H13年6月議会

1.安全でおいしく、そして豊かな飲料水・工業用水の確保と水源地の環境保全について   
 ①小野湖の水質汚濁対策  
 ②広瀬浄水場取水口上流部の下水道計画は  
 ③水源地の環境保全
2.宇部市営バス行政と生活交通網の整備について  
 ①乗り合いバス需給調整規制の廃止の影響と対応  
 ②生活交通網の整備計画  
 ③ISO14001取得で職員の公共交通利用の数値目標を  
 ④少子化対策で児童生徒にもバス通学助成を  
 ⑤来年の学校週5日制、土日の子どものバスの無料化できないか

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H13年6月議会議事録

志賀光法

皆さん、こんにちは。新政会の志賀でございます。通告に従いまして、一般質問をさせていただきます。
 1、安全でおいしく、そして豊かな飲料水・工業用水の確保と水源地の環境保全について。
 地球環境問題と言えば、地球温暖化やオゾン層の破壊をすぐに思い浮かべますが、しかし、現在の人類にとって最も深刻とも言える環境問題が、水資源の問題であります。日本は、これまで諸外国と違い水は豊富にあり、安全だと言われてきました。しかし、その水神話は崩れ去りつつあります。これから宇部市が都市間競争において勝ち組になるためにも、安全でおいしく、そして豊かな水の確保が最重要課題であると思い、以下3点の質問をいたします。
 まず1点目、1、小野湖水質汚濁対策。小野湖には厚東川と大田川を初めとする多くの支流から水が入り込んでいます。そのため上流部からの流木など流入物がそのまま小野湖の底に沈み、湖底は土砂の流入によりかなりの土が堆積し、それがヘドロ化して水質の悪化につながっていると思います。宇部市では、平成3年と平成6年に水道水のカビ臭による苦情が市民から殺到し、その対策費用は宇部、小野田市で4,760万円かかったと聞いております。県が植物性プランクトンの発生の防止策として、小野湖での曝気システムによる水質改善の計画があると聞いておりますが、その運用はいつから開始されるのか、また、宇部市がこれまでどのような水質汚濁対策を行ってきたか、お伺いいたします。
 2点目は、広瀬浄水場取水口上流部の下水道計画はということで、小野湖の水質汚濁の原因は大部分が生活排水によるものと言われていますが、小野湖の水質につきましては、1980年より調査を開始して以来、平成11年度初めて環境基準値をクリアしております。小野湖での整備が進められている農業集落排水事業での高度処理の成果が上がってきたものと考えられます。
 さて、宇部市では現在、浄水場の取水は厚東川ダム水と末信での伏流水、広瀬での表流水、3カ所で取水をしています。市民にとって安全でおいしく、そして豊かな飲料水を確保するためには、取水口上流部の下水道を早急に整備を進める必要があると思います。小野の次は私のところと、二俣瀬、厚東の住民の皆さんは待ち望んでおります。広瀬浄水場取水口上流部の下水道計画をお伺いいたします。
 3点目、水源地の環境保全。貯水や水質浄化、洪水防止、二酸化炭素吸収など、大気の保全機能など、森林の持つ機能が評価され、その果たす役割が重要性を増してきています。特に、水質浄化、渇水緩和等、水源涵養機能を発揮させるための森林整備保全を図る必要があると思いますが、これまで宇部市がどのような水源涵養保全対策をとってきたのか、また今後の取り組みをお伺いいたします。
 2、宇部市市営バス行政と生活交通網の整備について。
 環境問題を初め、多くの問題があり、特にCO2の削減は地球温暖化防止会議でも具体的な削減目標が掲げられ、各国がCO2排出を削減する取り組みを始めています。乗り合いバスは、マイカーと比較してより環境に優しい乗物です。グローバル500賞を受賞し、またISO14001の取得を計画している宇部市としては、乗り合いバスを初めとする公共交通の活用を強力に推進しなければならないと思います。
 全国各地で100円バス、循環バス、コミュニティーバス等の運行開始等の報道がなされ、またその一方、山口市、浜松市が公共交通事業からの撤退の報道もあります。公共バス事業者にとって、今後どのような選択をするのか決断を急がれ、今待ったなしの状況にあります。来年行われようとしている規制緩和は、交通ネットワークの破壊につながるおそれもあり、これへの対応についても真剣に行う必要があります。
 1点目、乗り合いバスの需給調整規制の廃止が平成14年2月1日に施行されることがほぼ確実で、宇部市への影響をどのように予想し、どのように対応するのかですが、平成11年9月議会で林議員さんが、需給調整規制撤廃によるバス事業自由化に伴う宇部市営バスとしての対応をお尋ねになり、藤田市長は需給調整規制廃止が実施されると、既存事業者及び新規参入者との激しい競争が予想されるので、今後の国の動向を十分に見きわめながら、競争に耐え得るべき方策を講じていくと回答されていますが、これまでどのような方策を講じられたのか、また今後の対応についてどのようにされるのか、お伺いいたします。
 2点目、生活交通網の整備をどのように行うのか。まちづくりにとって、市民生活の足となる公共交通網の確保は極めて重要であります。特に、本市の地形的特性を考えたときには、既存のバス路線ではカバーできない地域、また各公共施設、医療機関、教育機関などへの公共交通手段の確保は大きな課題となっております。今後の本市の生活交通網の整備についてどのようにお考えか、お伺いいたします。
 3点目、ISO14001取得に向けて、実施計画の中に職員のマイカー通勤から宇部市営バス等公共交通機関利用通勤の数値目標をということで、地球環境問題への対応策として公共バスの維持拡充はこれからも絶対に必要だと思います。しかしながら、市営バスの料金の高さ、便数の減少などにより、市営バスの料金は年々減少しています。また、商業施設の郊外化などにより、会社帰りに買物をするとなると、バスでは不便で、どうしても通勤にマイカーを利用せざるを得ないことになります。そういう状況の中にではありますが、職員みずから率先して市営バスを利用することが必要であると思います。幾ら市民の皆様に対して市営バスの利用を呼びかけても、職員が利用してないようであれば説得力はありません。環境負荷削減につながる公共バス利用通勤が、宇部市におきましてもISO14001の認証に向けての実践計画の目玉になると思いますが、公共交通機関通勤の数値目標を示されるお考えはないのか、お伺いいたします。
 4点目、少子化対策として高齢者バス優待乗車助成と同じように、児童・生徒に対してバス通学助成はできないか。毎年、宇部市内の全体の児童・生徒の人数が500人ぐらいの減少が見られます。この10年間では、驚くことに6,000人も少なくなっています。少子化対策としてこれといった良策は、だれも見つけ出せないで今日まで来ています。子供を育てる上で、親の経済的負担をできるだけ軽減する必要があります。それには子供に対しても、高齢者と同様に助成制度を充実させるしかありません。以前、新城議員さん、岡村議員さんも質問されていますが、私も改めて子供のバス通学の無料化をお願いしたいと思います。
 現状では、遠距離通学者に対して助成制度は初乗り運賃1.8キロ分の定期購入金額で保護者負担が済みますが、それでも小学生で1カ月当たり2,190円かかります。それから、私は以前から通学路の安全確保にも質問してまいりましたが、通学路の安全確保ができない子供たちに対して、バスを利用して通学させれば安全確保はできると思います。
 そこで、少子化対策として遠距離通学者、通学路の安全確保ができない子供に対して、通学バスの無料化ができないか、お伺いいたします。
 5点目、来年4月からいよいよ学校週5日制が実施されます。図書館などの公共施設、常盤公園、スポーツ施設を利用しやすくするため、土・日の子供のバス代を無料化したらどうか。小中学生を対象としたスポーツ教室は、開催場所により参加者に地域の偏りがあるとお聞きしています。特に、交通事情が悪い陸上競技場周辺の体育施設を利用したスポーツ教室の場合、遠くから参加する子供は保護者の送迎が必要となります。すべての子供たちに公平に多くの体験をする機会を与えてやりたいと考え、また図書館、常盤公園も利用しやすくするために、土・日の子供のバス代は無料化することはできないか、お伺いをいたします。
 以上で、壇上の質問を終わります。

藤田市長

志賀議員の御質問にお答えをいたします。
 御質問の第1、安全でおいしく、そして豊かな飲料水・工業用水の確保と水源地の環境保全について。
 第1点の小野湖の水質汚濁対策でありますが、小野湖は閉鎖性水域であり、流入した汚濁物質が蓄積しやすく、上流域からの汚水対策が欠かせないことから、県や流域市町等で組織する「厚東川水系森・川・海水環境ネットワーク協議会」と連携を図りながら、広域的な水環境保全対策を推進しているところであります。
 本市におきましても、水質の監視、測定とともに、生活排水対策として平成元年度から合併処理浄化槽の設置補助事業を開始し、平成6年度から窒素、リンの高度処理型の農業集落排水事業の整備を推進しているところであります。
 今年度、県では小野湖の水質浄化とあわせて、飲料水のカビ臭の原因にもなる植物プランクトンの発生を抑制するため、3カ所に曝気循環装置を設置する計画と聞いております。
 今後とも安全でおいしい水の確保に向けて、県や関係機関と連携しながら、総合的な水質保全対策を推進してまいりたいと考えております。
 次に、第2点の広瀬浄水場取水口上流部の下水道計画はということでありますが、厚東、二俣瀬地区の汚水整備につきましては、快適な生活環境の確保や水道水源の上流域に位置していることから、早期整備が必要であると考えております。同地区は小野地区と異なり、一般住宅に加え工場等の企業が混在しているため、農業集落排水事業では、制度上、未整備箇所が生じることになります。したがって、同地区の整備手法につきましては、地域特性を考慮し、特定環境保全公共下水道事業による整備を視野に入れながら、本年度策定する宇部市全域の汚水処理施設整備構想の中で検討することにしております。今後、整備手法が決まり次第、財源の確保や諸手続等について、国、県と協議してまいりたいと考えております。
 次に、第3点の水源地の環境保全でありますが、小野湖は17万市民の貴重な水がめとしてのみならず、小野田市民や本地域に立地する企業などにとっても大切な水源と認識しており、ダム管理者である山口県や流域の関係市町との連携を密にしながら、水環境保全対策の総合的な推進に努めていく必要があると考えております。
 このため、小野湖周辺の水源涵養を図るための施策を適切かつ効果的に実施したいと考え、その財源確保として平成10年度に水源涵養基金を設置したところであり、今後もこの基金の造成に努めるとともに、現在、有効な施策について、他市の事例を参考に研究を進めているところであります。
 次に、御質問の第2、宇部市営バス行政と生活交通網の整備について。
 第1点の乗り合いバスの需給調整規制廃止が平成14年2月1日に施行されることがほぼ確実で、宇部市への影響をどのように予想し、どのように対応するのかということと、第2点の生活交通網の整備をどのように行うのかという2点でありますが、関連がありますので一括して答弁させていただきます。
 需給調整規制の廃止後、路線の存続はバス企業の自主的判断にゆだねられることになり、宇部市では民営バス路線の廃止や新規参入などが考えられることから、これらの対応策として、今後も市民の足を守るため、さらなる経営努力と創意工夫を図る必要があると考え、昨年11月、宇部市営旅客自動車運送事業審議会を設置し、経営の健全化や運行ルート分析などについて協議検討を進めているところであります。
 また、生活交通網の整備につきましては、幹線路線と生活路線を結ぶ交通ネットワークとして、公共施設、医療機関、教育機関、商業施設などへの循環バスの運行、さらに通学生のための学割料金の見直しなど、審議会でも検討をいただき、質の高いサービスを積極的に展開してまいりたいと考えております。
 次に、第3点のISO14001取得に向けて、実施計画の中に職員のマイカー通勤から宇部市営バス等公共交通機関利用通勤の数値目標をというお尋ねでありますが、自動車の排出ガスは、窒素酸化物等による大気汚染や二酸化炭素による地球温暖化の原因となることから、宇部市環境率先実行計画において、毎月第2、第4水曜日をノーマイカー通勤デーと定め、取り組んでいるところであります。御提言のノーマイカー通勤の拡大につきましては、公共交通機関の利便性等の問題もあるものの、大気汚染対策や地球温暖化対策の有効な手段の一つであると認識しておりますので、今後、検討してまいりたいと考えております。
 次に、第4点の少子化対策として高齢者バス優待乗車助成と同じように、児童・生徒に対してバス通学助成はできないかということでありますが、御承知のとおり厚東、二俣瀬、小野校区は他校区に比べて通学区域が比較的広範囲であり、交通安全等の面からも、学校から遠距離にある児童はバス通学をしている状況にあります。
 本市では、平成6年度から遠距離通学児童のバス通学助成制度を設け、バス通学に伴う父母負担の軽減を図っているところであり、通学定期乗車券のうち1.8キロメートル実費相当額を超える額について助成しているところであります。本制度の改正につきましては、制度の趣旨や同じ校区内の近距離通学児童との均衡を失しない配慮も必要と考えますので、現行制度で対応してまいりたいと考えております。
 次に、第5点の来年4月からいよいよ学校週5日制が実施されると。図書館などの公共施設、常盤公園、スポーツ施設を利用しやすくするため、土・日の子供のバス代無料化をしたらどうかという御提言でありますが、基本的にバス代無料化は今のところ考えておりません。しかし、規制緩和後については、「行政バス」としてスクールバスも想定されておりますので、今後、通学定期券の学割料金などについては検討してみたいと考えております。
 以上で、壇上の答弁を終わります。

志賀光法

それでは、順次再質問なり要望をさせていただきたいと思います。
 まず、1点目の小野湖の水質汚濁対策ですが、公共事業見直し論議は田中康夫長野県知事の脱ダム宣言をきっかけに、今日では全国各地でダム事業への風当たりが強くなって論議がされております。さて、通常ダムの耐用年数は100年と言われていますが、最近の見解では再生事業を行ったら100年はもつが、何も対応しなければ50年しかもたないと言われています。御承知のとおり、ダムの最大の欠点は、いずれ土砂で埋まり、機能がゼロになることです。厚東川ダムは、完成して50年がたちました。厚東川ダムの総貯水量は2,378万8,000立方メートルです。既にかなりの土砂が堆積していると思います。これまで堆砂の除去など何も対応されていないことから、そろそろ寿命ではないかと思います。ダムの反対派は、アメリカがダムの建設をやめ、そして完成後50年経過した老朽化したダムの撤去が始まっていると主張します。私は、日本はアメリカと違い河川は急勾配で短いため、治水・利水にダムは不可欠であり、宇部市の発展のためにダムは必要であると思います。厚東川ダムをできるだけ長く利用するために、土砂の排出など維持管理をする必要がありますが、厚東川の現在のダムの堆砂率、堆砂ゲートなどの機能があるのか、お伺いをいたします。

矢富総務部長

お答えいたします。
 県にお尋ねしましたところ、砂の堆積状況を二、三年に1回調査されているとのことでございます。堆砂容量については、ダムの建設時において想定されておりまして、現在のところ堆砂率は約62%となっており、現在のところ余裕があるということでございます。
 以上です。

志賀光法

今、堆砂率が62%と言われました。私の能力をすべて発揮しまして計算しますと、あと二十七、八年で100%になるかと思います。62%だからいいという問題ではないと思います。既に堆砂が始まっているわけですから、その土砂による水質の悪化がもちろん出ていると思います。今後、厚東川を長く利用するために、早急にやっぱりその維持管理技術を確立していただき、県へ要望していただきますように強く要望しておきたいと思います。宇部市民のためにお願いいたします。
 次に、広瀬浄水場取水口上流部の下水道計画について、お伺いいたします。浄水場の取水口3カ所の先ほど言いましたが、それぞれの取水の割合といいますか、をお聞かせください。それと──まず、それをお聞かせください。

中野水道局長

お答えいたします。
 議員御案内のように、宇部市は現在厚東川のダム水、伏流水、表流水から取水しております。宇部市が今持っております水利権は、日量12万4,700トンでございます。これを先ほどの3つの取水に割り振りますと、厚東川ダム水が日量8万300トン、約65%になります。それから、伏流水が日量2万400トン、これが16%ぐらいでございます。それから、表流水が2万4,000トンで約19%というふうな割合になっております。
 以上でございます。

志賀光法

 いわゆる伏流水、表流水も合わせて35%あるということですね。小野湖の水質はCODとSSは先ほど壇上でも申し上げましたが、平成11年度に環境基準をクリアしておりますが、実は窒素とリン、昨日射場議員さんが言われましたが、小野湖の話です、あれは海域じゃなくて、数値はクリアできていません。窒素とリンの物質濃度が水質中で高まるとどういうふうになるかといいますと、十分な栄養を得た植物プランクトン類の生成が増大し、有機物が爆発的に生産されます。この限界値が窒素ではリットル当たり0.2ミリグラム、リンが0.02ミリグラムですね。12年度の小野湖の調査結果では、窒素が0.58、リンが0.024とオーバーしているわけです。水源域が富栄養化すると、ろ過障害、異臭味の発生などが起こり、水道水としての浄水処理の費用も増大するとともに、射場議員がおっしゃいましたように、海に流れ込み、周防灘、響灘の富栄養化にもつながります。
 合併浄化槽だと、今の技術ではリンや窒素は処理できません。安全でおいしい飲料水を市民へ提供するためにも、高度処理できる下水道事業を進めていただきたいと思います。先ほど、市長さんの答弁によりますと、二俣瀬、厚東につきましては、特定環境保全公共下水道事業による整備を視野に入れながら、本年度策定する宇部市全域の汚水処理施設整備構想の中で検討すると御答弁いただきましたが、資料によりますと、特定環境保全公共下水事業は規模も大きくなるために、建設期間が5年かかると聞いております。来年度計画を立てても、またそれから着工するにしても、最短でも平成19年度が供用開始、幾ら早くてもそのぐらいになります。二俣瀬、厚東も高齢化が進んでおります。高齢者の方から、「私が生きているうちに。」と言われましたら、私としては「はい」と答えるしかありません。早急に安全でおいしい飲料水の確保のために取り組んでいただきますようにお願いいたします。
 今日、コンビニでは──次の質問に移りますが、たくさんの種類のミネラルウォーターが店頭に並び、多くの人がガソリンより高いミネラルウォーターを買っているのが現状であります。また、大手飲料メーカーの企業PR誌の中に書かれた記事によりますと、ミネラルウォーターづくりのために南アルプスの山林を数千ヘクタール買い占め、水資源の確保を始めたと大きく取り上げていました。現況は松林だそうですが、それではだめなので広葉樹林を植林していく予定だと書いてありました。お隣の小野田市も美祢に山林を購入したと聞いております。
 ことし6月1日の新聞記事によりますと、全国各地でダムの建設費や湖沼、川の汚染対策費を補うために、水道料金の値上げが97年4月以降、4年間で全国に1,900ある市町村や広域企業団などで、水道事業体のうち約3割に当たる590が値上げを決めたと書かれてありました。宇部市では、現行10トン当たりで水道料金は1,186円、工業用水は56円です、10トン当たりで。県内の他市町村と比較しますと、水道では宇部市の1,186円に対しまして、一番安いのが岩国市で598円、一番高い豊浦町が1,780円です。工業用水では先ほど言いましたが、宇部の厚東川一種で10トン当たり56円に対しまして、一番安い川上が49円、一番高い厚狭川、木屋川、佐波川が500円となっています。
 そこで、水道局長さんにお尋ねしますが、宇部市の現行の水道、工業用水の料金水準をどのように思われるか、答えにくいでしょうが、それとあと厚東川のダムの水利権の実態、先ほど若干お答えになられましたが、再度お伺いをいたします。

中野水道局長

お答えします。
 宇部市の水道料金の水準あるいは工業用水の水準、どう思うかということでございます。お答え申し上げる前に、少し今、宇部市の県下の一番安い料金とそれから一番高いところの料金のお示しがございましたが、今、県下14市の中で宇部市の水道料金が高い方から5番目でございます。それから、14市と8町、それから2企業体を含めた24事業体では、上の方からしたら11番目であります。それから、全国的な宇部市の今10トンの1,186円に対して、全国的な平均は10トンは1,480円という状態でございます。そういうことで大変お答えしにくいお問いでありますが、あえて答えさせていただきますと、少し手前みそになるかもしれませんが、宇部市の料金水準はまあまあのところであると、お答えさせていただきたいと思います。
 それから、もう一つ、工業用水の方のこともございましたが、これも一番低いところの向道、川上の49円と、それから一番高い部類の佐波川、厚狭川、それから木屋川、厚東川の一番最後の部分の2期当たりの500円は、御案内ありましたけれども、周南工業用水が92円でございます。それから、吉原末武川工業用水が489円、その中にあって厚東川の工業用水関係が56円前後の61円、種類によって若干違いますが、その程度だと思います。これは私どもがちょっとお答えする立場にないんですけれども、総体的に言えることは、早く開発されたところの工業用水関係は安くて、それから近年の遅くなって開発されたところは、500円とか489円とか高い位置にあるんじゃないかと思います。
 それともう一つ、水利権で、今、宇部市の水道局の持っておる水利権につきましては、先ほど申しましたように12万4,700トンでございます。今、宇部、小野田関係のダムは御存じのように厚東川の1期、これは昭和24年に開発されたものでございます。それともう一つ、昭和54年に開発された2期の丸山ダムがございます。厚東川の1期の方の水利権につきましては、総量が日量36万8,000トンございまして、そのうち宇部市が6万8,000トン、それから小野田市が4万8,400トン、それから各企業──工場関係、これは3社でございますけれども、25万1,600トンというのが1期の水利権でございます。それから、2期の丸山でございますが、これは宇部市は1万2,300トンを保留しております。丸山全体では7万6,300トンの開発量となっています。7万6,300トンでございます。そのうち宇部市は1万2,300トンでございます。小野田市が4,500トン、それから各企業関係、いわゆるそういう会社、工場ですが、これが12社で5万9,500トンという実態でございます。
 以上でございます。

志賀光法

大変答えにくいお答えをいただきまして、本当ありがとうございます。今回、料金の問題については取り上げませんが、ちょっと押さえておきたかったものですからあえてお聞きいたしました。先ほど申し上げましたが、小野田市が美祢の山林を購入したと申し上げましたが、下流域が上流域の支援策として水道料金を上乗せして水源涵養基金にして、水源涵養林の保全、水質保全の取り組みをしている自治体が全国的にふえております。厚東川、大田川の上流部の楠町、美東町は、本年度水質と生活環境改善のために農業集落排水事業が採択される予定だと聞いております。さらに、厚東川の上流部の美祢市の河原地区、秋芳町の別府地区は既に平成10年度から農業集落排水事業を供用開始をしております。宇部市も上流部に対して水源涵養林の保全と下水道事業、難しいでしょうが、水源涵養基金で助成し、上流地域に水の恩恵に感謝する姿勢が必要ではないかと思いますが、どのようにお考えでしょうか、お伺いをいたします。

矢富総務部長

お答えいたします。
 水源涵養基金の用途ということでありますけれども、例えば、小野田市がありましたように上流部の山林を買収するとか、あるいは買収した山林の間伐等、森林整備をするとか、あるいはダム湖の水を曝気することなど、いろんな用途が考えられようと思います。今後の検討課題とさせていただきたいというふうに思います。
 以上です。

志賀光法

先ほど壇上で水源涵養基金は平成10年度に設置されたとお聞きしましたが、水源涵養基金の現況についてお示しをいただきたいと思います。

矢富総務部長

お答えいたします。
 水源涵養基金の積立額につきましては、現在約108万円となっております。今後、山陽自動車道関連事業基金の余剰金をこの水源涵養基金の積立金へ充当を予定しております。
 以上です。

志賀光法

ありがとうございます。水源涵養につきましては、事業内容によってはすぐに効果が上がるようなものばかりではありません。宇部市の将来を見据えてですね、やはり上流域、下流域、両方の利益につながるように、できるだけ早く広角的な、効果的な取り組みをしていただきますようにお願い申し上げます。
 次に、時間がありませんのでバス問題に移らさせていただきます。
 公共バス問題につきましては、関連がありますので一括して再質問させていただきますが、まず、確認しておきたい点が二、三ありますので、そのあたりからお伺いいたしますが、まず初めに、高齢者バス優待助成についてですが、高齢者の方が「私は宇部市に負担をかけたくないから」とか、「自家用車でバスを利用しないから」とか言われて、高齢者バス優待乗車証を返還されると聞いております。高齢者バス優待助成の助成金額の確定はどのように決められているのか、その辺をお伺いいたします。

内平健康福祉部長

お答えをいたします。
 高齢者バス優待乗車助成の算出方法についてのお尋ねでございますが、高齢者の方が市営バスに乗車する実態を調査し、この調査結果等に基づきまして1年間の乗車人員の算定をいたします。この高齢者の方の市営バスへの1年間の乗車人員に市営バスの1人当たりの定期によります乗車単価と、高齢者バス優待乗車助成証の発行増加率を乗じて得た額を高齢者バス優待乗車助成金の額としております。

志賀光法

ありがとうございます。よくわかりました。私は、返還された分減額されるのかなと思っていたものですから、よくわかりました。
 それでは、次に高齢者バス優待助成など心身障害者バス優待乗車証交付など、宇部市が市営バス会計に拠出といいますが、言葉が不適当かもしれませんが、拠出している額は総額でどれぐらいになるのか、そしてそれは交通局会計のどの項目に入っているのか。それともう一つ、県、他会計からの補助金の総額は幾らか、ちょっとお示しをいただきたいと思います。

三戸交通局長

お答えいたします。
 高齢者・心身障害者バス優待乗車券交付金ということでございます。平成11年度高齢者無料定期券が3億5,010万6,000円、心身障害者無料定期券が3,760万8,000円、合計3億8,771万4,000円でございます。
 また、交通局会計のどの項目に入っておるかということでございます。乗り合い自動車収入の項目の中に含まれております。また、県、他会計からの補助金についてということでございますが、国、県からは4,813万9,000円、他会計から6,027万2,000円、計1億841万1,000円であります。
 以上でございます。

志賀光法

ありがとうございました。それでは、本題に入りたいと思いますが、規制緩和が実施された場合、どのようになるのか。例えば、料金設定が自由にできるとか、路線が自由に設定できるとか、また、先ほどお話がありました国、県からの補助金は廃止されるのかどうなるのか、その辺をお伺いいたします。

三戸交通局長

お答えいたします。
 規制緩和後の料金、路線の自由化について、また、国、県の補助金はどうなるのかということにつきましては、規制緩和後、路線、料金など各バス企業の自主性にゆだねられるということになりますが、料金につきましては、最高額は設定される見込みということでございます。一番最高の額、それ以上はいけませんよということになってくるわけです。また、国、県は地方分権を踏まえ、最低限保障すべき範囲、これはナショナルミニマムに絞り、公益的幹線路線とすると。このため、国、県は二種、三種路線、これ生活道路でございますが、運行費、維持費の廃止により市町村の負担増となります。増額分を含めた金額については、総務省では地方単独事業を財政支援するため、運行費などについて特別交付税措置として財政支援されるという見込みでございますが、これはまだはっきりしたものはわかっておりません。しかし、この財政支援を受けるといってもなかなか難しゅうございまして、他道府県、市町村、それからバス事業者を交えて、地区交通のあり方を協議する地域協議会で大筋の合意が必要条件となってまいります。
 以上でございます。

志賀光法

ありがとうございました。はっきりわからない点が多いということですね、言ってみればですね。もう2月1日と迫っておりますので、質問はもう時間がありませんので、もう詳しくは言いませんけど、できるだけ早く審議会で答申を出していただきまして、対応されるようにお願いします。
 もう一点、市長さんの答弁の中で通学生のための学割料金の見直しを審議会で検討すると答弁いただきましたが、私自身が小野地区内の高校生を持つ保護者に対しまして、通学の実態アンケート調査を実施いたしました。これが今、現物があるんですが、そのアンケートの内容を簡単に申し上げますと、通学の交通手段、費用、市営バスの具体的バスの利用は1カ月どれぐらいだったら利用されるかなど具体的な金額、市営バスに対する要望などを調査項目に挙げました。そのアンケート結果の内容によりますと、小野地区内の高校生の通学の実態が大体わかりましたが、まず市営バスの通学定期の利用が、高いために、父親、母親の通勤等を利用してマイカーで自宅から最寄りのJRの駅まで送迎している保護者がほとんどであります。市営バスを利用している子は数名で、それは保護者がその送迎の対応ができないためだとわかっております。通学にかかる費用は、1カ月当たり5,000円から2万6,000円です。最も多いのが、JRを利用している子だけで1万円前後が最も多いです。市営バスを利用している子は、どうしても1カ月当たり2万円を超してしまいます。そして、市営バスを利用している子供を持つ保護者は、1カ月当たりの単価をできるだけ下げたいという気持ちがあると思うんですが、市営バスは3カ月定期、JRは6カ月定期を購入していて、1度の最高出費額は7万円の負担にもなる保護者もいらっしゃいます。それから、ほとんどが保護者が子供の迎えの時間の連絡とか、確認、そしてJRが無人化のために、防犯用にと携帯電話も持たせております。保護者にとって通学費用と携帯電話の料金、学費とか塾の費用等かなりの負担となりまして、私立の高校に行かせた場合、1カ月当たり8万円を超える出費となってしまいます。
 現状によりますと、朝、慢性的な渋滞による交通事情の悪い2号線にいらいらしながら、JRの駅前は小野から入り込むマイカーと二俣瀬、厚東の自転車通学の子供で大変な駅前は危険な状況でありまして、夕方は子供を待つ保護者のマイカーの列が駅前を占領して、駅前の人からの苦情も聞かれます。道路事情を考えると、安易に他人の子供を一緒に乗せて帰ることはできないです。土曜とかテスト期間中は、また長期休暇中の帰りは市営バスを利用しようとしても、昼間の便がないために子供は保護者の迎えが可能な夕方まで学校とかどこかで時間をつぶすしか現状はありません。アンケートの意見、要望欄には、保護者で負担できる範囲での市営バスの通学定期の低額見直しと、昼間の便の確保の要望がほとんどでありました。通学定期の見直しと昼間の便の確保をお願いいたしまして、私のすべての質問を終わります。よろしくお願いします。