H12年3月議会

1.通学路の安全確保について
2.スポーツの推進と健康・体力づくりについて
3.高齢者世帯。住宅対策について
4.北部地域の問題について
 ①有害鳥獣対策
 ②アクトビレッジおの進捗状況                             

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H21年3月議会議事録

志賀光法

おはようございます。新政会の志賀でございます。通告に従いまして、個人質問をさせていただきます。
 昨年12月22日、前日からの雨は夜半ごろからみぞれに、そして、午前7時ごろ小野地区では雪にかわっていました。道路の雪がシャーベット状となってスリップしやすい危険な状態でした。阿武瀬平原地区の集団登校中の児童7名の子供たちが下りのカーブに差しかかったときでした。雪にハンドルをとられ迷走した車がその列に突っ込みました。このニュースは、お聞きになったことと思いますが、この事故で小野小学校3年生の矢原歩美ちゃんの尊い命が奪われました。
 市内の主要幹線道路は、朝夕マイカーの増加などの原因により慢性的な渋滞となり、子供たちの通学路、また、市民の生活道路、農道にまで通勤カーが入り込み、登下校の児童、生徒は危険な状態にあることは御承知のことと思います。そして、テレビ、ラジオからは9年間にわたっての誘拐・監禁、校庭での殺人事件、ストーカー事件等、耳を疑いたくなるような信じられないニュースが流れてきます。子供にとって安全で楽しくなくてはならない通学道路が自動車という凶器、痴漢、誘拐、傷害などの犯罪にさらされています。
通学路の安全確保を緊急の取り組みとしてお願いするところです。今回の小野での事故後、どのような対策をとられたのかお伺いをいたします。
 2番目は、スポーツの推進と健康、体力づくりについてでございます。
 少子・高齢化の進行、要介護高齢者の増加、生活習慣病の増加、医療費の増大といった社会状況の中で、できれば人生の第3、第4クォーターをだれもが健康で介護を受けないよい状態でいたいと願っているのではないでしょうか。最近では、健康の保持、増進等、体力づくりにウォーキング、ジョギングを日常生活に取り入れる方がふえております。特にウォーキングは、友だち、隣人を誘ってお始めになったのでしょう。夜さっそうと電灯を持って歩かれているグループをよくお見かけいたします。
 しかしながら、急に適切な指導も受けずに始められたため、足、腰を痛められることが多いと聞いております。特に、ひざを痛められると将来にわたって後遺症を持つこととなります。その点、プールでの水中歩行などの運動は、リハビリとしても活用されているのは御存じと思いますが、水中では浮力があるため、陸上の運動よりもひざ、腰への負担が小さいので、容易に体を動かすことができます。そして、水の抵抗によりウエートトレーニングと同じような効果も期待でき、長時間にわたって体を動かすことで心肺機能が高まるエアロビクスにもなり、プール内での水中運動ほど安全に行うことができる運動はほかにはありません。
 市内にはいま4カ所の民間の温水プールがありますが、健康、体力づくりのために始めるには、月会費、利用料等、高額だと思います。1年中いつでも始められ、安く利用できる市営の温水プールの建設をお願いするものであります。市長のお考えをお伺いいたします。
 3番目は、高齢者世帯住宅対策についてでございます。
 98年に厚生省が国民生活基礎調査の概況の中で発表した数値では、65歳以上の高齢者のうち、子供との同居は50.3%とほぼ半数であり、夫婦のみは32.3%、ひとり暮らしは13.2%であり、子供、家族との同居の減少、夫婦のみとひとり暮らしの増加が進行しています。老後の暮らし方に対する意識やニーズは多様化してきています。少子・高齢化により同居、扶養については、世代間で意識がかなり違ってきています。従来の子供、家族への依存を中心とした老後の生活を望まれていた方も、子供、家族へ面倒はなるべくかけたくないという方へと意識変換し、高齢者とその家族との住まい方は着実に欧米化しつつあります。
 高齢福祉課からいただいた平成7年度の国勢調査の資料によりますと、宇部市では65歳以上の高齢単身者世帯は、4,103世帯。65歳以上の高齢夫婦世帯は6,139世帯あります。昭和55年からの5年ごとのこの数字を比較してみますと、かなりの上昇率でふえています。早急な高齢者世帯対策が必要です。
高齢者の方は、健康そうに見えていても、いつ体調を悪くされるかわかりません。また、高齢者を取り巻く住宅事情も大変厳しいものがあります。高齢者単身、高齢者夫婦世帯対策、高齢者住宅対策を今後どのようにされるのかお伺いをいたします。
 4番目は、北部地域の問題についてでございます。
 厚東、二俣瀬、小野、北部3校区は、超高齢化、過疎化など多くの問題を抱えております。小学校へ上がる新入生の数は毎年減少の一途をたどり、5年後、10年後、子供の減少、高齢者の増加で健全な学校運営、コミュニティー活動がとれるか大変心配です。
 現在、小野地区では、農業集落排水事業が進められていますが、二俣瀬、厚東も一日も早い取り組みを念願しています。
 それでは、まず1つ目は、有害鳥獣対策についてでございます。
 北部地域では、イノシシや猿など、野生生物が人里に出没し、農作物の被害が深刻になっております。農家の方は、この被害により生産意欲も薄れ、やる気もでないと言われております。これまでとられた有害鳥獣対策、その成果について、また、今後の対策についてお伺いをいたします。
 2つ目は、アクトビレッジおの事業についてでございます。
  「車を停めて坐ろに愛す」 という漢詩の一節がありますが、四季折々小野湖は、その姿をさまざまに変化させ、ときにあまりの美しさに思わず車をとめて、その景色に見入ることがあります。小野湖周辺のすばらしい自然は、次の世代に残していかなければなりません。
 97年に小野湖は、地域に開かれたダムの指定を受け、昨年11月には県と共同で実施する地域に開かれたダム整備計画が建設省の認可を受けました。小野地区では、この事業の早期着工を待ち望んでおります。昨年9月議会でもお伺いいたしましたが、その後の進捗状況をお聞かせください。
 以上で、壇上での質問を終わります。

藤田市長

志賀議員の御質問にお答えをいたします。
 御質問の第1、通学路の安全確保についてでありますが、通学路の安全対策につきましては、これまでも多くの御指摘をいただいており、これまでも危険箇所の整備に努めきたところでありますが、不幸にして昨年12月、登校中の児童の死亡事故が発生しております。
 本市としましては、学校や地域、関係団体による通学路安全点検の結果をもとに、道路の拡幅工事及び通学路の表示板等の安全対策を講じております。また、各小中学校においては、交通安全指導及び事故災害を防止するための指導の徹底と、安全確保のための点検と万一の事故災害に備えた安全管理の徹底を図っております。
 今後も、校内はもとより、学校外の危険箇所につきまして、定期的に点検してまいります。なお、整備につきましては、通学路を含めた道路の交通安全対策として、現在緊急性の高いところから歩道の新設、改修、補修等、年次的に行っておりますが、国、県に対しても引き続き改善について要望してまいりたいと考えております。
 御質問の第2、スポーツの推進と健康、体力づくりについてでありますが、近年、健康の保持、増進と体力づくりのためのウォーキング、ジョギングに加え、水中運動をしている人がふえております。水中運動は、水の浮力や抵抗により、心肺機能を高めるなど有効な健康づくりにつながる運動と認識しております。
 お尋ねの年間を通じて利用できる温水プールの建設につきましては、今後研究してまいりたいと考えております。
 次に、御質問の第3、高齢世帯住宅の対策についてでありますが、高齢者が住み慣れた家庭や地域社会の中で、健康で安心した生活が送れるよう高齢者の多様なニーズに対応できる保健、医療、福祉のサービス体制の整備を初めとして、高齢者を地域で支える体制や活動しやすい住環境の整備など、ハード、ソフト両面にわたる高齢者の生活環境の整備が必要となっております。
 本市では、ひとり暮らしの高齢者に対し、安心して在宅生活が送れるように、緊急通報装置を早期に設置し、24時間体制で見守りを行います。また、住宅改修にかかる相談、助言サービスを高齢者やその家族が気軽に利用することができるよう高齢者等住宅相談窓口の充実を図ってまいります。
 次に、市営住宅については、高齢者世帯の住宅として平成2年度から老人世帯向け住宅を猿田、風呂ヶ迫、石原、鵜の島団地に72戸を建設するとともに、借上市営住宅につきましても、今年度42戸の募集戸数のうち、22戸を高齢者の入居できる住宅として供給しているところであります。
 また、高齢者ニーズに対応できる住宅として、エレベーターつき住宅153戸を建設しており、現在鵜の島団地に福祉施策と住宅施策の密接な連携のもと、シルバーハウジング24戸を建設中であり、今後とも高齢化社会に対応した諸施策の推進に努めてまいりたいと考えております。
 次に、御質問の第4、北部の地域問題について、第1点の有害鳥獣対策についてでありますが、農家のさまざまな鳥獣害対策にもかかわらず、種々の野生鳥獣による農作物への被害が増加し、有効な対策に苦慮しているところであります。
 有害鳥獣駆除につきましては、農業協同組合、猟友会、県、市等による宇部市有害鳥獣駆除対策協議会を設置し、被害発生状況などから被害発生予察を行い、駆除方法、駆除区域など、具体的な有害鳥獣駆除計画を立て、農家の通報により農業協同組合からの要請を受けた猟友会の協力で、銃器、わなによる駆除を行っているところであります。
 本年度の駆除実績は、猿、イノシシ、野ウサギ等の獣類が79頭、ドバト、ヒヨ、カラス等の鳥類が1,019羽となっております。
 12年度も北部地域において猿、イノシシ等の被害発生が予想されていることから、小野、二俣瀬地区で楠町の猟友会と合同で銃器による広域的な駆除対策を実施するとともに、水田周辺での自衛のわな及び保護柵の設置やイノシシの被害予防柵の設置として、2,000メートルが予定されております。今後とも、関係機関と協力し、有害鳥獣の被害防止に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、第2点のアクトビレッジおの事業でありますが、現在小野湖周辺において、小野地区の地域特性である豊かな自然と小野湖を活用した地域振興策としてアクトビレッジおの整備事業を進めているところであります。
 小野湖は、ダム湖及び周辺地域を自然環境の保全を図りながら活用することにより、地域の活性化を図る制度である地域に開かれたダムに指定されており、昨年11月には、その整備計画が建設省の認定を受けております。本年度中核施設でありますアクトプラザの用地取得を計画しておりましたが、地権者との交渉が難行しており、年度内での用地取得が困難な状況になっております。
 アクトプラザ用地は、本事業の推進において極めて重要な土地でありますので、来年度も引き続き用地が取得ができるよう交渉を継続してまいりたいと考えております。
 以上で、壇上の答弁を終わります。

志賀光法

どうもありがとうございました。
 それでは、幾つか再質問、要望をさせていただきます。
 まず、通学路の安全確保についてですが、今回の小野での事故後、事故現場につきましては、早急な道路、側溝改良をしていただきました。地元の議員として厚くお礼を申し上げます。
 しかし、この市道小野平原市小野線では、これまで登下校中に3度の自動車との接触事故があったと報告を聞いております。今回のような事故が2度目となる児童が3名います。その子の受けた心の傷ははかり知れません。車を見ただけで、足がすくむのではないでしょうか。心のケアが必要であると思いますが、適切な対応がされているのかお伺いをいたします。

西村教育長

今回の事故を教訓に子供たちのケアのことにつきましては、まず学校の先生方のかかわりをどうするのかということで、そのケアのあり方についていま常盤中学校に臨床心理士の (小川) 先生がおられますが、これをお呼びしてまず先生方にケアの研修をしていただきました。それから、その後子供たちと親、先生方、このかかわりにつきましては、同じく (小川) 先生にかかわっていただきまして、カウンセリングをしていただいております。12月の終わり、冬休みになったときに、まず先生方の研修をということと、1月になりまして3回ぐらいですか、また、(小川) 先生をお呼びして子供たちのかかわりをそこでやっていただきました。これで、今後1年間ですね、今度は山大の助教授の (木谷) 先生ですか、これ臨床心理士これ1年間継続でですね、これを継続的に啓発指導していただくという方向になっております。
 なお、登校中につきましては、PTAの方、それから地域の方、あるいは先生方、あの道路につきましては、朝早くから立哨指導していただいております。何分にも子供たちの心の安定を図ることが第一義と考えて現在進めているところでございます。以上です。

志賀光法

どうもありがとうございます。今後、心の傷が完全に癒えるまでカウンセリング等、サポートをとっていただきますようお願いいたします。
 この路線につきましては、これまで市小野地区の子供から市長さんへの年賀状の中で、歩道の設置をお願いしてきたところです。4度目の事故が起こらないように、早急な対応を地元では望んでおりますが、今後の改良の見通しについてお伺いをいたします。

山本土木建築部長

お答えをいたします。
 御指摘のとおり、子供の命が奪われたということで大変残念に思っている次第でございますが、今後とも、公安委員会を初め、関係者の皆さんと十分協議を行いながら、工事が可能なところから引き続き、路側帯等の整備を行い、歩行者の安全確保に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。

志賀光法

よろしくお願いします。4月からは新学期が始まり、各校区とも新入生を迎えます。少子化が進む中で、子供は親にとってはもちろんですが、地域社会にとっても宝です。通学路の交通安全対策、痴漢、誘拐、傷害などあらゆる犯罪に対しまして、安全確保をしていただきますようにお願いいたします。
 次のスポーツの振興と健康、体力づくりにつきましては、温水プールの建設をお願いいたしましたが、残念ながら私の望む回答はいただけませんでしたので、温水プールへの私の思いを申し述べさせていただきます。
 温水プールにつきましては、妊産婦、そして、幼児から高齢者までと幅広い年齢層が参加可能であります。ほかのグラウンド、体育館で行う運動、スポーツと比べても、単位面積当たり、時間当たりの利用効率も大変よく、受益者負担の考え方もなじみやすいと思います。4月からはいよいよ介護保険制度が実施されますが、この介護保険制度は、財政健全化に向けて画期的な制度となると言われた人もおります。スポーツ、健康、体力づくりを推進すれば、介護不要な元気な高齢者をふやすことになります。すると、介護を必要とする人が減ることになり、市の負担は少なくて済みます。この温水プールの建設の提案は、健康、体力づくりの推進ということだけではなく、財政健全化の提案でもありますので、前向きに受けとめていただきたい、御検討いただきますよう重ねてお願いを申し上げます。
 緊急通報システムにつきましては、早急な対策として新たに1,800台の設置の予定を聞いております。対象者は、単身高齢者ということになっております。家族と同居している高齢者の場合、昼間はひとり暮らしと同じ状況になっていることが多いと思います。特に、重い疾病を持った高齢者を抱えておられる世帯は、昼間の不在時の心配をされています。同様の緊急通報システムの設置の対象にできないものでしょうか。お伺いをいたします。

古林健康福祉部長

お答えをいたします。
 本市では、ひとり暮らしの高齢者に対しまして、安心して在宅生活が送れるように24時間体制で見守りのできる緊急通報装置を早期に設置してまいります。
 今後、ひとり暮らしの高齢者の増加が見込まれておりますし、また、それによりまして緊急通報装置も増加するというふうなことになろうかと思います。したがいまして、お尋ねの昼間独居の状態になる高齢者の方に対する緊急通報装置の設置につきましては、今後状況を見ながら研究してまいりたいと考えております。以上でございます。

志賀光法

どうか御検討いただきますようにお願いいたします。
 次に、高齢者の住宅についてですが、老後の暮らし方は、自然に囲まれた環境のよい田舎でのんびり暮らしたい。また、それとは逆に病院、コンビニが近いまち中で暮らしたいなど、意識やニーズは多様化してきています。
 老後をだれとどこでどのように過ごすかは、高齢期の人生をより豊かに生きるための重要なテーマであります。自分一人より兄弟姉妹と、また、趣味など価値観、気の合う仲間との共同生活をしてみたいとして、北米で取り入れられている住まい方の一つとして、いまグループリビングが注目をされております。このグループリビングにつきましては、平成8年に厚生省で事業化され、当初10カ所分の予算を確保してスタートしましたが、実際に補助金の指定を受けられたのはわずか2カ所にとどまっています。5年以上の継続見込みが立っていなかったり、10人以上の入居者がいる場合は、事業の対象外となるなど、指定条件が厳し過ぎて、いまはまだこの老後の住まい方が進まない状況であります。
 宇部市でも、老後の住まい方として仲間との共同生活住宅、いわゆるグループリビングに取り組みを始められた方がおられます。宇部市として個人で、あるいはいま、注目のNPOが主体となってグループリビング事業を始められる場合、台所や食堂など供用部分のハード面での助成はできないものでしょうか。お伺いをいたします。

古林健康福祉部長

お答えをいたします。
 平成10年度から平成16年度までの計画期間としております宇部市高齢者保健福祉計画では、ひとり暮らしに不安を感じている高齢者など、生活支援を必要とする高齢者が居住できる施設といたしまして、軽費老人ホームのケアハウスと高齢者生活福祉センター、この2つの施設整備を計画しております。
 お尋ねのグループリビング事業の助成につきましては、今後国の動向や高齢者のニーズに注目しながら研究してまいりたいと考えております。以上でございます。

志賀光法

グループリビングに代表されるような共同生活形態は、身体機能が少々低下してもできる限り住み慣れた地域社会の中で、普通の生活を継続したいというニーズの高まりを受けて、今後ますます拡大していくことになるでしょう。
 このグループリビングにつきましては、不幸な震災に見舞われたためか、神戸が先進地となっております。神戸のNPO、コミュニティー・サポート神戸の資料を渡しておりますが、このコミュニティー・サポート神戸が昨年12月にグループリビング事業として、4階建てのコレクティブハウスを完成させました。運営につきましては、管理をこのコミュニティー・サポート神戸が、食事、ケアについてはまた別のNPOがそれぞれかかわっているとのことです。
 いま福祉全般にNPOの登場が待たれております。今後行政とNPOとのかかわり方についても、研究されておりますが、宇部市としてもグループリビングの助成、また、今後福祉事業のNPOへの委託など、NPOとのかかわり方について御検討いただきますようによろしくお願いいたします。
 有害鳥獣対策につきましては、自分の住んでいる周りをおりで囲んで住まわなければいけないという冗談みたいな話をおっしゃっている方いらっしゃいますが、被害は本当に深刻なんです。何か効果的な対策はないか御研究いただきますようにお願いをいたします。
 2点目のアクトビレッジおの事業につきましては、地権者の方との用地の取得の交渉は、どうか誠意を持って当たられ、できるだけ早い解決に向けて努力されるようによろしくお願いいたします。
 昨年9月議会でも提案いたしましたが、アクトビレッジおの事業につきましては、完成後健全運営のためにも集客力を考え、多くの利用者が望める計画にする必要がありますので、今回新たに2つの提案をいたします。
 まず1点目は、オシドリの里づくりです。
 宇部野鳥保護の会の原田事務局長さんの話によりますと、小野湖はオシドリの飛来数が全国で2番目に多いそうです。オシドリは、日本国内に1万羽前後しか生息していないと言われていて、小野湖に飛来した数は、過去これまでの最高は97年の1,676羽、毎年1,000羽以上を超えており、小野湖は全国で指折りの貴重なオシドリの飛来地だと言われました。
 先日私は、オシドリが全国一飛来数が多いと言われている愛媛県の肱川町鹿野川ダム湖に行って来ました。天候など条件は悪かったんですが、オシドリは1,000羽以上はいました。山は深く、バイパス道が新たにできていて、旧道となるダム周辺の道路は車両の通りがほとんどないため、オシドリにとっては大変よい環境であると思います。周辺の山についても、カシ、シイ、ナラなどの実のなる木が豊富にあり、JRA日本中央競馬界特別振興資金による助成事業として、ドングリの森づくりも実施されています。ドングリなど、えさとなる木の実の多さがオシドリの飛来数に大きく影響すると言われています。
 アクトビレッジおの事業につきましては、冬場の集客力を考える必要があると言われておりますが、10月から3月まではオシドリで多くの人が呼べると思います。宇部市では、平成10年9月議会で、水源涵養基金を条例でつくられましたが、この基金を活用され、小野湖周辺のドングリなど、実のなる立木の取得、また、私有林をドングリなど実のなる木の造林をされたらいかがでしょうか。お伺いをいたします。

矢富総務部長

お答えをいたします。
 議員さんいま御指摘のとおり、小野湖は、日本国内でも有数のオシドリの越冬地として知られておりまして、毎年1,300ないし1,800羽が越冬しているということも承知しております。
 アクトビレッジおの整備計画におきましては、この貴重な水鳥の生息に影響を与えないよう森林などの自然環境を保全するとともに、アクトプラザ敷地内にも御指摘のカシなど実のなる木を植栽するなど、水鳥によりよい環境を提供するようにしておるところでございます。
 お尋ねの水源涵養基金の活用というお話もございましたが、その実施に当たりましては、そのあたりも十分に配慮していきたいというふうに考えております。以上です。

志賀光法

森づくりは、一、二年ではできるものではありませんので、御検討をよろしくお願いいたします。
 もう1つの提案をいたします。
 小野湖には、最近季節を問わずブラックバスの愛好家が多く訪れるようになりました。週末になりますと、広島、九州などの他県ナンバーの車が目立ちます。小野湖は、ブラックバスの雑誌では有数の釣り場として紹介され、年に数回広島、九州の釣具店が主催となってブラックバス釣り大会が盛大に開催されます。そのときなどは、大阪、東京の近県ナンバーの車も見かけられます。このような大会が開催されますと、有名なバスプロの参加もあり、そのプロを目当てに多くの小中学生が集まり羨望の眼差しで見ている光景を見ますと、スポーツフィッシングとしての人気度が伺われます。
 ブラックバスは、在来魚を食い荒らし悪役のイメージがありますが、引きの強さとえさなどつけずに釣れる手軽さから子供から女性までファンが拡大して、一部の漁業団体や釣り関連業界はバス景気に湧いております。最近発売された週刊誌では、GTO、グレート・ティーチャー鬼塚こと、反町隆史と松嶋菜々子とのブラックバス釣りデートのスクープ記事が掲載されていましたが、多くの有名芸能人もブラックバス釣りをしていることがブームの火つけ役となっています。
 ブラックバス釣りは、小中学生の間では最近発売された新型ゲーム機同様話題の対象の一つになっていて、興味、関心を持っています。体験学習としてブラックバス釣り指導をプログラムの一つとして組み入れられると、宿泊訓練など体験学習の場としての選定に際しまして、大きな材料の一つになると思います。
 地元でも、ブラックバスについては賛否両論ありますが、小野のまち起こしをブラックバスでと真剣に考えている私の同級生もいます。ブラックバスは、オシドリ同様に多くの人を呼べる材料の一つになると思いますので、御提案申し上げます。
 しかし、いま小野湖は、いまのところ水面の利用については何も規制がないために、釣り人の無法地帯となっています。ワカサギ、鯉、ヘラブナの釣り人のマナーの悪さ、ブラックバス釣りとその他の釣り人とのトラブルもあると聞いております。また、オシドリがブラックバスボートによって追い散らされているという指摘もあります。
 今後、アクトビレッジ事業によりボートコースが設置されますと、事故、トラブルなどの発生が懸念されます。いまのままでは小野湖の自然、それぞれが持った観光資源は守れないと思います。それぞれのエリアを決めるとか、シーズににより規制していくとかの方策が私は必要だと思います。それには、漁業権の設定が有効な方策だと思います。漁業権を設定して、入漁料を徴収し、シーズン、エリアなどの規制をし、入漁料収入を安全な釣り場の整備等に充てたらと思いますが、漁業権の設定についてどのようにお考えかお伺いをいたします。

矢富総務部長

お答えをいたします。
 小野湖を管理しております山口県では、ダム湖を周辺地域の環境に悪影響を与えない範囲で、積極的に利用する方向を打ち出しております。
 安全管理の観点からは、ダム湖利用計画実施要領を策定いたしまして、その要領をもとに各ダムごとに地元関係者を含むダム湖利用協議会が設立され、利用区域の設定などを含めた利用計画を策定する予定となっております。その中で協議をしてまいりたいと考えております。以上です。

志賀光法

その動向を私も見極めたいと思いますが、私は、やはり漁業権の設定が一番の小野湖の自然、観光資源を守るための方策だと思います。今後、御研究、御検討いただきますようにお願いいたします。
 小野では、地区活性化をアクトビレッジおのにかけております。できるだけ早い事業の着工、完成となりますように、御尽力をお願いいたしまして、私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。