H13年12月議会

1.新しい学習指導要領の完全実施について   
 ①学校週5日制の安全実施に伴う宇部市の対応は
 ②渋し近郊の私立の幼少中高の動向は  
 ③学童保育の土曜日の対応は  
 ④土曜日の中学校の部活動への対応は  
 ⑤休日の学校開放について  
 ⑥土日の子どものバスの低額化はできないか  
 ⑦総合的な学習試行から完全実施に向けての対応
2.公立高校の通学区の拡大について  
 ①通学区の拡大に伴う鵜b夏至の対応は  
 ②宇部市のスクールバス構想について
3.ホタルの保護条例の制定について 

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H13年12月議会議事録

志賀光法

皆さんこんにちは。香り豊かな湖畔の里、そして蛍の里、小野地区出身の志賀光法でございます。
 通告に従いまして、一般質問をさせていただきます。
 1点目、新しい学習指導要領の完全実施について。
 いよいよ来年度から、新しい学習指導要領に基づく教育が実施されると同時に、学校週5日制が完全実施されます。昨年度、本年度と移行期間を経ながら、宇部市でも、着々と準備が進められてきたことと思います。
 宇部市議会におきましても、この問題には多くの議員さんから質問並びに提言をされていますが、私は、宇部市の将来を担う子供たち、そして保護者にとって万全の体制を整えるために、以下の質問をいたします。
 その1、学校週5日制の完全実施に伴う宇部市の対応は。
 大人社会の構造、意識の変革が求められているものの、完全週休2日制とはいかない家庭はいまだに多く、毎週土・日、子供と一緒に過ごせる保護者は少ないと思います。また、これまで、各校区で、子供や親子が参加できるたくさんの活動、教室、イベントが行われてきたでしょうか。このまま、来年度、学校週5日制が完全実施され、休日がふえれば、子供たち、保護者にとっても心配や不安な問題が出てきます。
 あるPTAのホームページに掲載されていました子供に行われたアンケート結果によりますと、土曜日の過ごし方はの問いに、一番多かったのは、午前中はゆっくり休みたいだったそうです。私も同感です。
 多くの子供たちは、生活がますます不規則になり、結局、休日は、塾かスポーツ少年団などで子供の受け入れをお願いすることとなるでしょう。そうなれば、あらゆる面で、ますます保護者の負担が大きくなることとなります。
 子供たちが充実した休日を過ごすためには、学校現場と家庭、地域社会の三者による密接な協力、連携、そして行政の支援が不可欠です。来年度、学校週5日制の完全実施に伴う宇部市の対応についてお伺いいたします。
 その2、公立の幼・小・中・高校は、週5日制が完全実施されるが、宇部市、宇部市近郊の私立の幼・中・高・大学の動向は。
 家庭の中で、1人の子供は土曜日が休み、もう1人は学校へとなれば、家庭での対応は今以上に難しくなることと思います。新聞記事などによりますと、私立の中学、高校などは、受験などの対策で、学校週5日制を実施しなかったり、土曜日を補習授業に充てたりするのではないかと書かれていました。
 もし、私学がそのような対応をとったならば、授業時間数の差により学力などの差が出てくるなど、公私間格差が出てくることが懸念されるとともに、私学の場合は、授業料の値上げ、あるいは補助授業料として徴収するなど、保護者の負担がますます大きくなることが予想され、私学の動向が気になるところです。
 来年度、宇部市、宇部市近郊の私立の幼・中・高・大学の週5日制の実施の動向についてお伺いをいたします。
 その3、学童保育の土曜日の対応は。
 少子化問題の一層の進行、さらに夫婦共働き家庭の増加、家庭や地域の子育て機能の低下など、児童を取り巻く環境が大きく変化してきている中、学童保育の必要性は、だれもが認識しているところであります。
 学校週5日制が完全実施されるに当たり、土曜日の学童保育の実施は、保護者はもとより、市民の皆さんの関心も高く、行政の対応を注目しているところです。宇部市は、学童保育の土曜日の対応をどのようにされるのか、お伺いをいたします。
 その4、土曜日の中学校の部活動、指導する学校の先生への対応は。
 中学校の部活動は、少子化、指導者の不足、人気スポーツの集中から来る部員の偏り、部の存続、新設など、さまざまな問題が発生してきています。
 中学校の部活動は、学校教育の一環としてとらえた上で、来年度、学校週5日制の完全実施に伴う土曜日の部活動の実施等、教育委員会からの指導はどのようにされるのか、お伺いをいたします。
 その5、休日の学校開放の予定は。
 学校の開放につきましては、他市での不幸な事件などがあり、安全面を考えますと、全面開放はなかなか難しいことと思います。
 しかし、学校にあります図書室、木工室、パソコンルームなど特別教室は、生涯学習、体験学習を行う場所として、私は大変魅力を感じています。宇部市が今年度実施していますIT講習会を受講された方も、もうワンランクアップを、と望まれる方も多いと思います。
 地域のふれあいセンターでは、スペースや対応できる人員にも限りがあります。どう考えても、子供を受け入れる余裕があるとは思えません。
 生涯学習、体験学習の場として、休日の学校の一般開放はできないか、お伺いをいたします。
 その6、学校週5日制に伴い、公共施設等を利用しやすくするために、子供の宇部市営バス、土・日等休日利用のバス料金を低額化できないか。
 地域によっては、公共交通事情が悪いなどの地域格差によって、図書館、体育施設などの公共施設が利用しにくい状況にあります。今のままでは、保護者だけではなく、子供までもが、はっきりと地域格差、自分の住んでいるところの不便さを実感させられることになるでしょう。そのような不便さを感じた子供が、将来、その地域に戻ってきてくれるでしょうか。
 できれば、保護者の都合などに関係なく、子供が多くの体験活動ができるように、子供の宇部市営バスの休日利用の料金の低額化を、できないかをお伺いいたします。
 その7、総合的な学習、今年度の試行から来年度の完全実施に向けて教育委員会から学校への指導は。
 学校週5日制が完全実施されるに当たり、授業数の減少により学力の低下が起きると懸念されています。そんな中で、総合的な学習が、活動より学力補助授業としての教科対応という動きが広がってきていると言われています。
 子を持つ親としては、歓迎したいような、複雑な思いですが、本来の総合的な学習は、児童の興味、関心に基づく学習など、創意工夫を生かした教育活動を行うもので、みずから課題を見つけ、みずから学び、みずから考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決する資質や能力を育てることを目的として新設されるものです。総合的な学習は、児童生徒の自主性を尊重しつつも、学校の先生、特に校長の取り組みによって大きな差が出てくるものと思います。
 教育委員会からは、総合的な学習の取り組み、取り扱いなどについて、どのような指導をされるのか、また、予算措置も必要と思いますが、宇部市の対応をお伺いいたします。
 2番目、公立高校の通学区の拡大について。
 その1、公立高校の通学区の拡大に伴う宇部市の対応は。
 来年度、公立高校の通学区の拡大により、その恩恵か弊害かを受ける初めての生徒、保護者は、果たして希望している高校に入れるか、この時期、心配でたまらないことと思います。各校の受験者数の動向、合格ラインがどのくらいのレベルになるのかなど、子供、保護者、先生も予測できない状況で、その運命を決める日は刻々と迫ってきています。
 行政としても、近郊の市町村からどれくらい生徒が宇部市の高校に通学してくるかなど、予測できない状況であろうと思います。宇部市にとりましては、大きな経済効果も期待されているところです。
 受験する子供、保護者、そして近郊から通学してくる生徒の受け入れ態勢など、ソフト・ハード面で、宇部市はどのような対応をされるのか、お伺いいたします。
 その2、発表された宇部市営バスのスクールバス構想の内容は。
 近郊の市町村から宇部市内の高校に通学してる子供がふえると予想される中、宇部市内の現状は、駅から学校までかなりの遠距離となる高校が多く、近郊の市町村から通学している生徒の保護者は経済的な負担と、生徒にとってはかなりの体力的負担となります。
 先日の新聞報道によりますと、通学定期の低額化とスクールバス化の報道がありましたが、路線、料金等について詳しくお聞かせください。
 3番目、蛍の保護条例の制定について。
 宇部市内の河川、水路で、数年前から蛍の発生が数多く報告されるようになりました。市民の皆さんの環境意識の高まり、また、水辺の空間への関心の高まりなどにより、今、多くの市民の皆さんや民間の団体で蛍の保護、育成の機運が盛り上がり、既に、その活動が始められています。
 蛍は、水がきれいなところにしか住めません。しかし、清流と言われるようなところには、生息しているかといえば、そうではありません。人工的な街灯などの光は極端に嫌いますが、決して人間が嫌いなわけではありません。むしろ、人間の生活と微妙にかかわり合いを持ちながら、今日まで生息してきたと言えます。
 現在、全国各地の市町村や民間団体が、自然保護運動を推進しています。その中で、環境庁のふるさと生き物の里に選定された120のうち、蛍の里がその半数を占めています。それは一体何を意味するのでしょうか。
 蛍は、人々に愛されるかわいい生き物だというほかに、森や林に守られた水質のよい、水量豊かな緑あふれる水辺があり、また、そこに蛍のえさとなるカワニナやタニシが生息していないと、蛍が育たないという事実があるからです。すなわち、蛍を守ることが、自然保護に密接につながっているということなのです。
 下関市では、蛍保護条例を年内に制定し、市内全域を蛍の保護区域とするとしています。また、県におきましても、河川水路課が主導で、県内の蛍の保護活動団体のネットワーク化を進めています。
 蛍がふえれば、それを観賞する人、捕獲する人などもふえます。蛍は、非常に環境に敏感な生き物です。せっかく多くの人々の努力と宇部市がこれまで独自に行ってきた環境保全、保護施策でふえた蛍、環境のバロメーターと言われている蛍を絶滅させないためには、蛍の保護条例の制定が必要と考えますが、藤田市長さんのお考えをお伺いいたします。
 以上で、壇上の質問を終わります。

藤田市長

志賀議員の御質問にお答えをいたします。
 御質問の第1、新しい学習指導要領の完全実施について。
 第1点の学校週5日制の完全実施に伴う宇部市の対応はということでありますが、学校週5日制は、学校、家庭、地域社会の教育全体のあり方を見直し、児童生徒の生きる力をはぐくみ、健やかな成長を促すことが目的であります。
 このため、学校においては、指導内容の改善や指導方法の工夫をする等、学習指導の一層の充実に努めるとともに、家庭や地域社会においては、ゆとりの時間を確保し、子供たちが主体的に生活体験、自然体験、社会体験を豊かにすることを目指すものであります。
 本市では、子ども会、PTA等との連携による学校外活動の支援を初め、地域の青少年育成団体の支援にも努めているところであります。
 さらに、平成11年度からは、文部科学省が展開する全国子供プランのメニューから、子供放送局受信施設や子供センターの設置を初め、家庭教育の支援、その他各種体験事業にも取り組んでおります。
 また、引き続き、家庭や地域社会においては、子供たちが多様な選択肢の中から主体的に過ごし方を選択できるよう、平成11年度に子供の地域活動や健全育成活動を図ることを主な目的として組織化した校区子ども委員会への支援を初め、情報の提供や機会の充実に努めてまいりたいと考えております。
 次に、第2点の公立の幼・小・中・高校は週5日制が完全実施されるが、宇部市近郊の私立の幼・中・高・大学の動向はどうかというお尋ねでありますが、私立の幼稚園、中学校、高等学校における学校週5日制の実施につきましては、それぞれの主体的判断によると聞いております。
 宇部市内の私立の中学校、高等学校につきましては、平成14年度から、すべての学校が学校週5日制を実施することとなっております。なお、私立幼稚園及び近郊の私立高校については、検討中と聞いております。私立大学につきましては、既に平成5年度及び平成7年度より、学校週5日制が導入されております。
 次に、第3点の学童保育の土曜日の対応はということでありますが、現在、第2・第4土曜日につきましては、校区社会福祉協議会等の御協力により、保護者のニーズに沿って学童保育を実施しているところであります。
 また、新たに休日となる第1・第3・第5土曜日につきましては、子供たちが健全に過ごすことができるよう、家庭において保護者に十分な認識を持っていただくとともに、学校や地域の方々との連携を図っていく必要があります。
 このため、学童保育につきましても、子供たちの安全を守り、健全な遊びと生活の場を与えるという観点から検討してまいりたいと考えております。
 次に、第4点の土曜日の中学校の部活動、指導する学校の先生の対応はということでありますが、中学校における土曜日の部活動の実施につきましては、現在、山口県中学校校長会及び山口県中学校体育連盟において検討されているところであります。生徒と教員の健康面についても、休養を十分にとり、バランスのとれた生活をすることが重要でありますので、現在、宇部市中学校校長会において、土曜日の部活動について、生徒が家庭、地域において有意義に過ごすことができるよう検討を進めているところであります。
 次に、第5点の休日の学校開放の予定はということでありますが、学校週5日制の完全実施に伴い、家庭や地域社会において、子供たちが主体的に、生活体験、自然体験、社会体験等を豊かにすることが求められております。現在、開かれた学校づくりを進めるために、運動場、体育館及びパソコン教室等を開放しているところであります。特別教室の開放につきましては、学校の安全管理や児童生徒の学習環境に十分配慮しながら、検討してまいることとしております。
 次に、第6点の学校週5日制に伴い、公共施設等を利用しやすくするために、子供の宇部市営バス、土、日利用のバス料金を低額化できないかということでありますが、宇部市営バスでは、現在、祝日、日曜日に限り、何回でも乗降できる1日乗車券を、大人600円、子供300円の定額乗車券制度があります。この制度について、学校週5日制に伴い、今後、土曜日を含め、土、日、祝の1日乗車券として、手軽に利用できるよう、見直しを検討しているところであります。
 第7点の総合的な学習、今年度の試行から来年度の完全実施に向けて、教育委員会から学校への指導はということでありますが、現在、各小・中学校においては、地域や学校、児童生徒の実態等に応じて、創意工夫を生かした総合的な学習の時間を展開しているところであります。
 平成13年度において、多かった事例は、環境教育、国際理解教育、福祉教育、ボランティア等であります。今後とも、各学校の特色ある取り組みが、さらに充実できるよう、支援してまいることとしております。
 次に、御質問の第2、公立高校の通学区域の拡大について。
 第1点の公立高校通学区拡大に伴う宇部市の対応はということでありますが、現在、各高校では、求める生徒像が明示され、教育課程にも工夫を図るなど、特色ある学校づくりが進んでおります。また、推薦枠の拡大や傾斜配点、志願理由書の導入など、入学者選抜方法の改善が進められております。
 本市では、通学区域の変更に対応するため、改革の趣旨や選抜方法の改善についての研修会を行い、生徒に適切な指導ができるよう努めているところであります。
 また、中学校で実施される進路説明会におきましても、高校の教員を招いて、各高校が求める生徒像や学校の特色を、高校ごとに生徒や保護者に説明しております。生徒、保護者との懇談会や生徒への進路指導において、各高校の特色や入学者選抜方法等の周知に努め、生徒一人一人の個性や特性に応じた指導が行われるよう、私学も含め、引き続き、進路指導の充実に努めてまいることとしております。
 次に、第2点の発表された宇部市営バスのスクールバス構想の内容はということでありますが、交通事業を取り巻く環境は、交通手段の多様化等により、乗客のバス離れなど、輸送需要の減少が続く中、宇部市営旅客自動車運送事業審議会において、平成13年8月27日、答申書の中間取りまとめがされたところであります。
 この中間取りまとめにもあります、スクールバス、循環バスなど、市民ニーズに合った路線、ダイヤの再編成を行い、潜在需要の開拓に努める必要があると考えております。
 宇部市には、現在、高校、大学で約1万2,000人の学生が通学しており、この交通手段の大半が自転車であり、交通事故、交通渋滞など、通学に支障を来しております。
 そこで、交通局では、来年2月からの規制緩和に伴い、スクールバスを運行することにより、学生が安全、快適に通学し、勉学に集中できる環境をつくることが必要であると考え、すべての路線バスに自由に乗降できる定額定期券の発行、登校・下校時間を考慮した運行ダイヤ及び学校を主体にした運行ルート等を実施することにより、バス利用者増を図ろうとするものであります。
 次に、御質問の第3、蛍の保護条例の制定についてでありますが、蛍等の生息環境を守り、貴重な自然環境を地域資源として、次の世代にも継承していくことは重要なことであると認識しております。
 本市では、宇部市環境基本計画や宇部市環境率先実行計画においても、公共工事における環境配慮事項として、河川の多自然型工法等の採用により、生物の生息空間の保全・創出に取り組むとともに、生物の生育・生息状況を把握するため、自然環境調査を実施しております。
 今後、この調査の結果をもとに、学識者や市民の皆様との意見交換会の開催等を通じて、蛍の保護も視野に入れた自然環境の保全に関する総合的な施策の展開を図るとともに、宇部市環境基本計画の見直しにも反映してまいりたいと考えております。
 以上で、壇上の答弁を終わります。

志賀光法

どうもありがとうございました。
 それでは、急いで、要望と質問をさせていただきます。
 まず、土、日のバス料金の低額化につきましてですが、今、中学校の部活動の遠征の足として、宇部市営バスを利用した場合は、やっぱり中学生は大人料金ということで、600円になるわけです。教育委員会からの「学校職員自家用車の公用使用に関する通達」などによりまして、今、部活動の遠征の足として、宇部市営バスをたくさんの者が利用しております。できましたら、今の規制のままでは恐らく600円でしょうが、来年度、2月の規制緩和が行われましたら、一律に300円という形でお願いしたいと思います。とにかく検討していただきたいと思います。これ要望しておきます。
 それから、通学スクールバスの件ですが、新聞発表によりますと、阿知須町からと宇部鴻城高校からの2点のルートが発表されたと思います。今、合併論議がされている中、阿知須町からだけかなと思ったのは、私だけじゃないと思います。できましたら、小野田の高校にも宇部市からたくさんの通学者がおりますし、小野田からも宇部に、たくさんの私学に通っている子もおります。できましたら、そういうことを配慮していただいて、小野田市への高校の乗り入れも検討していただいて、みんなの市民レベルで合併問題が語り合える、笑いながらにこやかに語り合えるような環境づくりをお願いしたいと思います。
 以上で、質問を終わります。ありがとうございました。