定されたら、小規模災害で少なかったのが本当に大変ですね、災害が大きかった本災害はよかったですねと、本当におかしな状況になるわけです。
 今、米農家の所得がどのぐらいか、皆さん御存じでしょうか。この議場、恐らく傍聴席を含めて農地という面積単位では5畝はないですかね、4から5畝の間だと思います。この倍の広さ、通常1反、10畝、皆さんの御存じの広さで言えば300坪の農地で米づくりをした場合、どんなにおいしい米をつくろうとも、またどんなに安全で安心な無農薬の米をつくろうとも、関係機関に出荷した場合、約10万円ぐらいにしかなりません。
 そのような農地が今回の災害を受けた場合、小規模災害、約40万円の災害復旧工事が確定した場合、地元負担は20万円出さなくてはなりません。10万円しか所得が上がらない農地を抱えていて、赤字です、もちろん。それに20万円をかけて農地を復旧し、来年度以降、同じように米づくりをしようという気持ちに農家の方がなられると思いますか。恐らくこの機会を絶好の機会といいますか、言葉は悪いですが、絶好の機会と思われてその農地を耕作放棄されるか、あるいは最悪のときは離農されるか、そして離農された場合、その土地に住む必要がなくなるわけですから、その土地を離れる可能性もあります。
 答弁の中では、「農業振興の観点から重要な課題でございますので、今後検討してまいりたいと考えております」と御答弁をされております。財源をどうするかという非常に難しい問題があります。水田は、農地の持つ多面的機能、よく言われるダムの機能を有していると言われております。耕作放棄地になりましたら、その機能を損なわれ、ちょっとした雨でも大規模な災害につながる可能性があります。水源涵養機能という観点からも水源涵養基金もあります。何らかの財源を確保していただき、せめて激甚災害が指定されたときなどは小規模災害についても地元負担率の軽減をどうか考えていただきたい。
 このままでは限界集落がますますふえていき、ますます耕作放棄地がふえると思います。現在、北部地域で農業を支えておられる方は昭和1けた生まれの方です。あと10年すると、北部地域がどのような状況になっているか、その農地がどのようになっているか、非常に不安でなりません。
 県は食料自給率、これはカロリーベースではありませんが、2012年までに70%を目指すとされております。何の施策も講じないでそのままにしておけば、こんな目標は絶対に達成することはできません。
 どうか、さまざま手厚い施策を講じていただき、皆さんの川下の市民のいろんな利益が享受できる農地が持っている多面的機能を守るためにも、いろんな方策を図っていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。これは要望にしておきますので、御検討ください。

広重議長

残りあと1分ですので。

志賀光法

はい、わかりました。済みません、長々としゃべりました。
 最後の、市民の皆さんへ防災情報を伝達するということですが、現段階ではデジタル防災無線は、同報無線は難しいということを言われておりました。私は、ちょっと勘違いしておりまして、現在運用しているMCAのデジタル防災行政無線なら共有できるかと思っておりましたが、これは共有できないということで非常に残念でなりません。
 今、大手の携帯電話ではエリアメールサービスとか、さまざまな新たなサービスを構築しております。これは防災メールと違って、登録しないでいろんな情報を得るということがあります。現在ケーブルテレビも敷設が進んでおります。さまざまなことを考えられて市民の皆さんに防災情報が的確に、早急に、一斉に送れるようなシステムを構築してください。
 以上で、私の質問を終わります。ありがとうございました。

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