志賀光法皆さん、こんにちは。新政会の志賀でございます。通告に従いまして、一般質問をさせていただきます。 まず初めに、台風13号の襲来によりまして、市役所で、また出先機関で対応されました市のすべての職員の皆様に対しまして、その御労苦に心から敬意と謝意を表したいと思います。大変お疲れさまでした。 今回の台風13号は、九州各地で、また広島で甚大な被害を発生させました。報道の内容等によりますと、9名もの尊い人命が、安全だと思っておった自宅で、また屋外で、一瞬のうちに奪われてしまいました。改めて災害の怖さを実感したところです。この災害で命をなくされた皆様の御冥福をお祈りするとともに、被災された多くの皆様に、心からお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復旧と被災者の皆様の生活が平穏なものに回復することを心からお祈りいたします。 今日、人が簡単に殺害されたり、飲酒などの重大な過失による交通死亡事故、また災害に突然巻き込まれたりと、テレビから流れてくるニュースは耳をふさぎたくなるものばかりです。なぜ同じような事件、事故、災害が突然、また連鎖的に起こるのでしょうか。今日、いつどこで事件、事故、災害に巻き込まれることになるかわかりません。自分の身を危険から回避するには、どのようにすればよいのでしょうか。自分の身は自分で守る、しかし自助にも限界があります。 今9月議会で、私は、市民の安心・安全をキーワードに、3項目について質問させていただきます。 1点目、災害に備えた情報システムの構築と充実についてです。 一昨日、この10年で最大級と言われた台風13号は、平成3年に日本全国に被害をもたらした台風19号、いわゆるリンゴ台風と同じ規模、ほぼ同じ進路をたどることが予想され、最高レベルでの警戒が必要でした。宇部市としては、17日日曜日午前12時に災害対策本部を設置し、平成11年の台風による高潮被害地域に避難勧告を、そして厚南、藤山、黒石校区に避難準備情報を出しました。宇部市は台風通過の東側となるために、風の被害の発生を危惧されていました。人的被害は、今のところ、わかっているところでは軽傷者1名と少し安堵しているところですが、今回も暴風により最大時3万6,209戸と大規模な停電となり、その後も復旧に長時間を要し、いまだに復旧してないところもあり、多くの市民の生活に多大な影響を及ぼしたところです。 昨日は、中国電力に電話がつながりにくかったためか、私のところにも苦情の電話が入りました。家に病人がいるが、医療器具が使えなくて困っている。在宅介護しているが、停電はいつまで続くのか。また、オール電化したばっかりに大変困っているなどです。今、多くの宇部市民が、災害に強いまちづくりを強く求めているところです。 最近の日本の気象は、地球温暖化の影響でしょうか、日本列島が亜熱帯化したかのようなゲリラ的豪雨や大型台風による被害が多発しています。ことしの7月15日から24日にかけて列島各地を襲った集中豪雨は、まさにすさまじく、北信越から九州南部にかけて9府県と広範囲に多くの人的・物的被害を出すなど、すさまじいつめ跡を残しました。一連の大雨を、気象庁は「平成18年7月豪雨」と命名しました。甚大な災害に名前がつけられるのは、後世への警鐘のためで、私たちもその教訓を学び取らなければなりません。この7月豪雨では、さまざまな問題点が指摘をされております。 そこで、まず質問に入る前に、3点ほど市の早急な対応をお願いいたします。 1点目、この7月豪雨で目立ったのが土砂災害です。家はおろか集落ごと覆い尽くす土砂崩れ、住宅や車を飲み込む土石流などが相次ぎました。土砂災害の多発は、森林の荒廃や地形的な要因などが指摘されますが、その一方、危険箇所として指定されていなかった地域でも、宅地開発等の影響と見られる土砂崩れが発生しています。これを契機に、今、自分たちの居住地域の状況を改めて自分が点検しておく必要がありますが、行政として市内全域を再点検していただき、市民の生命、財産を守るために、新たな危険箇所の指定について御検討をお願いいたします。 2点目、7月豪雨で甚大な被害を受けた長野県岡谷市では、上の原小学校が避難箇所と指定されていましたが、その学校の裏で土石流が発生し、体育館などに土砂が流入いたしました。当時、この付近に避難勧告の指示は行われておらず、避難場所として使用はされていませんでした。また、児童の使用する時間帯でもありませんので、たまたま今回は悲惨な結果を生じることはありませんでした。宇部市でも、避難箇所の安全性について再点検をお願いいたします。 3点目、7月豪雨では行政の警戒対応が後手に回ったり、情報伝達が不徹底だったケースもありました。出雲市では、車で避難に向かった70代の夫婦と15歳の孫の乗った車が濁流に飲み込まれ、3人とも死亡しました。また、鹿児島県大口市でも、86歳の女性が避難途中に、道路にはんらんした濁流に飲まれて死亡いたしました。被害軽減行動と避難がイコールとは限らないという難しい現実が露呈した気がいたしますが、行政は避難が空振りになることを恐れず、人命第一に、迅速な避難勧告を発していただきますようにお願いをいたします。 以上、3点について、まず市の対応をお願いしたところです。 大変前段が長くなりましたが、それでは本題に入ります。 現在、気象予報技術はかなり向上しているとは思いますが、今回の7月豪雨のように、100ミリ近い1時間雨量、500ミリ級の2時間雨量などに見舞われると、どこで災害が起きてもおかしくなく、行政が被害や危険を把握し切れない場合も出てきます。急な災害時には、自分の身は自分で守るのが防災の基本です。しかしながら、自分の身をみずからが守るにしても、市民が判断できる正確な情報の伝達があって初めて、自分の身をみずからが守ることができるものです。災害に備えた情報システムの構築が重要であると思います。 防災情報システムとしては、戸別受信方式の同報無線は、大雨などで窓を締め切っているときでも伝達効果が高く、広範囲に住民に緊急一斉通報する機能の観点から、ほかのメディアに比べるとはるかに有効性が高いため、今後一層の整備を図っていく必要があると思います。 また、宇部市地域防災計画の中では、避難勧告・指示の伝達については、地域防災無線、広報車、報道機関の協力など、あらゆる広報手段を通じ、または直接住民に対し周知する。情報の伝わりにくい高齢者、障害者などへの伝達は、特に配慮するものとすると記載されていて、現在、宇部市では防災情報の提供、防災メール、またホームページ上でも行っています。 ことしの7月豪雨で多くの被害を出した長野県内は、同報無線は97%以上の整備状況と、全国でも最高レベルでした。また、その中でも岡谷市は、防災メールを緊急情報メールとして2003年ごろから運用して、同報行政無線とあわせて防災情報システムの整備状況はかなり高レベルでした。しかし、今回の7月豪雨では何らかの理由があったのでしょうか、防災情報、避難勧告などの伝達がうまくいかなかったようです。 宇部市においては、防災情報の伝達に有効なツールとして、防災メール、ホームページをさらに運用、機能を充実させる必要があると思います。 そこで、お伺いをいたします。 1、防災行政同報無線の戸別受信機の整備状況と今後の整備計画、また、簡易受信機(携帯ラジオ型)の配布はできないか。 2、宇部市地域防災計画の中での避難勧告・指示の伝達について、防災行政同報無線、防災メール、宇部市のホームページの位置づけと運用、そしてさらなる運用、機能の充実についてお伺いをいたします。 2点目は、ハチの駆除事業、防御服の貸出事業です。 最近、人の生活圏にスズメバチなどの攻撃性の強いハチが生息するようになり、山間地だけでなく、市街地、住宅地でもハチによる殺傷被害が増加しています。この要因としては、丘陵地の宅地化によるスズメバチと人間の生活圏の重なり、雑木林の荒廃や植林による生息適地の減少、またジュースなどの空き缶の放置がハチの成虫の炭水化物源となる、また天敵が少ないことなどが挙げられます。特に、スズメバチ類は、巣をねらうクマに対抗するために、強い攻撃性と鋭い針に強力な毒液を持っています。スズメバチによる被害は、巣が急激に成長する7月から10月に集中し、特にこの時期が一番危険で注意が必要です。 宇部市でも、昨年の10月2日に開催されました宇部市民ハイクでは、平原岳登山中にスズメバチの殺傷事故がありました。そのときは、たまたま近くにいた市の幹部職員、またいち早く平原岳の中腹まで駆けつけた消防署の救急隊員の初期対応とドクターヘリの運用、そして主催者である教育委員会の幹部職員の適切な初期対応とその後のフォローにより、被害に遭われ、特に重症であった方は入院治療は受けられたものの、幸いにも大事には至りませんでした。このことは、今でも宇部市のホームページ上で過去の災害情報として記載され、またその中でスズメバチの危険性、その対応についても記載をされております。ことしは特に、家の軒下、庭木、植え込みの中にハチが巣を多くかけています。それもわかりにくい、低い場所に巣をかけている等の情報もあります。このようなことから、ハチを退治、駆除するなどのときではなく、通常の日常生活において、ハチの殺傷被害に遭う危険性があります。また、1度刺されたことがある人は抗体ができ、2度目に刺されると生命の危険がさらに増すという怖さもあります。 過去、宇部市内においてスズメバチの殺傷被害の報告は多数あり、また死亡事例もあります。昨日も、栃木県で84歳の女性がオオスズメバチに100カ所以上も刺され、死亡するという事件も発生しました。報道によりますと、日本全国で毎年20人から30人の方が、スズメバチの殺傷により死亡されているとのことです。スズメバチの巣を駆除するには、専門的な知識や危険防止のための防具が必要になりますので、専門の駆除業者に依頼するとかなり高額な費用がかかります。 市民の安心・安全のため、市民を危険をさらさないためにも、ハチの駆除事業ができないか、またハチの防御服の貸出事業はできないか、お伺いをいたします。 3点目、子供の登下校の安全対策として、路線バスの活用と利用者への助成制度の創設、できれば無料化をについてです。 ここ数年、何も罪のない、いたいけな幼い子供の尊い命がいとも簡単に奪われるという、子供たちを巻き込んだ犯罪が多発しています。このような悲惨な事件はあってはならないことで、保護者を初めとする肉親の気持ちを考えると心が痛んでやみません。政府は、このように多発する子供たちを巻き込んだ犯罪への対応として、昨年12月20日に、登下校時の安全確保のための緊急対策6項目を策定し、関係機関に3月までに具体的な対策を講じるよう指示を出しました。平成18年度予算についても、子ども安心プロジェクトの充実として、昨年度の10億2,045万3,000円から2.5倍の25億9,226万2,000円の予算をつけ、犯罪から子供を守ることは国にとって重要な課題として、躍起になってあらゆる対策をとっています。昨年12月に策定されました登下校時の安全確保のための緊急対策6項目の中に、路線バスを活用した通学路の安全確保についてという項目がありますが、これは地域の路線バスをスクールバスとして活用する方策を早急に検討し、対応が整った地域から順次導入できるよう環境整備を図るという内容のもので、環境が整えば、路線、停留所などを含めて国土交通省などへの所定の手続が省略され、また、かかった費用に対しましても交付税措置などの財政的な支援などのメリットがあります。 ここ数年、子供が巻き込まれる犯罪が続発する中で、子供の登下校の安全対策は不審者対策に大きく移行してきていますが、それ以前は、子供の登下校安全対策といえば交通安全であり、事故防止対策が大きなウエートを占めていました。現在、登下校において、交通に対する安全対策が完全に確保されているわけではありません。特に最近では、飲酒運転また無謀運転などの重大な過失による交通死亡事故が多発しております。 宇部市内においては、朝の通勤時間には主要道路の交通渋滞により、通学路に、また狭い住宅宅地内の道路まで通勤者が入り込んだり、また子供は通学路が狭隘で歩道もないところを登下校しているなどの危険な実態があります。道路事情が悪く、交通事故に遭う危険性のある通学路の安全対策として、路線バスが活用できたらと思います。将来を担う子供の登下校時においていかに安全を確保するかは、宇部市にとって極めて重要な課題です。子供の登下校の安全対策として、路線バスの活用と利用者への助成制度の創設、できれば無料化できないかお伺いをいたしまして、壇上の質問を終わります。 |