志賀光法皆さん、おはようございます。香り豊かな湖畔の里、小野地区出身の新政会の志賀でございます。通告に従いまして、個人質問をさせていただきます。 最近、テレビから流れてくるニュースで、政治家の疑惑と食品の不当表示に関することを報じない日はありません。雪印食品に始まり、食品だけではなく農産物まで産地や品質について表示を偽った事件が次々に発覚し、また、BSE、いわゆる狂牛病、ダイオキシン汚染、遺伝子組み換え食品の違法混入など食の安全性を脅かす出来事が、近年相次いで起きております。利益追求のみを考えている心ない加工・流通業者によって、日本の食の安全性は完全に信用を失ってしまいました。 一番被害を受けているのは、消費者だけでなく農家であります。農家の人々は悲鳴を上げております。国民の健康と生産者の暮らしを守るため、危険な食品、産地や品質を偽った食品をチェックし排除するシステムづくりを、早急につくる必要があります。 20世紀は工業の時代でしたが、21世紀は農業の時代になると思います。世界の人口は660億を超え、毎年9,000万人ずつふえている現状を見ると、多くの学者が言っているとおり、深刻な食糧危機が到来すると思います。 今の日本の農業は、経営的、社会的に大変厳しい状況に置かれております。しかし、長い目で見れば、生きていくことに欠かせない食を生産する農業なくしては、国が成り立たなくなることは目に見えております。もっと私たちは農業に関心を持たなくてはなりません。 今回、私は、3月議会で農業問題を環境問題としてとらえ、農業、農村が抱えている問題を6項目、9点、それからスポーツ振興、常盤公園の駐車場問題について質問いたします。 1、農林業と北部地域の諸問題。 (1)環境保全型の農業の推進について。 平成12年度農業白書によると、全国で約50万戸の農家が化学肥料、農薬の低減や堆肥投入による土づくりに取り組んでいると報告されています。環境保全型農業による農産物は、価格面で不利な反面、収穫量が不安定だったり、労力がかかるなど問題があり、今の段階では行政側の支援が絶対に必要であります。宇部市において環境保全型の農業の促進に当たり、以下2問の質問をいたします。 ア、有機農業の促進。消費者の食と健康に対する関心が高まっている中、消費者だけでなく生産者も関心を持ち始めている有機農業には、農業を魅力ある産業へと脱皮させるパワーが潜んでいます。有機農業には、生産コストの問題、労力の問題、販売ルートの問題など多くの課題がありますが、この秘めたパワーを引き出すためには、生産者、流通業者、消費者の相互理解と行政の新たな強力な施策の展開が求められています。 そのためには、化学肥料や農薬に多く依存せずに、農産物が健全に育つように地力を高めながら、将来にわたり持続的な生産ができる体制を整備していくことが大切であります。土づくりを初めとする人と環境に優しい有機農業を、宇部市は今後どのように取り組んでいかれるのかお伺いをいたします。 イ、有機JAS認証取得の助成制度の新設。ある雑誌の記事の中で、東京の築地市場と大田市場に入る農産物の60%が有機栽培と表示されていて、消費者のニーズは有機、無農薬あるいは減農薬に向かっているとの内容のものでした。これは、有機JAS法が制定される昨年3月までのことで、4月からは有機JAS法が制定されてからは、有機栽培と表示されたそれらの農産物の多くはふるいにかけられ、それと同時に、消費者のニーズによって、全国各地で有機JASの認証取得に向けた取り組みが進んでいます。 しかし、有機JAS認定取得には手間とお金がかかります。農家が認証機関へ支払う手数料は、機関によっては違いますが、5万円から15万円といろいろです。農家にとってはかなりの負担となります。 そうした状況の中、手数料の低減を図るために、行政が認証機関となるところも出てきています。現在、認証機関は、全国で平成14年2月末で57あり、そのうち行政側が認証機関となっているのは、岐阜県と石川県それから宮崎県の綾町の3機関で、綾町においては、わずかな手数料でコンサルタント業務と認証業務、あわせて土壌の分析を行っています。 宇部市が有機農業を強力に推進するために、県内初の有機JAS認証機関となるように、一気にお願いしたいところでありますが、せめて認証取得費用の一部を、認証取得農家に対して助成できる制度を新設できないかお伺いいたします。 (2)耕作放棄地への対策について。 以前は、耕作放棄地は棚田と呼ばれるような山との境目あたりに多く見られていましたが、最近では、比較的耕作が容易な平たん地でも、耕作者の高齢化、病気など身体上の理由で耕作が放棄されてきています。数年続いて耕作が放棄されると、二度と農地には戻らないと言われています。北部地域では、米づくりに必要な水の問題で、水が流れてくる側に耕作放棄地があると、水管理が大変難しくなります。このままでは、現在耕作を持続している農家への影響が懸念されます。耕作放棄地をこれ以上ふやさないために、以下3点の質問をいたします。 ア、担い手対策。2000年の農業センサスによりますと、山口県の農家人口は、前回の調査の1995年に比べ2万8,818人減少し、19万9,185人です。このうち、65歳以上の高齢者が占める割合は34.6%、前回調査に比べ4.5ポイント上昇し、さらに高齢化が進んでいます。農業労働力の中心を担ってきた昭和一けた世代のリタイアも進行しています。 農村地帯、農地、農業が持つ食料の生産供給のみならず、洪水やがけ崩れを防ぐ役目、そして空気をきれいにし酸素をつくる役目など、多面的機能を将来にわたって維持していくためには、農業生産活動を維持、増大していく必要があります。それには、担い手の確保、育成が重要かつ緊急の課題ですが、宇部市は担い手対策をどのように取り組まれるのかお伺いいたします。 イ、中山間地域等直接支払制度の活用と今後の取り組み。中山間地域等直接支払制度につきましては、昨年の3月議会で質問いたしましたが、小野地区13集落、厚東地区1集落で、対象農地である未締結集落8集落の締結促進を図り、県知事特認外となった二俣瀬3集落を特認地域の指定が受けられるように県に要望すると回答されましたが、その後、見締結であった8集落の協定状況、また、今後の取り組みについてお伺いをいたします。 ウ、定年帰農と新規就農促進。総務省が3月1日に発表した平成14年1月労働力調査結果によると、完全失業率は前月12月より0.5ポイント減少して5.3%となり、昨年2月以来11カ月ぶりに低下したものの、完全失業者数は前年同月比27万人増の344万人となっています。 もともと家が農家で定年などを機に農業を始めようとするUターンや、農業とは無縁のIターンがふえる傾向にある中、農家に生まれた子が、学校を卒業後すぐに農業を始めるケースは年々減ってきています。 農村は、かつて高度経済成長時代には多量の労働力を都市に供給し、底なし不況が続き雇用の確保が大きな政治課題となっている昨今、帰農ではなく農業の雇用力が注目されています。今、農村再生の最大のチャンスが訪れています。 しかし、受け入れる行政、農業者側の支援体制は十分に整っているとは言えません。営農経営ノウハウがなく、農業で安定収入を得るまで数年かかるなどの問題があります。営農経営、生活全般を支援する仕組みが必要と考えますが、宇部市の取り組み状況についてお伺いいたします。 (3)北部地域の定住化対策として、優良田園住宅の建設等の取り組みについて。 北部3校区は、今後さらに少子高齢化が進み、地域の活力は低下し、このままではコミュニティー活動にさえ支障を来たす状況になります。総合政策課、学校教育課からいただきました資料により、北部3校区の5年、10年後の児童生徒数がどのような動きになるか見てみました。ヒアリングのときはその動きを表にし、それをもとに北部地域の少子高齢化の現状を訴えさせていただきました。 北部地域では、5年後には小野小の全校児童数は54人、二俣瀬小で46人、厚東小で70人、中学校では、5年後、厚東中が生徒数86人、小野中で27人、10年後では、厚東中で47人、小野中で28人となってしまいます。将来、運動会等の各行事がどのようになるのか、開催状況の場面を想像しますと不安になります。地元がみずからの手、力でこの現状を打開することができない中、行政の新たな早急な対応を望むところです。 農林水産省と建設省が、それぞれ平成10年に法律を一部改正して、優良田園住宅の建設促進に関する法律が、同年4月17日に公布、7月15日に施行され、これまで全国23の市町村が基本方針を策定し、5市町村が優良田園住宅建設を認定しています。特に鹿児島市においては、優良田園住宅建設計画を作成すると同時に、市独自に既存集落活性化住宅建設事業を展開し、人口の減少や地域の活力が低下している市内6地区を対象にし、指定既存集落の活力を保持するために、同既存集落の小学校周辺に、平成9年度から平成15年度に完了を設定し定住化事業に取り組んでいて、既に今年度末で40戸の建設が進んでいます。 北部地域も、鹿児島市のような定住化策が早急に必要です。宇部市の取り組みをお願いするところです。市長のお考えをお伺いいたします。 (4)有害鳥獣対策の促進について。 毎年、稲刈りシーズン前になりますと、北部地域では、山と田んぼの境目、あるいは田んぼの周りをトタン板で囲い、イノシシからの防御さくが張りめぐらされています。だれもが最初は異様な光景だと見ていたものの、最近では、すっかりその時期の風物詩と思えるようになってきましたのは、私だけではありません。最近では、トタン板から電気さくとなってきています。 今の米の生産者価格は、昭和52年、24年前と同じという低価格となっています。農家の皆さんは、米が低価格による採算割れにもかかわらず、さくを張りめぐらすという労力と、電気さくという多大な費用をかけて農業の基本である米づくりを続けておられます。頭が下がる思いです。 宇部市の有害鳥獣対策につきましては、平成10年度の153万5,000円から平成14年度の予算においては295万4,000円と毎年増額されていて、これまでの対応は評価いたします。 しかし、これまでは防御さくを中心とした資材等の助成であったと思います。表立って出てくる有害鳥獣の被害額は、米を中心とした出荷農産物の被害であります。本当に困っているのは、農家の皆さんが自家用としてつくっている野菜などの被害です。イノシシは、農産物を食べるだけでなく、農家の皆さんにとって大切な畑を踏み荒らします。猿に至っては、収穫期を迎えたタマネギ、大根等を引き抜いて持ち去るだけでなく、植えたばかりの苗さえも引き抜く悪行を働きます。 最近、私に訴えられた方の話ですが、気温が上がり始め、シイタケがやっと芽が出始めたと思ったら、猿が出てシイタケの出たばかりの芽、すべて食べられたそうです。私が親しくさせていただいてる方でしたので、シイタケの木まで持っていかれなくてよかったですねと冗談で申し上げましたが、事は深刻です。農家にとっては生産意欲がなくなるばかりか、自分たちの貴重な食料まで持ち去られて失ってしまいます。 有害鳥獣対策は、長期的な視点に立っての対策が必要と思いますが、市長のお考えをお伺いいたします。 (5)猛威を振るう竹林への対策について。 最近、山を見回してみますと、一時期の松くい虫による立ち枯れした松は倒れ、余り目立たなくなりました。それにかわり、竹が異常なほどの繁殖力により、雑木林だけでなくヒノキや杉を植林した人工林まで拡大して、山の荒廃が進んでいます。竹は、雑木林や人工林に侵入すると急成長し、従来からあった樹木の光合成を妨げ、数十年はたっているヒノキまで立ち枯れさせてしまいます。また、田んぼと山の境目、今日では、自然の宝庫といわれている里山にも竹が侵入し、里山が荒廃しています。それに耕作放棄された田んぼにまで竹が入り込んでいる状況も見られます。 農業人口の減少と高齢化によって、人工林でさえも現実は個人の管理の手が入らない今日、猛威を振るう竹林に対しては、全く打つ手がない状況にあります。宇部市は、これまで植林した人工林の管理として、間伐や枝打ちに対しての補助金はとってきましたが、猛威を振るう竹林への対策は何もとられてきませんでした。このまま竹を放置していますと、山が荒廃するだけではなく、本来の山が持っている機能、保水能力も失われてしまいます。 環境保全の視点から、一日も早い竹林に対しての対応が必要と思いますが、市長のお考えをお伺いいたします。 (6)農業のIT化の推進について。 農業においては、ITを活用することで、生産や販売のさまざまな面で生産者に多様な可能性が広がっています。インターネットにより、生産管理などに役立つ情報を素早く入手したり、画像情報を専門家に送り、病害虫や生育に関する専門家の診断を受けることも可能になります。また、個人でホームページを開設したりして、多様な販売ルートの展開もできます。IT化が進んでいる中、農業、農村においてもIT技術を導入して、新しい農業ビジネスのあり方を模索している機運が全国的に高まっています。 そんなとき、最初に立ちはだかるのが、実際にIT技術を使いこなせるかという壁、デジタルデバイドです。パソコンを農家経営に生かすには、初心者で数年かかるといわれています。農家は高齢化が進んでいます。宇部市は高齢化している農業関係者に対して、農業のIT化をどのように進めていかれるのかお伺いいたします。 2、スポーツの振興。 (1)平成23年、第66回国民体育大会山口国体への取り組みについて。 9年後に開催されます山口国体は、山口県そして宇部市にとっても、半世紀に一度開催されるビッグイベントであり、山口県は平成14年度予算に国体準備事業、競技力向上対策事業そして国体選手強化費として、合わせて8,000万円の予算をつけているところです。平成11年9月議会で、私が質問したところ、国体開催種目の誘致については、県の動向を踏まえ、宇部市体育協会等関係団体と協議しながら取り組むとの御回答をいただいております。 そこで、今回、改めてお聞きしますが、まず初めに、今日開催されている国体は、昭和38年度に開催されました第18回国民大会、当時からしますと競技種目も多くなってることと思います。競技種目等の変化の状況と国体競技種目の誘致に向けて、宇部市の現在の取り組み状況についてお伺いをいたします。 2、総合型スポーツクラブへの取り組みについて。 総合型スポーツクラブとは、主にヨーロッパ諸国に見られる地域スポーツクラブの形態で、地域住民が自主的に運営し、子供から高齢者、障害者まで、さまざまなスポーツを愛好する人々が参加できる、単一種目でなく、複数の種目を行い、活動拠点となるスポーツ施設、クラブハウスを有している総合的なスポーツクラブであり、ヨーロッパ諸国では、地域住民の多くがこの地域の総合型スポーツクラブに加入しています。 文部省は、平成12年9月にスポーツ振興基本計画を策定し、その中で、生涯スポーツ社会の実現、またその目標として、成人の週1回以上のスポーツ実施率が2人に1人となることを目指すことが掲げられています。そして、これを実現するための具体的な施策展開として、計画期間の平成22年度までの10年間に、全国の各市町村において、少なくとも1つは総合型地域スポーツクラブを育成すること、さらに、総合型地域スポーツセンターを各都道府県において、少なくとも1つは育成することとしています。 私は、宇部市体育指導員として、文部省がモデル事業として指定した他県内外の市町村の総合型地域スポーツクラブについて事例発表を聞く機会が何度もあり、そのたびにも宇部市でも早急に取り組んでいただきたいと思っていました。他市町村では、事業主体が自治体のものもあれば、地域、教師あるいは特定のスポーツ種目を取り組んでいるグループなどが中心となっている場合、また、活発に活動しているとこもあり、助成が切れて活動が活発でないところと、まちまちでした。文部省も具体的なモデル形態はなく、支援していく中で最適なモデル形態を模索している状況であると思います。 宇部市は、この総合型スポーツクラブをどのように取り組んでいかれるのかお伺いをいたします。 3、常盤公園の駐車場問題。 昨年3月議会において、これまで常盤公園あるいは常盤公園の駐車場を利用してこられた個人、団体の皆さん、それぞれの思いがあった中、宇部市都市公園条例の一部が改正され、常盤公園は入園料、熱帯植物館温室の入館料無料と駐車場の有料化が、昨年6月1日より実施されました。 駐車場近隣の住民の皆さんの声をお聞きしますと、夜間暴走族が来なくなってよかった反面、イベントのたびの渋滞は以前と全く変わりはないと言われております。また、駐車場利用者からは、駐車場から出るのに時間がかかり過ぎる。湖水ホールでのイベント終了後から駐車場脱出に1時間以上もかかったと、声を荒げて訴えられる方もいらっしゃいます。 昨年度は、となりの阿知須町で山口きらら博が開催され、目標となっていました250万人の入場者数を達成しました。常盤公園の入場者数もその山口きらら博の影響を受けたこととは思いますが、昨年、駐車場が有料化されてからの利用者数と有料化以前の常盤公園の利用者数がどのように変化が見られたのか、数字であらわしていただきたい。 それと同時に、駐車場が有料化されてから、さまざまな立場の方から、また、いろんな苦情が寄せられたことと思います。どのような苦情が寄せられ、それに対してどのように対応されたのかお伺いいたします。 以上で壇上の質問を終わります。ありがとうございました。 |