H19年6月議会質問項目

1.渡辺翁記念会館の緞帳の設置について
2.小・中学校児童・生徒の学力について
①本市で義務教育を修了したものが他市の子どもより学力が劣るような
   ことがあってはならないが、本市の小・中学生の学力の現状と学力
   向上対策
 ②今年4月24日に実施された全国学力テストの評価と結果の公表・活用3.公営・小・中学校のプールの施設・設備の安全管理の状況と施設の活
  用・利用上の安全対策について
①小・中学校のプールの施設と設備の安全管理の除去うと安全対策
②水泳指導の安全対策
③小・中学校のプールの開放の安全対策校

平成19年6月議会議事録

志賀光法

失礼いたします。新政会の志賀光法でございます。通告に従いまして、質問をさせていただきます。
 1点目は、宇部市渡辺翁記念会館のどんちょうの設置についてであります。
 宇部市渡辺翁記念会館は、宇部市発展の基礎を築いた渡辺祐策翁の遺徳を記念して、渡辺翁の関係した7事業各社の寄附を得て、昭和10年10月着工、昭和12年4月に竣工、そして同年7月に供用が開始されたところでございます。設計者は著名な建築家である村野藤吾氏で、村野氏の傑作として国内外に広く知られた建造物で、平成9年6月には国の登録文化財、平成17年12月には国の重要文化財に指定されるなど、宇部市の貴重な文化遺産であり、芸術・文化の拠点施設であり、またそのデザインのすばらしさだけでなく、ホールの音響効果の優秀さは全国的に知られていて、宇部市、宇部市民にとっては全国に誇れる施設であります。
 渡辺翁記念会館は、宇部興産の資料によりますと、開館当初は香川学園の創始者である香川昌子さんから寄贈を受けた西陣織のクジャクのどんちょうが舞台を飾り、来場者の目を楽しませていたそうです。しかしながら、昭和33年、昭和50年の改修工事に続き、平成6年に建築主体を中心にした大改修工事が行われ、現在のどんちょうは絞りどんちょうとなっています。絞りどんちょうは開館前、空調などの影響を受けて、来場者にとってはどんちょうの動きが気になるなど、せっかくの会館全体のよいイメージを台なしにしています。どんちょうは会館開場後、開演までの間及び終了後に長時間、来場された皆様の目に触れるものなど印象にとても残りやすく、その施設の顔とも言えるものです。
 市民の皆様はつづれ織りどんちょうの設置を望んでおられます。聞きますと、渡辺翁記念会館はことし開館70周年を迎える記念すべき年に当たるそうです。つづれ織りどんちょうの設置についてお考えをお伺いいたします。
 2点目は、小中学校児童・生徒の学力についてであります。
 我が国の教育をめぐる状況は、科学技術の進歩、情報化、国際化、少子高齢化など大きく変化するとともに、学力や規範意識の低下、なくならないいじめ、ふえ続ける自殺、不登校また給食費の未納問題などさまざまな問題、課題が生じております。このような中、政府は教育再生を最重要課題とし、21世紀の日本にふさわしい教育体制を構築し、教育の再生を図っていくため、昨年10月18日、教育再生会議を設置し、抜本的な教育改革について検討を重ねて、先日1次報告に次いで2次報告がまとめ上げられました。その内容は60年ぶりに改正された教育基本法を踏まえ、社会総がかりで公教育を再生し、教育新時代を切り開くものとしたもので、学力向上にあらゆる手立てで取り組む、ゆとり教育の見直しの具体策など、4つの柱を立て、またそれぞれに具体的な提言が盛り込まれました。関係者は、教育再生は待ったなしとの共通認識のもと、現在、かなりのスピードで教育改革が行われています。本市においても前田教育長の強力なリーダーシップのもと、スピード感を持って学力向上対策を展開していただくことを期待をしております。
 そこで、お尋ねいたします。小中学校児童・生徒についてでございます。2点ほどお伺いいたします。
 1点目は、本市で義務教育を終了したものが他市の子供より学力が劣るようなことはあってはならないが、本市の小中学生の学力の現状と学力向上対策についてであります。
 御承知のように、隣の山陽小野田市では、昨年4月から市内全13小学校において「自分の将来に明るい希望を持つ元気な子供を育てる」という目標を掲げ、百ます計算で有名な陰山英男教授の全面的な協力のもと、音読、百ます計算、漢字の書き取りを組み合わせたモジュール授業の導入と、生活習慣見直しの啓発活動の2つの取り組みを始めました。そして、これらの成果を確かめるため昨年の5月、ことしの2月、学力テストと知能検査を実施し、報道によりますと、その結果は63%の児童の学力が伸び、偏差値平均も49.9から52.1にアップした。知能指数は児童の84%が伸ばし、平均値で9ポイント上がったとし、授業を監修した立命館大学教育開発支援センターの陰山教授も、「多くの児童の学力が一定期間にこれほど上がった前例はない。知能指数も平均で110を超えるのは常識をくつがえす結果だ」と驚いたと言われております。また、ことし4月からはこの取り組みを中学校でも広げたと聞いています。
 本市で義務教育を終了したものが、他市の子供より学力が劣るようなことはあってはならないが、本市の小中学生の学力の現状と学力向上対策についてお伺いをいたします。
 2点目は、ことし4月24日に実施された全国学力テストの評価と結果の公表、活用についてであります。
 ことし4月24日に小中学校の全国一斉学力テストが43年ぶりに実施をされました。今のところテストの結果については9月に公表される予定で、国の方針としては都道府県ごとの成績まででとめるということのようで、末端についてはその教育委員会の判断に任せると報道されています。今から本市の結果が大変気になっているところです。ことし4月24日に実施された全国学力テストの評価と結果の公表、活用についてお伺いをいたします。
 次の質問は、公営・小中学校のプールの施設・設備の安全管理の現況と施設の活用・利用上の安全対策についてです。
 昨年の7月31日に埼玉県富士見市の市営プールで、小学2年の女児が吸水口に吸い込まれ死亡した事故については、皆さんの記憶に今でも残っていることと思いますが、埼玉県警は、今月、同市教育委員会の元体育課長ら関係者を業務上過失致死罪で起訴に踏み切ったところです。これまで公営・学校のプールでの事故については、体育の授業中また部活動中に起きていて、残念ですが、多くの死亡事故が発生をしています。昭和41年から平成7年までは、全国で児童生徒がプールの排水管口に体の一部を吸い込まれるなどの事故が54件以上発生し、48名が死亡、平成6年には4件、平成7年には2件発生し、当時の文部省は、平成6年に事故が多発したことなどから排水口のふたのあるなし、また固定の状況の調査、指導を行い、その結果、平成8年から平成18年までの10年間は2件の事故にはとどまっています。このような事故は安全管理を徹底していれば防ぐことができたもので、このような事故は二度と起こしてはいけません。
 宇部市においては、先日6日、黒石小学校で市内トップを切って水泳指導が始まりました。市内の他の小中学校でも順次水泳指導が始まることと思います。また、恩田プールも7月1日より利用が可能となり、最高責任者となる宇部市としては、事故が起こらないように、施設・設備について安全管理体制を徹底しなければならないと思います。そこで3点についてお伺いをいたします。
 1点目、小中学校のプールの施設と設備の安全管理の現状と安全対策。
 2点目、水泳指導の安全対策。
 3点目、小中学校のプールの開放の安全対策。
 以上で、壇上の質問を終わります。

前田教育長

 志賀議員の御質問にお答えいたします。
 御質問の1、渡辺翁記念会館のどんちょうの設置についてでありますが、渡辺翁記念会館は昭和12年の開館以来、すぐれた芸術文化の鑑賞の場や市民の芸術文化活動の拠点施設として、本市の芸術文化の向上に大きく貢献しております。これまでも多様化する文化活動に対応するため、施設・設備の改修、整備に努めてまいりました。絞りどんちょうは昭和30年代に設置され、その後昭和63年に更新し、現在でも音楽、舞踊、演劇等数多くの舞台公演に利用されているところであります。お尋ねのつづれ織りどんちょうの設置につきましては、舞台吊りものの構造上、大がかりな改修工事が必要とされることから、現状では困難と考えられます。
 次に、御質問の2、小中学校児童・生徒の学力について。
 第1点、本市で義務教育を終了したものが、他市の子供より学力が劣るようなことはあってはならないが、本市の小中学生の学力の現状と学力向上対策についてでありますが、児童生徒の学力向上を図るためには、心身の健康の維持増進とともに、基礎学力の向上に努めることが大切であると考えております。平成18年度の山口県学力調査結果によりますと、宇部市内の公立小中学校の各教科の平均は、県の平均値とほぼ同じになっておりますが、学年が進むにつれて幾分よくなっております。
 本市におきましては、心身の健康の維持増進を図るため、学校と家庭とが連携しながら「早寝・早起き・朝御飯」等の規則正しい生活習慣の形成に努めているところであります。また、基礎学力の向上を図るため、読書活動の推進、少人数等によるきめ細かな指導、小学校高学年における教科担任制を実施しております。また、平成17年度から文部科学省の研究指定校として常盤小学校と神原中学校とが、「確かな学力実践研究」に取り組んでおりますが、本年度から新たに厚東小学校が英語活動国際理解推進事業に、また万倉小学校が国語力向上モデル事業に取り組んでおります。教育委員会としましては、引き続きこうした取り組みを通して、さらに学力の向上を図ってまいりたいと考えております。
 次に、第2点、ことし4月24日に実施された全国学力テストの評価と結果の公表と活用についてでありますが、平成19年度全国学力・学習状況調査は、全国的な義務教育の水準向上の観点から、子供の学力、学習状況を把握、分析することにより、教育の結果を検証し、改善を図る目的で行われたものであります。結果につきましては、国全体、各都道府県の状況を公表するとともに、当該児童生徒に係る調査結果は本人に返すことになっております。教育委員会としましては、学校に対して、調査結果をもとに指導方法の工夫、改善を図ること、児童生徒の学習方法の見直しや学習意欲の喚起に努めること等を指導してまいりたいと考えております。
 次に、御質問の3、公営・小中学校のプールの施設・設備の安全管理の現況と施設の活用・利用上の安全対策について。
 第1点、小中学校のプールの施設と設備の安全管理の現状と安全対策についてでありますが、昨年度埼玉県内の市営プールで起きた死亡事故を受け、国から改めてプールの排(環)水口状況調査の依頼があり、プールの排(環)水口のふた等の固定と吸い込み防止金具等の設置について調査しております。その結果、小中学校35施設のうち34施設については、二重構造の安全対策が施されていることを確認しております。残り1施設については、排(環)水口のふたの固定は既にしておりますが、今回、ふた内部の吸い込み防止金具を設置し、二重構造の安全対策を施したところであります。今後とも、施設の安全確保に努めてまいりたいと考えております。
 次に、第2点、水泳指導の安全対策についてでありますが、市内のすべての学校が子供に「水泳の心得」を配付し、安全にかかわる指導の徹底を図っております。また、大半の小学校が複数の教員で指導に当たっており、安全対策上の監視マニュアルも作成しております。今後、教育委員会としましては、複数の教員による水泳指導や監視マニュアルの作成、見直しについて指導してまいりたいと考えております。
 次に、第3点、小中学校のプールの開放の安全対策についてでありますが、学校としましては監視マニュアルや「水泳の心得」などをプール日誌にとじ込んだり、看板に掲示して引率される保護者への周知を図るなど、プール開放時における安全確保に努めているところであります。教育委員会としましては、学校に対して、プール開放時における安全確保の徹底について、今後も指導してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

志賀光法

どうもありがとうございました。それでは、二、三点ほど再質問並び要望をさせていただきたいと思います。
 まず、学力についてなんですけど、答弁書によりますと、学力は基礎学力の向上だけではなく、心身の健康の維持増進も必要ということをおっしゃっています。まさにそのとおりと思います。この対応といたしまして、「早寝・早起き・朝御飯」等を学校と家庭とが連携しながら取り組んでいらっしゃるということでございますが、具体的な取り組みがありましたらお聞かせをください。

前田教育長

教育委員会といたしましては、心身の健康増進を図る上で、基本的な生活習慣を身につけることは、欠くことのできないものであると考えております。このようなことから生活を見直す1つとして、PTA連合会総会において「早寝・早起き・朝御飯」等を推進することを確認し合い、現在、具現化に向けて一緒に考えているところであります。一方、学校におきましては、昨年度から規則正しい生活習慣の形成を目指して、幼保小連携教育の推進に取り組んでいるところでございます。
 以上でございます。

志賀光法

今回の学力に対する質問は、私は隣の山陽小野田市の取り組みを例に出してお聞きをしました。教育長にとっては、私の発言が非常に耳ざわりであったと思います。そのことはちょっとおわびを申し上げたいと思います。しかしながら、私が気にする以上に、特に小学校の児童を持った保護者、特に言えば隣接している、山陽小野田市と隣接している保護者は非常に気になっております。また、関心があります。注目をしております。特に、山陽小野田市の子供さんと塾が一緒になっている方などは、実際にこの1年、学力の差が出たと実感をしているそうです。また、子供同士の話またお母さんの話を聞きまして、授業内容、それから宿題の量、非常に違いがあるということです。非常に不安を持っていらっしゃいます。できましたら同じような取り組みをしていただきたいということで、例を出してお聞きをいたしました。大変失礼いたしました。
 しかしながら、山陽小野田市さんも教育長の強力なリーダーシップのもとで、全校一斉に取り組みをされたそうです。御案内のように、国も強力なスピードで教育再生、教育改革に取り組んでおります。ぜひ前田教育長の強力なリーダーシップで学力向上対策、早急な対応ができるように取り組んでほしいという思いからの質問でありますので、どうか願いを聞き入れていただければと思っております。
 それでは、次の水泳指導についてなんですけど、監視マニュアル、またその見直しも行うということで安心をしております。しかしながら、危機管理体制をきちっととるという意味で、指導に当たられる方は、毎年、普通救命講習ぐらいは受けてほしいと思っております。繰り返して学ぶことが一番重要なことで、事故が起きたときの対応ができることと思います。
 特に、今年度からCPR、心肺蘇生が2000年度版から2005年度版に変わっておりますので、あえて今回申し上げて、お願いしたいと思っているところでございます。いわゆる15対2、心臓マッサージが15に対して吹き込むのが2回であったのが、30対2になっております。より簡素化されておりますので、ぜひこの機会をとらえて、確実に毎年1回はそういう講習が受けられるように体制を整えていただければと思います。
 また、ヒアリングでちょっとお聞きしましたけど、AEDの設置状況については学校といいますか、PTAが設置したりとかいろいろあるようでございますが、できたらこれも、AEDについては必要でありますので、財政状況が大変厳しい中でありますが、保護者に頼って設置するのはちょっとどうかと思います。責任者である市、行政が責任を持ってAEDを設置するのが当然のことだと、私は認識をしておりますので、その辺は市長の方も財務部の方も御検討をいただければと思っております。亡くしてからでは大変遅くなります。どうかよろしくお願いいたします。
 以上で、私の質問をすべて終わります。ありがとうございました。