志賀光法皆さん、おはようございます。新政会の志賀光法です。通告に従いまして、一般質問を行います。 今12月議会では、教育問題と農業問題、2点に絞って質問をさせていただきます。 まず1点目、教育問題、学力テストについてであります。 今週発売されました週刊誌の中刷りの見出しに、「数学6位から10位、科学2位から6位、読解力14位から15位。国際的な調査でも続落する日本人の学力。漢字を読まない大学生、言葉遣いはでたらめ、分析力ゼロ、この驚くべき実態を見よ」と多くの文字を使って記載をされていました。 今回が3回目となるOECD──経済協力開発機構によって実施されましたPISA──国際的な学習到達度調査結果が今月の4日に公表されました。 大体の予想はされていたものの、またも順位を下げ、成績上位国と比べ、理解力が低い層が目立ち、また学習に対する意欲や関心が最低レベルといった課題が見えるなど、残念ながら、成績の低下傾向にまだ歯どめがかかっていない状況があらわれた結果となりました。 学力の低下については、これまでさまざまなところで議論がされてきましたが、小学校から高等学校までの教育課程において、文部科学省より推奨されてきた「ゆとり教育」が原因とも指摘もされてきたところです。 そのような中、文部科学省は、ことし4月に70億円を超える巨額な税金を投じ、全国の小学6年生と中学3年生、約233万人を対象に、国語と算数・数学の2教科で全国学力テストを、また、あわせて学習状況調査を実施しました。 全員参加を前提としたテストとしては、昭和36年10月に実施されて以来、実に43年ぶりで、その結果は大きな期待と不安が複雑に交錯する中、教育関係者だけでなく、保護者を中心に多くの人々が注目をしていました。 テストは民間業者2社が採点し、当初はその結果を生かすためにも、8月末までにデータを提供する予定で作業を進めていたようですが、そのデータの多さから、解析や印刷などに手間取り、10月24日と大幅におくれての公表となりました。 その結果は、全国的に見ると、漢字の読み書きや計算などの基本的な知識は身についていたものの、応用力に課題があることが改めて浮き彫りになったところです。 山口県においても、同日、県教育委員会が発表しましたが、おおむね全国並みで、活用に関する問題については、正答率が低く、昨年と一昨年に実施した県の学力調査結果と同じ傾向となったところです。 各市や町、学校にも結果が届けられていますが、県内の市や町の教育委員会は、結果の公表は今のところしない方針であることも同時に明らかにされたところです。 宇部市についても、この調査は4月24日に実施されましたが、宇部市での実施状況はどうであったのか。また、結果として、正答数の分布状況と設問別の正答率は、全国また山口県の状況と比較してどうであったのか。また、同時に調査された学習環境と学力の調査結果について、相互関係が見られたのか。それに、読書活動など、これまで宇部市が取り組んできた学力向上施策の成果が出ていたと評価しているのか。また、結果の公表はどうするのか。また、調査結果の検証はどのようにされ、今後、学習指導にどう生かしていくのか。また、児童生徒それぞれに結果を記した個票はどのように配布されたのか。気になることばかりです。 そこで、お伺いいたします。 質問1、ことし4月に実施された全国学力・学習状況調査について、宇部市の実施状況、調査結果、調査結果の公表、調査結果を受けての対応についてどのようにされるのか、お考えを伺います。 2点目は、農業問題です。 2005年の農業センサスによれば、耕作放棄地は全国で38万6,000ヘクタールあり、それは実に耕作面積の8%に相当し、食料自給率が40%と主要国中最低とも言える状態だというのに、国内の農地の8%も使用していない状況です。 また、平成18年農業資源調査によると、農業上重要な地域である農振地域内に15万3,000ヘクタールの耕作放棄地が存在することも明らかにされたところです。 世界の食料事情を見てみますと、バイオ燃料の利用拡大や人口増などで世界の食料自給が逼迫するおそれがあり、農業白書でも、食料自給率向上のために日本型食生活を見直す一方で、国内農業の足腰を強めることに全力を挙げるべきと主張されています。 そうした中、ことし6月に閣議決定された経済財政改革の基本方針2007、いわゆる骨太の方針07では、5年をめどに農振地域を中心に耕作放棄地ゼロを目指すとの文言が入りました。耕作放棄地解消が、政府挙げての取り組むべき大きな政治課題となったところです。 さて、宇部市の農業、農地の状況はと言いますと、農業の担い手の高齢化、担い手不足、米の価格の下落、そして収入激減、後継者難、そして耕作放棄地へと、農業が──特に水田農業が悪循環に陥っています。今、北部地域の農業を担っているのは、65歳以上の高齢者がほとんどです。今3月議会で限界集落というとらえ方で北部地域対策を取り上げましたが、北部地域は農地を守ることが今限界に来ています。あと10年もすれば、彼らが耕作している農地は一体どうなるのでしょうか。大変心配でなりません。 また、ことしは秋の少雨で、厚東川ダム、小野湖の水位も8年ぶりに30メートルを切ろうとしています。農地は、洪水予防や水源保全など、多面的機能を有していて、第2のダムとも言われています。耕作放棄地解消は宇部市にとっても最重要課題と思います。 そこで、お伺いいたします。 質問2、宇部市の耕作放棄地の状況と耕作放棄地解消計画の策定についてどのようなお考えがあるか、お伺いいたします。 以上で、壇上の質問を終わります。
藤田市長志賀議員の御質問にお答えをいたします。 私の方は、御質問の第2であります。宇部市の耕作放棄地の状況と耕作放棄地解消計画の策定についてでありますが、近年、農業従事者の高齢化や後継者不足、農産物価格の低迷などにより、年々耕作放棄地が増加し、現在、本市の農業振興地域における耕作放棄地は200ヘクタールを超え、今後も増加することが懸念されております。 国の経済財政改革の基本方針2007において、耕作放棄地の解消が明記されたことを受け、本市では、本年6月に農業振興地域における遊休農地解消計画を策定したところであり、耕作放棄地の発生防止、解消を図るため、植林転用や特定法人貸付事業を活用した企業の農業参入の推進、農用地借受奨励助成金等を活用して、認定農業者等に農地の集積を図るなどの活用方策を掲げているところであります。 特に、特定法人貸付事業を活用した企業の農業参入は、これまでに3社の企業が参入し、約7ヘクタールの耕作放棄地の解消につながったところであります。 また、現在、本市の農業委員会が、耕作放棄地のより正確な実態を把握するため、地図上に耕作放棄地の位置等を整理する作業を行っているところであり、今後も関係機関と連携して、耕作放棄地の発生防止、解消を図るための有効な方策を検討、実施してまいりたいと考えております。 以上で、私の壇上の答弁を終わります。
前田教育長志賀議員の御質問にお答えいたします。 御質問の1、ことし4月に実施された全国学力・学習状況調査について、宇部市の実施状況、調査結果、調査結果の公表、そして調査結果を受けての対応についてでありますが、本年4月24日、市内の小学校6年生1,605名、中学校3年生1,430名を対象に、全国学力・学習状況調査を実施したところであります。 宇部市の結果を全国や県と比較してみますと、中学校の国語、数学の平均正答率は、国語の「活用」に関する問題を除き、ほぼ上回り、小学校では、国語、算数ともに山口県とほぼ同程度で、全国よりわずかに下回っております。 また、「知識」に関する問題では、相当数の児童生徒が理解しており、基礎・基本を重視した学習の展開や少人数等によるきめ細かな指導の成果があらわれていると考えられます。しかし、「活用」に関する問題では、課題が見られるところであります。 生活習慣と学力との関係につきましては、基本的な生活習慣等が定着している子供ほど、国語、算数・数学の平均正答率が高い傾向にあります。 次に、宇部市全体の数値の公表につきましては、市町間の序列化や過度な競争が生じるおそれがあること、また、このことによって、今後、調査が適正に行われにくくなるなどの可能性が考えられることから、公表しないこととしております。 現在、教育委員会におきましては、結果を分析し、改善策について検討しているところであります。また、学校に対しましても、結果を分析し、改善策を検討するようお願いしております。その後、各校から提出された改善策を取りまとめ、市の改善策とともに、市内小中学校へ提供する予定であります。 児童生徒への調査結果の個票の返却につきましては、子供に励ましの言葉などを添えて返却しております。保護者に対しては、学校全体の結果分析と改善策についてお知らせすることとしております。 今後、さらに学力の向上を図るため、小学校においては、教科担任制の推進、中学校においては、すべての子供がともに学び合い、課題を解決していく授業を目指して、東京大学大学院教授の佐藤学先生の理論を踏まえた「学びの創造推進事業」に力を入れていきたいと考えております。あわせて、PTAの協力のもとに、家庭学習の習慣化を図ってまいりたいと考えております。 以上でございます。
志賀光法ありがとうございました。それでは、自席より再質問、要望をいたします。 まず、前田教育長にお伺いいたします。 学力テストの結果の公表についてであります。御答弁によりますと、宇部市全体の数値の公表については、市町間の序列化や過度な競争が生じるおそれがあること、また、このことにより、今後、調査が適正に行われにくくなるなどの可能性があるとの理由で、公表をしないということですが、大阪府枚方市が平成15年、16年に実施した独自の学力テストで、学校別成績を開示しないことの是非が問われた裁判では、大阪地裁、高裁とも開示すべきだとの判断を示し、市教委は応じざるを得なくなったという事例もあります。 情報公開請求が出た場合など、教育委員会としての対応はどのようにされるのか、お伺いをいたします。
前田教育長情報公開請求があったときどうするかということについてでございますけれども、宇部市情報公開条例第7条の6、7の規定により、本市の学力調査結果の数値については、非公開情報として取り扱いたいと考えております。 以上でございます。
志賀光法残念でなりません。ちょっと、もう少し深く再質問させてください。 アカウンタビリティー──説明責任という観点から、ちょっと質問させてください。 子供一人一人の結果である個票については、既に子供たちに励ましの言葉を添えて返却されているということで、実際テストを受けた子供、そして保護者、教員、学校については、説明責任が果たされたと思います、そのことでですね。 しかし、学校の結果を公表しないということは、保護者に対して、またその校区住民に対して、そして市全体の数値を公表しないということは、市民に対して説明責任が果たされていないと私は思っておりますが、もう一度、何度も聞いて申しわけありません。数値の公表を詳しくできないか、お伺いいたします。
前田教育長数値についてでございますが、このたびの調査の目的が、教育施策の成果と課題を把握し、改善を図ることであることから、数値の公表によって市町間の序列化や過度な競争が生じるおそれがあること、また、このことによって、今後、調査が適正に行なわれにくくなるなどの可能性が考えられることから、数値の公表は避けたいと考えております。
志賀光法2月中旬をめどということですが、本当に卒業が間近でございますので、文科省の結果の公表もおくれたこともありますけど、できるだけ早い公表といいますか、改善策を出していただきますようにお願いいたします。 それでは、続いて質問させていただきます。御答弁によりますと、今後さらに学力向上を図るため、小学校においては、教科担任制の推進、中学校においては、すべての子供がともに学び合い、課題を解決していく授業を目指して、東京大学大学院教授の佐藤学先生の理論を踏まえた「学びの創造推進事業」に力を入れたいという御答弁でしたが、この学びの創造推進事業とはどのような事業なのか。また、これまで宇部市の取り組み状況があるのか。また、今後どのように展開をしていくのか、全市的に行っていくのか、そのあたりをお伺いいたします。
前田教育長学びの創造推進事業についてでございますけれども、一斉授業じゃどうしてもついてこられない子供がおりますが、そうした子供を一人も出さないようにするために、授業改善を図るのがこの事業でございます。 現在、常盤中学校は、佐藤先生の理論を踏まえた取り組みを自主的に進めておりまして、この中学校の公開授業の折には、市内外の教員が多数参加しているとこでございます。 今後、常盤中学校を中心に、他の3中学校、これを拠点校にして本事業を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 |