H18年12月議会質疑項目

議案第122号宇部市消防団条例中一部改正の件  
1.消防団の必要性、重要性に関して、また、役割について、市はどのよう
  に考えているのか。
2.宇部市消防団宇部消防団の実情、団員の平均年齢と被雇用者率、定
  員の充足率について。
3.宇部消防団の定数560人から520人への減員案だが、平成17年6
  月に消防整備指針として消防力の基準が改正されたが、それとの整合
  性と定数に関する市の基本的な考えと減員の明快な理由について。4.本条例改正案の楠消防団との合併協議における位置づけと新協議会
  開催の時期・見通しについて。
5.方面隊制導入の理由と役割について。

平成18年12月議案質疑議事録

志賀光法

皆さん、おはようございます。本日は御足労いただきましてありがとうございます。皆さんに御負担をおかけしましたこと、心からおわびを申し上げます。
 通告に従いまして質疑をさせていただきます。
 議案第122号宇部市消防団条例中一部改正の件について質疑をいたします。
 消防団は、本業を持ちながら、自分たちのまちは自分たちで守るという崇高な消防精神のもと、地域の安全と安心を守るため、消防・防災に関する知識や技術を習得し、火災発生時における消火活動、災害発生時における救助・救出活動、警戒巡視、避難誘導、災害防御活動に従事し、平常時においても訓練のほか広報活動に従事し、地域活動にも積極的に参加し、地域における消防力・防災力の向上において重要な役割を担っています。
 また、消防団は、常備消防の数倍の要員動員力を有していることから、最近の地球温暖化の影響などによる局地的な豪雨、毎年上陸するようになった大型台風、また、竜巻、地震などによる災害発生時においては、さらに重要な役割を果たすことができます。阪神・淡路大震災での消防団の活躍は、まさに目覚ましいものがありました。
 しかし、社会環境の変化を受けて、消防団は、団員数の減少やサラリーマン化、高年齢化等、さまざまな問題を抱えています。全国で200万人いた消防団も、ことし4月現在では90万361人と、90万人を割ろうとしています。
 そうした中、消防庁では、平成15年12月の消防審議会答申を踏まえ、消防団員数を全国で100万人以上、うち女性消防団員数10万人以上を確保することを目標とし、消防団の充実強化、活性化を一層推進するため、各種施策を実施しています。
 また昨年、平成17年6月13日に、これまでの消防力の基準の一部を改正し、消防の施設、人員について示していた「消防力の基準」を「消防力の整備指針」とし、市町村が消防力の整備を進めるに当たっての単なる目安というものではなく、この指針を整備目標として、地域の実情に即して具体的な整備に取り組むことが要請されるとし、特に消防団員の総数の決定に当たっては、地域の建物火災に対応する消防力や大規模な災害時等における避難誘導及び消火活動等に必要な消防力を反映した数値指標に加え、市町村が考慮すべき地震、水害等の災害発生の危険性等の地域特性を明記いたしました。
 また、宇部市は現在、宇部市国民保護計画を策定中ですが、消防団の行う業務として、武力攻撃、災害時における国民の保護に関する業務を新たに追加しています。
 また、昨年7月14日に、各都道府県知事あてに消防庁長官名で「消防団員の確保のさらなる推進」という通知が出されています。その通知の第6で、「今後の市町村合併に伴い、消防団員の条例定数を見直す場合は、地域の消防・防災力を向上させるための団員数を確保する方向で検討され、条例定数を減らすことのないよう十分に配慮願います」とされています。そして、山口県の県議会の総務企画委員会では、消防団員の減少を食いとめるために、女性や大学生にも入団を働きかけるとの意向も示しています。
 このような国・県を挙げて消防団員の確保を必死にしている中で、このたびの宇部市消防団員定員減員案を含んだ消防団条例中一部改正案に、市長、消防長の消防団の必要性、重要性の認識がどのようなものか伺いたく、質疑をいたします。
 1、消防団の必要性、重要性に関して、また、役割について、市はどのように考えているのか。
 2、宇部市消防団宇部消防団の実情、団員の平均年齢と被雇用者率、定員の充足率について。
 3、宇部消防団の定数560人から520人への減員案だが、平成17年6月に消防整備指針として消防力の基準が改正されたが、それとの整合性と定数に関する市の基本的な考えと減員の明快な理由について。
 4、本条例改正案の楠消防団との合併協議における位置づけと新協議会開催の時期・見通しについて。
 5、方面隊制導入の理由と役割について。
 以上で、壇上での質疑といたします。明快な御答弁をお願いいたします。

藤田市長

ただいま議題となりました議案に対する質疑につきましては、慣例に従いまして、助役ほか関係説明員から答弁をいたさせますので、よろしくお願いいたします。

岩本副市長

議案第122号宇部市消防団条例中一部改正の件について、志賀議員の御質問にお答えいたします。
 御質問の1、消防団の必要性、重要性に関して、また、役割について、市はどのように考えているのかについてでありますが、消防団は、消防組織法に基づき、宇部市が常備消防とともに設置した機関で、常備消防と連携して火災の警戒及び鎮圧、風水害など自然災害の防御及び被害軽減の活動に従事しております。
 その構成員である消防団員は、日常は各自の職業に従事しながら、消防活動が必要な都度出動し、地域の安全・安心のため活躍しているもので、郷土愛護の精神に基づき危険度の高い現場活動の任務に当たっていることは、崇高で究極的なボランティアとして、地域に欠かせない非常に重要な役割を担っているものと考えております。特に消防活動に多数の人員を要する大規模火災や風水害、地震などの自然災害の際には、常備消防の活動に加え、消防団の役割がより一層重要になるものと考えております。
 次に、御質問の2、宇部市消防団宇部消防団の実情、団員の平均年齢と被雇用者率、定員の充足率についてでありますが、宇部消防団は、1本部11分団で組織され、定員は560人、実員は539人となっております。団員の平均年齢は46歳で、山口県平均より2歳上回っております。被雇用者率は74%で、山口県平均より3%高くなっております。また、定員の充足率は96%で、山口県平均より2%上回っております。
 次に、御質問の3、宇部消防団の定員560人から520人への減員案だが、平成17年6月に消防整備指針として消防力の基準が改正されたが、それとの整合性と、定数に関する市の基本的な考えと減員の明快な理由についてでありますが、宇部消防団は1本部11分団600人体制から、宇部・楠の自治体合併時に定員560人となったところでありますが、地域の消防・防災の対応は、常備消防と消防団の総合力と考えております。
 定員520人と消防整備指針の整合性についてですが、地域の消防・防災の対応は総合力との見地に立って指針中の必要筒先数の基準で算出すると、宇部消防団の定員は約520人となります。また、過去の市内の大規模火災等、災害出動実態からも、定員520人で支障を生ずることなく対応できる水準であると考えております。
 次に、御質問の4、本条例案の楠消防団との合併協議における位置づけと、新協議会開催の時期と見通しについてでありますが、合併協議の中で消防団の組織、区域、報酬等については、新市移行後も当分の間、現行どおりとし、随時調整するとされており、3年を一つのめどとして調整しているところであります。
 この統合に係る調整、協議を計画的かつ円滑に進めるため、本年11月に、宇部・楠の消防関係の取り扱い、統合に係る協議会を設置したところであり、できるだけ早期に協議会を開催したいと考えております。また、本条例改正案は、その協議における有力な《要素》(《 》は206ページで訂正)の一つになるものと考えております。
 次に、御質問の5、方面隊制導入の理由と役割についてでありますが、消防団活動は、団長の指揮命令のもと、各分団単位で活動し、管轄の分団長が現場の指揮をとることが通常となっております。
 一方で、近年、災害の大規模化、複雑化、多発化等への対応が重要となってきており、常備消防と連携強化の推進や複数分団単位での活動、さらには、全分団での活動局面も想定されているところであります。
 このような分団を超えた活動に備えるためには、常備の消防署及び消防出張所を一つのブロックとする複数分団の連携体制を構築することが必要であり、また、各消防署所の管轄区域には地域ごとの特性もあることから、その地域性や独立性を生かした活動も可能となることから、常備消防署所を単位とした方面隊制を導入し、副団長格の方面隊長を配置しようとするものであります。
 以上で、壇上の答弁を終わります。

岩本副市長

ただいま質問の4のところで、「有力な素案の一つになる」ということで、「要素」というふうに私申し上げました。「有力な素案の一つになる」ということで、訂正しておわび申し上げます。

志賀光法

どうもありがとうございました。若干の自席からの再質疑をさせていただきます。
 本条例改正案につきましては、大変失礼な言い方を申し上げますと、来年度予算に対応するための場当たり的な対応ではないかと、当初思ったわけでございます。
 そこでお尋ねいたしますが、本条例案では、年報酬が本部長、分団長の4,500円の減額を省いては、ほかはすべて増額でございます。また、手当につきましては、出動手当が600円の増額、訓練手当が1,400円の減額、講習手当が3,400円の減となりますとともに、定員の40人の減員案ですが、本条例改正案で来年度予算でどのようになるのか、多分減額になるとは思うんですが、わかりやすい数字としてパーセントで答えていただければ大変よくわかりますので、よろしくお願いいたします。

矢野消防長

宇部消防団、これからの消防団のあり方として、より活動する消防団、これを目指しております。そういうことを確認してございますけども、そのことを織り込んだ上での比較で申しますと、報酬、費用弁償合わせて3.3%の減少率になろうかと、こういうふうに見込んでおります。

志賀光法

ありがとうございます。
 それじゃあ次に、山口県では平成の市町村合併が大変進みまして、56市町村から22市町になりました。
 そこで、お尋ねいたしますが、消防団の合併の状況、定員の状況についてお伺いいたします。

矢野消防長

県内56市町村が22市町になったわけでございます。消防団は、この56消防団が23消防団になっております。宇部市が2つということでそういうことになっておりますけども。
 あわせて、県内の消防団の合併時における定員ですけども、合併前の平成15年4月時点で1万5,251人、県内消防団員、それが本年10月現在で1万4,950人、301人の定員減となっております。
 以上でございます。

志賀光法

ありがとうございます。
 それでは次に、本条例改正案の楠消防団との合併協議における位置づけということでお尋ねした御答弁の中で、楠消防団との合併に向けての協議における有力な素案と答弁をされましたが、有力な素案というのはどういうことなのか。また、消防団の合併協議において、宇部消防団の定員減が盛り込まれたのか、お伺いいたします。

矢野消防長

有力な素案ということでございますけども、現在の財政状況も踏まえまして、できるだけ合理的な根拠に基づいて報酬、費用弁償を整理させていただきました。またあわせて、消防団活動で各地域の特殊性というか、独立性というか、そういうものにも配慮させていただきました。そういう面からして、新しい協議会でも十分に協議、検討の対象になり得ると、こういうように考えております。
 それから、今回の定員減と合併協議との関係でございますけども、合併協議の中で定員減について協議がなされたものというふうに認識をしております。

志賀光法

ありがとうございました。
 それでは次に、本条例案では方面隊制を導入されましたわけですが、今後、団員の確保がさらに難しい状況が近づいてくると思います。そこで、全国で今検討されております機能別消防団員、山口県が提唱しております学生や女性消防団員の導入についてはどのように考えておられるのか、お伺いいたします。

矢野消防長

先ほど議員さんが申されましたように、国・県から90万人を100万人にというふうな、消防団員ふやせといった要請もございます。また、整備指針の水準、これからいたしましても、今回の条例定員700名──これは楠が180、宇部が520ということで700名ですが、この数字は今後も維持すべきものと、こういうように認識をしております。
 一方で、団員確保がやっぱり難しくなってきております。消防団活動の全部ではなくて、一部の機能のみを任務、役割とするような機能別分団員、これは学生さんだとか女性だとかに多いわけですけども、それについては、やっぱりそういった状況から、今後大いに注目をしておるところでございます。
 以上でございます。

志賀光法

どうもありがとうございます。
 それでは、最後の質疑とさせていただきますが、現宇部の消防団員、定員は560人で、実員は539人と答えられましたが、本条例案が可決されれば、来年4月1日から520人になるわけで、19人の減員をしなければならないわけですが、その調整方法はどのように考えておられるのか、お伺いいたします。

矢野消防長

ことし3月の段階で、宇部消防団の幹部間で平成18年度末、この来年3月末をめどに、定員40人削減、これを取り組むことが確認をされております。現在の実員539人は、その目標に向けた入退団等の実員管理、これの途中段階にあるもので、今後、団及び分団で調整されるものと、こういうように認識をしております。

志賀光法

どうもありがとうございました。
 以上で、質疑を終結いたします。